いつから始める? 3歳を境に変わる子どもの“バイリンガル教育”の違い
の原則 』と呼ばれています。
オーストラリアで英語とドイツ語を使って2人の息子をバイリンガルに育てた事例があります(Saunders,バイリンガル教育研究者、1988)。
この父親は、ドイツ語のネイティブではありませんでしたが、以前ドイツに住んだことがあり、そこでドイツ語を学び、ドイツ語には自信を持っていました。
それで、息子が生まれたときからドイツ語で話しかけ、母親は英語で話しかけたそうです。
わが家の場合は、娘が生まれたばかりのときから私は日本語で、妻は中国語で話しかけました。
娘が3歳になる前に台湾からシンガポールに転勤になり、娘を英語の幼稚園に入園させました。
つまり、娘は3歳になるまでに、毎日3か国語に接していたことになります。「混乱するんじゃないの?」と、周りの人には心配されましたが、それはなかったようです。
15歳になる今では、英語、中国語、そして日本語をほぼ完璧に話すことができます 。
●3歳までの『第一言語としてのバイリンガリズム』
3歳までの、同時バイリンガリズムの習得に関する研究では、2つの重要な点が指摘されています。
第1に、2つの言語の同時習得はひとつの言語の習得の発達順序や過程と同じであることをSwain(バイリンガル教育研究者、1972)という人が示しています。
子どもたちはまるでひとつの言語を学ぶかのように2つの言語を学んでいる のだそうです。
第2に、それと関連して、二言語併用が第一言語になる場合もあります。バイリンガルの子どもの2つの言語が、ひとつの言語体系によって支えられているという考え方です。
3歳になるまでの子どもは、数か国語に囲まれる生活でも混乱することはありません。
もし、国際結婚のご家庭の場合は、安心してパパはパパの国の言葉を、ママはママの国の言葉を生まれた赤ちゃんに話しかけてあげてください!
●3歳以後の、連続バイリンガリズム
連続バイリンガリズムとは、子どもが第一言語を習得し、それから第二言語に習熟していくような状況のことです。
McLaughlin(バイリンガル教育研究者、1984)は、3歳という年齢を同時バイリンガリズムと連続バイリンガリズムの一応の境目として用いることを提案しています。
子どもが3歳以後、第二言語に堪能になるための方法はさまざまで、唯一最良というものはありません 。