仲間に心無い言葉を投げられる息子。親はどう介入すべきか問題
そして、「あなたはまったく悪くない」「我慢しなくていいんだよ」「ママは君の味方だからね」ということを繰り返し言い聞かせましょう。
この話を聴く作業だけで、お母さんの役目は半分果たせています。子どものほうも、たとえ名案が浮かばなくても、親に自分が傷ついた出来事を話せば、かなりスッキリします。お母さんが、例えば誰かに愚痴などを聞いてもらうのと同じ感覚です。
■嫌なことは嫌、やめてと言えるようにしよう
三つめは、息子さんは仲間に「そういうことは言わないでほしい」ときちんと言えているのかを尋ねてください。お母さんが「下手な子の親は肩身が狭いというか、発言しにくい」と考えているように、息子さんも「僕はサッカーが下手だから、そういうのは言わないでとは言いづらい」と思っていないでしょうか?
親子とは不思議なもので、気持ちや価値観は非常に高い確率でシンクロします。もし、息子さんがまだ抗議していないのなら、嫌なことは嫌、やめてほしいことはやめてと言えるようになることをぜひ目指してください。
■「補欠だから......」と上手い子たちがいじめて良いわけはない
小学校中学年くらいは、サッカーの上手い下手で子どもの間にヒエラルキーが生まれることは多々あります。
ある小学校の先生に取材した際、こんな話を聴きました。
そこの小学校はサッカー少年団に入る子がすごく多く、3クラスあるなかで1クラスの男子の半分近くが団員でした。休み時間にサッカーをして活発に遊んでくれるので最初はその先生も「よく外遊びしていいなあ」と好意的に見ていました。ところが、徐々にヒエラルキーに気づき始めます。
「一部の子だけがいつもボールの片づけをしていたり、掃除の班のなかで、レギュラーの子が補欠の子に自分がやらなければならない掃除を奴隷のようにやらせていたんです。ほぼいじめですよね」
しかも、なかには「奴隷36番」などと、サッカー少年団の背番号で呼ばれている子までいました。
先生は掃除や片づけを強制されている子どもたちに「なんで断らないの?嫌だって言いなよ」と話したら、その子たちはこういったのです。
「だって、僕たち、補欠だから」
試合に勝てるのはレギュラーの上手い子たちのおかげ。たまに補欠である自分たちが試合に出ると足を引っ張ってしまう。
「だから、命令には従わなくてはいけないと思ってたって言うんです。