子育て情報『小学生年代のヘディングは禁止した方が良いの? 知っておきたい少年サッカーのヘディングリスク』

2021年1月20日 18:40

小学生年代のヘディングは禁止した方が良いの? 知っておきたい少年サッカーのヘディングリスク

選手は『ヘディングをすると頭が痛くなるのは当たり前』と思っているかもしれませんが、そのまま継続してプレーしている現状は問題視する必要があると感じています」

転んで頭を地面に打つ、頭同士がぶつかることなどで脳振盪が起きますが、子どもの場合、ヘディングをすることで軽度の脳振盪になることもあるそうです。

「子どもの場合、ヘディングによって数日間頭痛が続いたケースや、2、3週間も健忘症が続いたケースも報告されています。そのようなことが起こり得ることは、知っておく必要があると思います。サッカーの試合の後に頭痛やめまいが続く、目がかすむ、家で落ち着きがないという子に関しては、症状が治るまで待ってプレーを再開したり、ヘディングを禁止するといった対応は、少なくとも必要なのではないかと思います」

実際のところ、ジュニア年代の子どもに対して「ヘディング禁止」したほうがいいのでしょうか?

「練習ではノーバウンドのボールやGKからのキック、クロスボールに対しては、ヘディングをしない方がいいと思います。イングランド(FA)のガイドラインは『18歳頃までは、徐々に回数を増やしながら行う』となっていますが、クロスボールやパントキックを繰り返しヘディングすると、短期的に記憶力が落ちます。記憶のテストをすると、ヘディングをする前と後では明らかに点数が落ちるという研究結果があるんです」

実はこのような目に見えた症状が現れない脳振盪は「亜脳振盪」と呼ばれ、日本ではほとんど知られていませんが、アメリカでは10年以上も前にメディアに取り上げられ定着している概念なのだと臼井さんは教えてくれました。

ロングキックやクロスボール、シュートに対するクリア時のヘディングの衝撃は大きく、誰しも頭がジーンとしたり、ズキンとした痛みを感じたことがあるのではないでしょうか。

「シュートに対するクリアやクロスボールは頭への衝撃が強く、即時的な記憶や注意力、思考スピードの低下が生じます。
このヘディング直後の記憶力の変化は、脳の防衛反応とも言われており、このような亜脳振盪を長年繰り返すと、脳の障害に繋がる可能性があると言われています。そのため、そのようなシチュエーションは練習で行わない方がいいと思います。ただし、スローインのボールをヘディングするなど、ワンバウンドしたボールに対するヘディングは OK です。衝撃は小さいですからね」

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