選手のノイズになるから細かい声かけをやめたら、チームが盛り上がってない印象に...... 試合中の声かけ、何を心がければいい?
よって、試合中に指示や命令を出さなくていいはずです。
子どもたちに「相手チームの特長はわかった?」「トップに足に速い子がいるね」などと話します。子どもたちに「あとは考えてね。練習してきたことを思い出して試してみよう」と試合前に声をかければ、それで役目は終了です。
そのような三つのことを、他のコーチや保護者など大人たちで話し合って、どうすれば子どもたち全員が楽しく生き生きと試合をできるのかを考えてみましょう。大人が子どもたちの気持ちやチームの空気を感じることが重要です。そこをきちんと感じ取って、良い方向に替えていってください。
■いい試合でも選手は「外から修正してほしかった」と......ピッチの中と外で感じ方は違うもの
(写真は少年サッカーのイメージです。
ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)
私は現在も、幼児、小学生、中学、高校とすべてのカテゴリーを指導しています。つい先日、かかわっている高校の公式戦がありました。選手は集中し、インテンシティ(強度)も高く、とてもいい試合でした。結果は0対0のスコアレスドローで、強い相手から勝ち点をもぎ取れました。
しかしながら、選手たちに尋ねると、彼らは試合内容に満足していませんでした。ナイスゲームだったねと声をかけても「いい試合ではなかった」と言います。なぜなの?と理由を聞くと、「中盤が受けられなかった」といった声が出ました。
「外(ベンチ)から、ポジション修正するとか、選手交代してほしかった。
システム変更とかをベンチにしてほしかった」と言うのです。しかし、ベンチから観ればいい試合だったので、何かを動かす必要はないと考えていました。
このように、外からの目と、中にいる選手の考えはすれ違うことが往々にあります。であれば、外(ベンチ)からどう声かけしようが、あまり意味はないということです。ベンチが騒がしければいいわけでもありません。ぜひ、様々な角度からチームのあり方を見つめ直してみてください。
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池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。
2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。