子育て情報『公立小学校でイマージョン教育に取り組む意義「グローカル」視点の重要性』

2022年7月26日 10:00

公立小学校でイマージョン教育に取り組む意義「グローカル」視点の重要性

と「それを使う状況」の関係を無意識のうちに理解している、英語を使うことに慣れている、などの特徴があります。しかしながら、小学校卒業の段階では、英語を理解する能力(聞く、読む)は優れているものの、発信力(話す、書く)は発展途上であることから、中学校以降の教育をどうするかも考えなければならないとのこと。

イマージョン教育を成功させるためには、日本語と英語の両方をバランスよく使いながら教科を学ぶ環境が小学校で終わらず、中学校、高校、できれば大学まで続く長期的なプログラムが不可欠、と話した原田教授。
八町小学校の取り組みを成功させるためにも、また、その成果を豊橋市内の英語教育に還元するためにも、中学校以降における「英語を使って何かを学ぶ」環境づくりが重要であることがわかりました。

■ おわりに:イマージョン教育が「地域への還元」につながる可能性
今回ご紹介した通り、子どもたちは、英語を使って教科を学ぶことで、概念(意味)と英語が直接結びつく、実際に使われている英語を状況の中で理解する、自分の考えを英語で伝えようとする、という経験を日常的にしています。また、必要に応じて日本語も使いながら思考してアウトプットさせることが、効果的に英語を学習する機会につながっています。このような「英語を使う力」につながる指導・学習方法は、他教科と連携させたり、活動内容を工夫したりすれば、イマージョン教育を実施していないほかの小学校や中学校でも応用することができるため、豊橋市全体の英語教育の質向上も期待できます。

今年度から八町小学校の校長を務める山本先生からは、愛知県の中でも特に豊橋は外国籍の人が多く住んでいることから、共生社会を実現する、という意味でも地域にとって良い取り組みであることを地元の方々に知ってもらいたい、という想いを伺いました。
八町小学校の取り組みには、豊橋の子どもたちが英語力を身につけてグローバルに活躍できる人材に育つように、という「Global(グローバル)」の視点と、より良い地域づくりに貢献する人材に育つように、という「Local(ローカル)」の視点の両方があります。

このような考え方は「Glocal(グローカル)」と呼ばれており、教育やビジネスなど、さまざまな分野で重視されるようになってきましたが、ここに公立学校がイマージョン教育に挑戦する意義があるのではないでしょうか。

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