子育て情報『目立たないけどいい選手、なのにセレクション全滅。受かるためにわかりやすい個性をつけさせるべき?』

2020年12月11日 15:57

目立たないけどいい選手、なのにセレクション全滅。受かるためにわかりやすい個性をつけさせるべき?

この指導をぜひ続けてください。

まずは賢い選手を育てることに軸足を置きましょう。それが私の指導の大前提でもあります。自分で考えられる子どもに育てていけば、カテゴリーが進むにつれて次々とハードルが現れても「チャレンジしよう。どんなふうにやればいいかな」と自分で考えられます。指導者の要求にも応えられる思考や創造力を発揮できるはずです。

例えば、ここはドリブルで抜くよりもパスを選択しよう、と考えられる。その時々で最も選択すべきプレーを選べるようになります。
ドリブルで抜いたり、ゴールを決めることよりも、その力を磨くことのほうが重要です。

■個人の特長を伸ばすだけでなく、頭脳を育てるのが指導者の役目

現在Jリーグにいる選手で今後も生き残っていける選手は「僕のスタイルはこれしかない」ではなく、監督の要求に応えられるうえで、自分のやりたいこともできる。そんなタイプです。海外でプレーする選手は言わずもがなでしょう。

例えば「これしかできない」という選手は、そのチームに自分と同じ武器で、より高性能でかつプレーの幅が広い選手が入ってくれば負けてしまいます。

「一対一が強い」「ドリブルが上手い」は、個人の特長です。特長はあって然るべきですが、それがすべてでは困るのです。攻守においてチームとして連動するときに、イメージを分かち合える頭脳をもたなくてはいけません。
その頭脳を育てるのが、私たち指導者の役目なのです。

■トレセンに迎合する必要はない

目立たないけどいい選手、なのにセレクション全滅。受かるためにわかりやすい個性をつけさせるべき?

(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)

ご相談者様が教えていらっしゃる子どもは、まだ9~10歳です。この先、高学年になればどの子も体が少しずつ大きくなって、パワーも増してきます。そこに「賢さ」を足せるようになれば、その後はどこに行ってもステップアップできるでしょう。

トレセンに迎合する必要はありません。ここまで私が説明したことが世界基準だと自負しています。

今の指導をぜひ続けてください。
目立たないけどいい選手、なのにセレクション全滅。受かるためにわかりやすい個性をつけさせるべき?


池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。

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