苦手を克服! 子どもの読書感想文をサポートするときのコツ
こんにちは。子育て支援を専門にする臨床心理士の今井千鶴子です。
多くの学校では夏休みの宿題に“読書感想文”があると思います。
特に低学年のお子さんの場合は、一人で完成させることは難しく、ママのサポートが必要な場合も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ママが読書感想文をサポートするときのコツについてお伝えします。
●21世紀型教育の中核は読書感想文が土台になる?
夏休みの読書感想文といえば、「めんどうくさい」「嫌い」「やりたくない」という3拍子のコメントを耳にします。
バンダイ(2013)の調査でも、読書感想文に対する苦手意識の高さがうかがえます。
しかし、これから学校受験や就職試験をする子どもたちはそうはいっていられません。
すでに名門大学では論作文に重点をおく試験に移行することを明言していますし、教員採用試験でも論作文や集団討論などの“自分の意見を伝える技術”が合否を左右するようになっています。
検索サイトの進歩によって、多くの知識を覚えるような“記憶偏重型学習”から、情報をうまくまとめながら“自分の考えを作り出して伝える”という能力 を求める動きにシフトしています。
読書感想文は、このような“自分の意見を伝える技術”の基本的な練習になりますし、何よりもお子さんの“生き抜く力”を育てるきっかけになります。
●作文を書くことによるさまざまな効果
冒頭の書きっぷりから想像もつきませんが……かくいう私も子どものころは読書感想文を嫌々やっていました。
しかし今、子どもの教育に携わってわかることは、作文を書く力は子どもにとって必要な力だということです。
そして、子どもたちにはもっと読書感想文を楽しんでほしいと思っています。
作文を書くことによる効果のひとつは、自分の意見を論理的に説明する力 が身につくことです。また、“自分の考え方のクセ”に気づき、自己理解が深まることも期待できます。
さらに、作文を書くうえでは「登場人物は何を思っているのだろう?」と推測したり、登場人物の思いに寄り添ったりするため、共感の心を育てることにつながります。
このことは、人間性の成長にも大きく関わってくると思います。
このように作文が多くの効果をもたらす背景には、書くことが“メタ認知(自分の認知機能を理解したり、モニタリングしたり、コントロールしたりする一連の過程)