何をしておけばイイ? 子どもがいない夫婦の現実的な老後対策4つ
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香山さんもおっしゃっていますが、子どもがいないシニアシングル女性にとってこれらの悩みは、『今からあれこれ心配したって、なるようにしかならない』(同著より)というのが本当のところなのだと思います。
それでも、常に心がけておくとよいことはあります。それは、同じように子どものいない友人を積極的につくる ようにし、役立つ情報を共有するということです。
自分一人きりで暮らし続けることに不安やリスクを感じるのであれば、同じような境遇の友達と一緒にNPOなどに相談して高齢者向けシェアハウス のようなところに入居するという道もあります。
わが国では西欧や北欧の先進諸国と違って、高齢者福祉にまつわる諸問題の解決法を主に“家族の自助”に求める政策が採られてきたことは、香山リカさんも著書『老後がこわい』の中で指摘している通りです。
そのような社会の中で子どものいないご夫婦が平穏な日常を過ごすために大切なものは、何よりも同様の立場の人たちとのネットワークではないでしょうか。
ママ友の人たちがママ友どうしで情報共有をしているように、お子さんがいない人どうしでもそうするのがいいと思います。
●パートナーに遺産の全額を引き継いでほしいなら遺言書を書いておくこと
数年前のCNNの記事で、英国オープン大学が実施した夫婦関係の満足度に関する調査結果について書かれたものがありました。
それによると、『子どものいない夫婦の方が、子どものいる夫婦に比べて、夫婦関係に対する満足度が高く、関係を保つことに努めている』という結果が出たそうです。
筆者の親類にも、お互い70代後半になっても仲睦まじく頻繁に旅行を楽しんでいる夫婦がおりますが、見ていてもうらやましい気持ちになります。
また仕事上の友人でもある冒頭でご紹介した40代の既婚女性たちも、旦那さまとのことになると本当にいつまでも恋人同士のような感じでお話しをされるのでとても微笑ましく、ついついこちらまで心が温まってしまうようです。最後に、子どものいないご夫婦のどちらかが高齢となり一生を共にしてくれたパートナーに(多少にかかわらず)資産の全額を引き継いでもらいたいと願う場合は、しかるべき遺言書を書いておくことを忘れないでください。
ご自身に存命中の兄弟姉妹がいらっしゃる場合には、その兄弟姉妹の方も法定相続人となりますので、遺言書がないと遺産分割協議が必要となります 。