「grape Award 2020」について知りたいことや今話題の「grape Award 2020」についての記事をチェック! (1/2)
『美少女図鑑AWARD2023』で3冠獲得を獲得して芸能界デビューした次世代グラビアプリンセス・白濱美兎が29日、1st写真集『manika』の発売記念イベントを行った。白濱美兎の1st写真集はスリランカで撮影。「青春のキラキラした宝石のような雰囲気をイメージ」し、現地の言葉で「宝石」を意味する『manika』と名づけられた。今回初めての海外撮影だったが「スリランカについては全く知らなかったんですけど、今回の撮影を通じて新しい文化に触れることができました」と語った。スリランカロケは充実したものになったようで「建物や街並みがレトロで可愛かったり、フレンドリーに写真を撮ってくれる現地の方とか、日本とは違う雰囲気の撮影になりました。ご飯がとってもとっても美味しくて!ご飯を食べるために行きたいぐらい」と笑顔。自身が海での撮影を熱望したそうで「海が本当にきれいで!夕日が沈むカットも日本と違ったきれいさがありました。明日を向いているような目と、光の当たり方がきれいで、夕日と撮れたのがベストショットだと思います」と自信を見せた。高校卒業のタイミングで発売される写真集。見どころについて「現役高校生最後の制服姿で、デビュー時のグラビアと合わせてセーラー服を着ています」と語り、「これまでで一番ナチュラルで、私と一緒にその場にいる感覚を味わっていただけるんじゃないでしょうか。カメラマンさんが私が気付いていないときに撮ったりして、ふとした瞬間の表情とか、今まで雑誌には載っていないような写真が収録されています」とアピールした。今後の目標について「いろいろ新しい経験をすることもあると思うんですけど、なによりも初心を忘れずに、何事も私らしくやっていきたい。今、こうして活動できているのは、コツコツと積み上げてきたからなのかなと思うので、私らしさを捨てずに、これからもいろんな方に届いたらいいなと思います」と語った。
2025年03月30日“次世代美少女の原石”を発掘「美少女図鑑AWARD 2025」7代目グランプリに石川県出身・東京都在住の19歳・高桑凜羽さん山本舞香、桜井日奈子、馬場ふみか、黒島結菜らを輩出した地域密着型メディア『美少女図鑑』が、全国に潜む“次世代美少女の原石”を発掘するオーディション『美少女図鑑AWARD 2025 supported by FELICE』の最終審査・授賞式を22日、神田明神ホールで開催。応募総数約6,400名の中から、グランプリには石川県出身・東京都在住の高桑凜羽さん(たかくわ・りう/19歳)が選ばれた。最終審査では、ファイナリストが3~4人1組でウォーキングを披露したあと、60秒ずつの自己PRを披露。それぞれ歌やけん玉、チアダンス、バイオリンの演奏、外郎売の暗唱や手話でのスピーチなど、個性豊かな特技を見せ、ファイナリストたちのまっすぐに挑む姿が輝きを見せた。プレゼンターを務めた箭内夢菜から名前を呼ばれた高桑さんは、驚きの表情を浮かべながら大粒の涙を流し、ゆっくりとステージ中央へ。箭内からミモザの花をあしらった華やかなティアラやトロフィー、そして副賞としてKOHAKUシャンプー&トリートメント1年分を贈呈されると笑顔を見せ、「グランプリを受賞できると思っていなかったのでびっくりしています。嬉しい気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございます」と受賞の喜びを語った。高桑は京都豊匠賞、Ray賞、オーディションTV賞、Negative Pop賞、MA3.0賞も受賞した。なお、準グランプリには埼玉県在住の野津明咲さん(のづ・めいさ/13歳)、審査員特別賞には東京都在住の肥田依伽さん(ひだ・ゆうか/21歳)が選ばれた。
2025年03月23日KLMオランダ航空(以下、KLM)は、APEXが主催する「The APEX WORLD CLASS(TM) by YATES+ 2025 Award」において、最高評価の「World Class Award」を4年連続で授与されました。World Class Award「APEX World Class Award」は、世界中の航空会社の顧客体験を調査するAirline Passenger Experience Association(APEX)が、顧客体験、サステナビリティへの取り組み、安全性など各分野において世界各国から収集した調査結果と利用者評価に基づき、最高水準と認定した航空会社に送る賞です。2025年World Class Award授賞式は2024年10月30日にロサンゼルスで執り行われ、エールフランス-KLMグループCEOのベン・スミスがAPEXグループCEOのジョー・リーダー氏から賞を受け取りました。World Class Award 受賞式の様子KLM CXO兼ビジネスデベロップメントEVPのバリー・テル=フォートは次のようにコメントしました。「APEX World Class Awardの評価をいただいたことを大変光栄に思います。KLMは常に高い運航基準を設定し、快適で安全な旅をお客様に提供すると同時に、環境への配慮に取り組んでおります。2024年8月に導入したエアバスA321neoをはじめとする次世代機材へのフリート更新を進め、長距離路線におけるプレミアムサービスの導入など、航空事業の持続的な継承と顧客体験の向上を図る投資を続けています。また今回の受賞につながったKLMの社員一人ひとりの日々の努力を、心からたたえたいと思います。」APEXグループCEOのジョー・リーダー氏は、「KLMはヨーロッパの航空会社の最高峰を代表する存在です。洗練された機内食、快適なキャビン、持続可能な燃料の使用、環境に配慮したデザインなど、KLMの革新的な取り組みは世界的に高く評価されています。KLMはAPEX World Classの価値を真に体現しています」と称賛しました。この受賞は、KLMのプロダクトレベルとサステナビリティへの対応が国際的に認められた証であり、今後も航空業界において先駆的な取り組みを責任をもって進めてまいります。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年11月14日新たなスターの原石を発掘するオーディション「美少女図鑑AWARD 2024」の授賞式が24日、都内で行われ、福島県出身で中学2年生の小原あめりさん(14歳)がグランプリに選ばれた。全国に存在する新たな可能性と輝きを秘めたスターを発掘するため、2019年より開催しているオーディション「美少女図鑑AWARD」。6回目となる今年は北海道から沖縄まで全国11カ所の会場で行われたオフライン審査と全国どこからでも参加可能なオンライン審査による予選に8,200人が応募。面接やライブ配信、ウエブ投票といった半年以上に及ぶ審査で50人のファイナリストを選出された。この日に行われたウオーキング審査、自己PRのファイナル審査に49人のファイナリスト(1人は辞退のため不参加)が臨み、福島県在住で中学2年生の小原あめりさん(14歳)がグランプリの座を射止めた。自分の名前を呼ばれて呆然とした表情を見せた小原さん。MCから感想を求められた小原さんは「いつもはお喋り好きな私なんですが、ビックリするぐらい言葉が出ません」と明かしながら、「頭が真っ白になるってこういうことなんだなって思いました」と信じられない様子。続けて「私を選んでくださり本当にありがとうございます。これからもっともっと頑張ろうと思います」と決意新たにした。小原さんは、福島県在住の中学2年生。将来は保育士と俳優を目指しているといい、「私の性格のようにパワフルで元気な俳優になりたいです」と力を込めた。また、「お母さんにまず最初に伝えたいですね。『グランプリを獲ったよ!』て言います」と無邪気な笑顔を見せた。今後の抱負については「思いつかないんですが、やっぱり目の前のことを精一杯一つ一つ全力で頑張っていきたいと思います」と意欲を見せ、「めるるさん(生見愛瑠)の笑顔が本当に惹き込まれます。めるるさんが目標です!」と憧れの芸能人をあげた。この日はサプライズで千葉県船橋市のマスコットキャラクター・ふなっしーがイベントの途中から登壇。グランプリに選ばれた小原さんの第一印象として「すごい透明感だなって。クリスタルに引けを取らない透明感」と笑いを誘いつつ、「目の前の人に良い思い出を作って上げること。それに尽きます。笑顔にさせる。分かったなっしーか?」と小原さんに温かい言葉を送った。なお、準グランプリには神奈川県出身で高校2年生の怜生(さとは)さん(17歳)、審査員特別賞に埼玉県出身で高校3年生の坂元彩華さん(18歳)、沖縄県出身で小学5年生の比嘉メリアさん(11歳)がそれぞれ選ばれた。
2024年03月25日いつもgrapeをご覧いただき、誠にありがとうございます。この度、grapeではユーザー満足度向上のため、読者アンケートを実施いたします。ぜひ皆様のご意見・ご要望をお聞かせください。アンケートの所要時間は5分程度です。ご協力よろしくお願いいたします。ご回答いただいた方の中から抽選で10名様に、Amazonギフト券3,000円分をプレゼント!当選者の発表は発送をもってかえさせていただきます。たくさんのご応募、お待ちしております!送信する内容をご確認のうえ、送信ボタンをクリックしてください。Q1. 性別必須女性男性無回答性別を選択してくださいQ2. 年齢必須年齢を入力してくださいQ3. ご職業について当てはまるものを選択してください。必須経営者・役員会社員(総合職)会社員(一般職)契約社員・派遣社員パート・アルバイト公務員(教職員除く)教職員医療関係者士業(公認会計士・弁護士・税理士・司法書士)自営業・自由業専業主婦・主夫大学生・大学院生専門学校生・短大生高校生無職定年退職その他ご職業について、当てはまるものを選択してください。Q4. 結婚していますか?必須既婚未婚結婚について、当てはまるものを選択してくださいQ5. 子どもはいますか?必須いるいない子どもについて、当てはまるものを選択してくださいQ6. Q5で「いる」と答えた方に質問です。お子さんの年齢を教えてください。Q7. 現在お住まいの家は、持ち家ですか?賃貸ですか?持ち家賃貸Q8. Q7で「持ち家」と答えた方に質問です。お住まいの家は、戸建てですか?マンション・アパートですか?戸建てマンション・アパートQ9. Q7で「賃貸」と答えた方に質問です。お住まいの家は、戸建てですか?マンション・アパートですか?戸建てマンション・アパートQ10. 現在、一緒にお住いの方は次のうちどなたですか。同じ敷地内で別の棟に住んでいる方も含めて、あてはまるものをお答えください。単身夫婦二人世帯夫婦と子どもの世帯本人と子の世帯本人と親の世帯本人と子と孫の世帯その他Q11. あなたの個人年収を教えてください。~300万円未満300万円~400万円401万円~500万円501万円~700万円700万円~900万円900万円以上Q12. ペットを飼っていますか?はいいいえQ13. Q12で「はい」と答えた方に質問です。飼っているペットの種類を教えてください。猫犬その他Q14. webサイトで記事を読んで、紹介されている商品を買おうと思ったことはありますか?必須あるないサイトで紹介された商品を買おうと思ったことがあるかどうか、選択してくださいQ15. どんなコンテンツに興味がありますか?(複数回答可)ニュース経済芸能ゲームスポーツ自動車・バイク漫画・アニメグルメファッションヘルスケア動物美容・コスメ・化粧品恋愛子育てライフハックその他Q16. あなたが好きなスポーツを選んでください(複数回答可)野球サッカーアイススケートゴルフテニス大相撲バスケットボールボクシングプロレスその他スポーツに関心がないQ17. SDGsに関心がありますか?はいいいえQ18. コンビニやチェーン店の季節商品など、身近なお店の新商品はチェックしていますか?はいいいえQ19. 定期的にチェックしている番組や配信コンテンツを教えてください。番組を問わず、特定の有名人が出ているものをチェックしている場合は、その方のお名前をご記入ください。Q20. 自炊する頻度はどのくらいですか?最も近いものを選んでください。ほぼ毎日週に3~5日週に1~2日月に数えられる程度特別な日(例:家族の誕生日)等、目的があるときのみ行うほとんどしないQ21. grapeをどのくらいの頻度で見ていますか?必須ほぼ毎日1週間に2~3回程度1週間に1回程度1か月に2~3回程度1か月に1回程度2~3か月に1回程度それ以下grapeをどのくらいの頻度で見ているか選択してくださいQ22. grapeを見る目的や求めていることで当てはまるものを選んでください(複数回答可)癒し笑い気分転換特に目的はないが、娯楽として暇つぶしでなんとなく友人知人との会話のネタ集めとしてニュースなどの情報収集のためその他Q23. grapeをよく見る時間帯を教えてください(複数回答可)4時~6時台7時~9時台10時~12時台13時~15時台16時~18時台19時~21時台22時~25時台26時以降Q24. 利用しているSNSを教えてください(複数回答可)LINEFacebookTwitterInstagramTikTokBlueskyPinterestQ25. grapeのほかによく見るwebメディアやお気に入りのwebメディアを教えてください。(名前を覚えていない場合は、何系の情報が載っているサイトだったか、特にない場合は"なし"とご記入ください)Q26. grapeについて、総合的にどのくらい満足していますか?満足しているまぁまぁ満足しているふつう少し不満がある不満があるQ27. grapeについて、Q26のように回答した理由をよろしければ教えてください。Q28. grapeについてご意見・ご要望がございましたら、ぜひ教えてください。Q29. このアンケートをどこで知りましたか?grapeTwitterFacebookSmartNewsその他Q30. プレゼント送付用のメールアドレスを入力してください。必須メールアドレスを正しく入力してください個人情報利用同意必須同意する同意してください ._formrun_gotcha {position:absolute!important;height:1px;width:1px;overflow:hidden;} If you are a human, ignore this field 確認戻るarticle.single-page .enquete .form-item p{margin: 15px 10px 5px !important;}body:not(.formrun-system-confirm) article.single-page .enquete .form-item >div.col_2{display: flex;flex-wrap: wrap;}article.single-page .enquete .form-item >div.col_2 >label{width: 50%;}article.single-page .enquete .col-2 .form-item p{margin: 0 10px !important;}.enquete form .form-item label.radio {display: block;padding: 3px 0 3px 1.8em;position: relative;}.enquete form .form-item label.radio input{position: absolute;left:0;top:5px;}@media screen and (max-width: 600px){article.single-page .enquete .col-2 .form-item p{margin: 15px 10px 5px !important;}article.single-page .enquete .form-item >div.col_2 >label{width: 100%;}}※個人情報の取り扱い詳細は「プライバシーポリシー」をご覧ください。[文・構成/grape編集部]
2024年03月05日岡山県では、「OKAYAMA 188AWARD 若者の消費者被害を防ぐ動画コンテスト」を開催し、令和5年7月5日(水)に作品の募集を開始します。募集終了日は10月4日(水)です。最優秀賞賞金15万円!プロ・アマ・年齢等は不問【開催の背景】成年年齢が18歳になり、若者の消費者被害の拡大が懸念されています。そこで、岡山県では、若者自身が消費者被害を「自分ごと」として捉え、知識や理解を深めるとともに、若者をはじめ様々な世代の方に、どのようなことに気をつければ若者が消費者被害に遭わないかを考えてもらうための啓発動画コンテストを開催します。また、あわせて消費者ホットライン「188(イヤヤ)」の認知度向上を図っていきます。最優秀賞に選ばれた作品は岡山県内の映画館(イオンシネマ岡山)で広告として上映されるほか、最優秀賞、優秀賞、若者賞(応募時25歳以下)作品は、WEB広告として配信します。また、全ての受賞作品を公式サイトで紹介し、各種広報啓発に活用します。なお、作品作りの参考として、審査員長でもある映画監督 大森研一氏による「プロから魅せるを学ぶ動画制作オンライン講座&座談会」を7月29日(土)に開催します(参加無料)。このほか、人気YouTuber 瀬戸内サニー氏による「バズる動画の作り方」を公式サイトにて公開予定です。(詳しくは公式サイトにて)皆さんの御応募をお待ちしています。【募集概要】事業名: OKAYAMA 188AWARD 若者の消費者被害を防ぐ動画コンテスト主催: 岡山県応募期間: 令和5年7月5日(水)~10月4日(水)応募部門: ショート動画部門/15秒~30秒以内の動画作品(撮影方法や表現方法は自由)ワンカット動画部門/決められたお題にあなたのワンカット動画を繋げてひとつの動画を完成させよう。賞: 最優秀賞 15万円(1作品)優秀賞 5万円(2作品)若者賞 3万円(2作品)ワンカット賞 Amazonギフト券1万円分(3作品)※受賞者が未成年の場合、相当額のギフト券などとする。※AmazonはAmazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。応募資格: 日本国内にお住まいの方(プロ、アマ、学生、個人、団体、年齢不問)何作品でも応募可能。(画像はプレスリリースより)【参考】※公式サイト
2023年07月05日岡山県では、「OKAYAMA 188AWARD 若者の消費者被害を防ぐ動画コンテスト」を開催し、令和5年7月5日(水)に作品の募集を開始します。募集終了日は10月4日(水)です。告知用ポスター【開催の背景】成年年齢が18歳になり、若者の消費者被害の拡大が懸念されています。そこで、岡山県では、若者自身が消費者被害を「自分ごと」として捉え、知識や理解を深めるとともに、若者をはじめ様々な世代の方に、どのようなことに気をつければ若者が消費者被害に遭わないかを考えてもらうための啓発動画コンテストを開催します。また、あわせて消費者ホットライン「188(イヤヤ)」の認知度向上を図っていきます。最優秀賞に選ばれた作品は岡山県内の映画館(イオンシネマ岡山)で広告として上映されるほか、最優秀賞、優秀賞、若者賞(応募時25歳以下)作品は、WEB広告として配信します。また、全ての受賞作品を公式サイトで紹介し、各種広報啓発に活用します。なお、作品作りの参考として、審査員長でもある映画監督 大森研一氏による「プロから魅せるを学ぶ動画制作オンライン講座&座談会」を7月29日(土)に開催します(参加無料)。このほか、人気YouTuber 瀬戸内サニー氏による「バズる動画の作り方」を公式サイトにて公開予定です。(詳しくは公式サイトにて)皆さんの御応募をお待ちしています。【募集概要】事業名 : OKAYAMA 188AWARD 若者の消費者被害を防ぐ動画コンテスト主催 : 岡山県応募期間 : 令和5年7月5日(水)~10月4日(水)応募部門 : ショート動画部門/15秒~30秒以内の動画作品(撮影方法や表現方法は自由)ワンカット動画部門/決められたお題にあなたのワンカット動画を繋げてひとつの動画を完成させよう。賞 : 最優秀賞 15万円(1作品)優秀賞 5万円(2作品)若者賞 3万円(2作品)ワンカット賞 Amazonギフト券1万円分(3作品)※受賞者が未成年の場合、相当額のギフト券などとする。※AmazonはAmazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。応募資格 : 日本国内にお住まいの方(プロ、アマ、学生、個人、団体、年齢不問)何作品でも応募可能。公式サイト: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年07月03日吉本興業は1日、芸歴5年目以内の超若手芸人を対象とした新しいお笑い賞レース大会「UNDER5 AWARD 2023」を開催すると発表した。応募資格は、フリー・アマチュアを含め、事務所問わず芸歴0年~5年目の芸人であること。ピン、コンビ、トリオ問わず。漫才、漫談、コントなど、ネタのスタイルも自由。東京・大阪は、1回戦が動画審査で、2回戦進出者を決定するが、札幌・名古屋・福岡・沖縄では2回戦をかけてエリア予選を実施する。以降、3回戦、準決勝を行い、決勝戦は6月18日に東京・ルミネtheよしもとにて実施。FANY Online Ticketで無料配信も行う。決勝戦MCはニューヨークが担当。また豪華審査員の参加も決定し、詳細は公式HPにて随時発表するという。優勝賞金は100万円。大会エントリーは、公式HPにて3月1日13時~3月31日23時まで受け付ける。ニューヨークの嶋佐和也は「5年目以下の芸人の賞レースが爆誕した模様です! 5年目以下の面白い芸人達を見れるのが楽しみです! 優勝して5年目以下で売れて下さい!」、屋敷裕政は「自分達がこの芸歴の時にこんな賞レースがあったら、どんだけ嬉しかったやろうと心から思います。普段めっちゃおもしろい漫才やコントをやっとるのに、一発芸系の芸人に押されてなかなかテレビとかに引っかかってない芸人達に暴れてほしいです! ただ賞金100万はちょっと多すぎると思います」とコメントしている。○「UNDER5 AWARD 2023」大会スケジュール【札幌・名古屋・福岡・沖縄 エリア予選】沖縄:4月15日(土) イオンモール沖縄ライカム名古屋:4月22日(土) 長円寺会館福岡:4月23日(日) よしもと福岡 大和証券/CONNECT 劇場札幌:4月29日(土) 札幌市民交流プラザ クリエイティブスタジオ※2回戦進出をかけた予選を実施。優秀者はエリア推薦として2回戦に進出【東京・大阪1回戦】動画審査【2回戦】大阪:5月22日(月)~5月25日(木) 道頓堀ZAZAHOUSE東京:5月26日(金)、5月29日(月)~5月30日(火) ヨシモト∞ドームI【3回戦】大阪:5月31日~6月1日(木) ZAZAHOUSE東京:6月5日(月)~6月7日(水) 神保町よしもと漫才劇場【準決勝】大阪:6月9日(金) よしもと漫才劇場東京:6月10日(土) ヨシモト∞ホール【決勝】6月18日(日) ルミネtheよしもと ※FANY Online Ticket無料配信
2023年03月01日ウェブメディア『grape』では、2022年6~8月に、エッセイコンテスト『第6回 grape Award』を開催。メディアのコンセプトである『心に響く』というテーマを軸に、身の回りであった心温まるエピソードや、心が癒される体験談などのエッセイを募集しました。応募作品の総数は、なんと643本!10歳から89歳まで、幅広い年齢の応募者によるエッセイの中から、受賞作品が決定しました。人気アナウンサーたちが受賞作品を朗読!Podcast番組の配信をチェック受賞作品の発表は、第5回目のエッセイコンテストに引き続き、Podcast(ポッドキャスト)特番『第6回 grape Award ~心に響くエッセイ~』の配信で行います。※写真はイメージスマホやパソコンなどで、いつでもどこでも自由に配信番組が楽しめるPodcastは、受賞作品をチェックするのにぴったりですよ。特番のパーソナリティーを務めるのは、ニッポン放送の東島衣里アナウンサーです。東島アナウンサーをはじめ、番組には増山さやかアナウンサーや、箱崎みどりアナウンサー、前島花音アナウンサーが出演。『最優秀賞』『タカラレーベン賞』『優秀賞』に選ばれた、4作品の朗読を行います。人気アナウンサー陣による、受賞作品の朗読は必聴!耳に心地よく流れてくる声とともに、エピソードを何度でも楽しんでくださいね。配信番組は2023年2月27日から、いつでも視聴できます。こちらから、要チェックです!『第6回 grape Award』受賞作品一覧『第6回 grape Award』の受賞作品をご紹介します。最優秀賞『私と「おっさん」が娘と父になるまでの19年』/作者:シャチ子母親にできた、20代の恋人。中学生の娘は、彼のことを「おっさん」と呼び、少しずつ心の距離を縮めていきます。ラストは胸に温かいものがこみ上げる、親と子のやり取りは34分12秒からです。タカラレーベン賞『弟の『はんぶん』』/作者:ハーモニー自由奔放な弟によって、たびたび迷惑をこうむってきた姉。ある日、入院している姉のもとにやってきた弟は、驚きの頼みごとをしてきて…。予想外な結末に、心震えるエピソードは、21分7秒からお楽しみください。優秀賞『もう一度聞きたい「母の一回限り」!』/作者:まさこちゃん全盲の母親は、いつも「一回限り!」といって、いろいろなことに挑戦したがります。娘は母親の望みを知り、伴走者として、マラソン大会への参加を決意しました。母と娘の強い絆と未来への希望が感じられる作品は12分6秒から。ぜひ聴いてみてください!優秀賞『十年越しの答え合わせ』/作者:吉野 百音いつもトイレで用を足す時に、少しドアを開けている父親を見て、不快に感じていた娘。思春期ならではの、いい表せないいら立ちや親への甘えから、ついキツい言葉を投げかけてしまいます。多くの人の共感を呼ぶであろう親子のエピソードは、3分10秒から聴くことができます。『第6回 grape Award ~心に響くエッセイ~』日時:2023年2月27日(月)~配信:Podcast特別協賛企業のご紹介株式会社タカラレーベン株式会社タカラレーベンは全国で新築分譲マンションを中心に展開する不動産総合デベロッパーです。「幸せを考える。幸せをつくる。」を企業ビジョンとして掲げ、幸せをかたちにする住まいづくり、街づくりを実現しています。本コンテストでは、『心に響く』をテーマとした全応募作品の中から特に「幸せ」が感じられる作品に、『タカラレーベン賞』が贈られました。『第6回 grape Award』詳細はこちら[文・構成/grape編集部]
2023年02月27日ウェブメディア『grape』では、2021年8~10月にかけて、エッセイコンテスト『grape Award 2021』を開催。コロナ禍により変化した生活スタイルが続く中、『自分の周りであった心温まるエピソード』や『心が癒されるような体験談』を募集しました。今回のコンテストでは、13歳から85歳までの幅広い年齢の応募者から、376本もの応募作品が寄せられる結果に!2017年から始まり、今回で第5回目となる『grape Award』。誰かにちょっと話したくなるような、心に響く受賞作品が決定しました。受賞作品を人気アナウンサーたちが朗読!Podcast番組の配信が決定受賞作品の発表は、今回初の試みとなるPodcast(ポッドキャスト)特番『grape Award ~心に響くエッセイ~』の配信で行います。Podcastといえば、スマホやパソコンがあれば、いつでもどこでも自由に配信番組が楽しめるのが魅力ですよね。※写真はイメージ特番のパーソナリティーを務めるのは、ニッポン放送の東島衣里アナウンサーです。東島アナウンサーをはじめ、番組には上柳昌彦アナウンサーや増山さやかアナウンサー、箱崎みどりアナウンサーが出演。『最優秀賞』『タカラレーベン賞』『優秀賞』に選ばれた4作品の朗読を行います。収録中の東島衣里アナウンサー人気アナウンサー陣による、受賞作品の朗読は耳に心地よく、聴くたびにエピソードを追体験するかのような気分が味わえるでしょう。配信番組は2022年2月9日から、いつでも視聴できます。こちらから、ぜひお楽しみください!『grape Award 2021』受賞作品一覧『grape Award 2021』の受賞作品をご紹介します。最優秀賞『お菓子便』/作者:笹井 純子お菓子作りが大好きで、ちょっぴり人見知りな中学生の『はなちゃん』。コロナ禍で緊急事態宣言が発令され、不安定な環境の中、はなちゃんは近所で一人暮らしをするおばあさんのことが気になって…。ほほ笑ましくも温かい、近所に住む中学生とおばあさんのやり取りは31分45秒から聴くことができます。タカラレーベン賞『エール』/作者:こまゆみ父親の反対を押し切って、弁当店を始めた女性。赤字が続く厳しい経営状況の中で、心の支えになっていたのは『ふじの』という客の存在でした。毎年必ず決まった日に、弁当を大量に注文する『ふじの』という客の正体とは…。驚きの結末を迎えるエピソードは、19分34秒からお楽しみください。優秀賞『母の宇宙ステーション』/作者:嶋田 隆之いつも電話をかけてくる母親に、適当な返事ばかりしていた息子。母親から予想外な話題を振られたのをキッカケに、あることに気が付きます。多くの人が共感するであろう、親子のつながりを、丁寧につづった作品は11分10秒から聴くことができます。優秀賞『心も温まるラーメン屋さん』/作者:イルミたびたび自閉症の息子を連れて、外で立ちながら食べるラーメン店を訪れる母親。息子に話しかけてくる店員の、何気ない声かけに、心を救われたといいます。優しい触れ合いに、胸がジーンとなるエピソードは、3分7秒から。ぜひ聴いてみてください!『grape Award ~心に響くエッセイ~』日時:2022年2月9日(水)~配信:Podcast特別協賛企業のご紹介株式会社タカラレーベン株式会社タカラレーベンは全国で新築分譲マンションを中心に展開する不動産総合デベロッパーです。「幸せを考える。幸せをつくる。」を企業ビジョンとして掲げ、幸せをかたちにする住まいづくり、街づくりを実現しています。本コンテストでは、『心に響く』をテーマとした全応募作品の中から特に「幸せ」が感じられる作品に、『タカラレーベン賞』が贈られました。『grape Award 2021』詳細はこちら[文・構成/grape編集部]
2022年02月09日いつもgrapeをご覧いただき、誠にありがとうございます。この度、grapeではユーザー満足度向上のため、読者アンケートを実施いたします。ぜひ皆様のご意見・ご要望をお聞かせください。アンケートの所要時間は5分程度です。ご協力よろしくお願いいたします。ご回答いただいた方の中から抽選で10名様に、Amazonギフト券3,000円分をプレゼント!当選者の発表は発送をもってかえさせていただきます。アンケートはこちらたくさんのご応募、お待ちしております![文・構成/grape編集部]
2021年10月08日ウェブメディア『grape』では、メディアコンセプトである『心に響く』をテーマにエッセイを募集します。2017年から続く、一般公募による記事コンテスト『grape Award(グレイプ アワード)』。第5回目となる2021年は、例年通り『心に響く』というテーマを軸に、コロナ禍によりこれまでと変わった生活スタイルが続く中、自分の周りであった心温まるエピソードや、心が癒されるような体験談を募集します。2020年は、『心に響くエッセイ』のほか『心に響いた接客』を加えた2つのテーマで、一般公募を開始。約3か月間で、13歳から85歳までの幅広い年齢層から、888本もの作品が寄せられました。また、リアルイベントでの授賞式ではなく、初めての試みとして受賞作品を、豪華声優陣による朗読でご紹介。受賞作品発表の特別番組をYouTubeで配信しました。なお、今回は作品を音声コンテンツ化し配信を予定しています。今回も、みなさんにとって「誰かに伝えたい」と思う素敵なエピソードをお待ちしております。特別協賛企業のご紹介株式会社タカラレーベン株式会社タカラレーベンは全国で新築分譲マンションを中心に展開する不動産総合デベロッパーです。「幸せを考える。幸せをつくる。」を企業ビジョンとして掲げ、幸せをかたちにする住まいづくり、街づくりを実現しています。本コンテストでは、全応募作品の中から、特に「幸せ」が感じられる作品に、『タカラレーベン賞』が贈られます。応募規定テーマコロナ禍によりこれまでと変わった生活スタイルが続く中、『自分の周りであった心温まるエピソード』や、『心が癒されるような体験談』のエッセイを募集します。また、エッセイの内容に関連する画像がございましたら、応募フォームでアップロードしていただき、合わせての応募も可能です。文字数・形式1000文字以上~1500文字以下※タイトル全角36文字以内※自作未発表の作品に限ります。※商業利用について無契約の作品に限ります。※複数ご応募いただけますが、入賞の対象となるのは1人1作品です。※18歳未満のご応募は、保護者の同意を得てください。※応募作品内に特定の人物がいる場合、個人が特定されないように配慮してください。登場人物のプライバシーおよび個人情報に関して、弊社は一切の責任を負いません。※画像については必須ではございません。ご本人以外の特定の人物が写っている場合は、写っている方の了承を得てからご応募いただくようお願いいたします。応募方法ご応募はエントリーフォームよりお願いいたします。詳細は『grape Award 2021』募集ページでご確認ください。応募資格不問(プロ・アマ問わず)応募締切2021年10月31日(日) 23時59分まで選考方法grapeおよび外部審査員で、厳正な選考を行います。賞最優秀賞1名副賞(賞金20万円、記念品等)タカラレーベン賞1名副賞(賞金10万円、記念品等)優秀賞各テーマより若干名副賞(賞金3万円、記念品等)結果発表2021年12月中旬受賞作品決定、作者様へご連絡2022年1月下旬~2月上旬最優秀賞ほか受賞作品を発表、『grape Award 2021』公式ページにて掲載注意事項応募作品の取り扱いについて応募作品の著作権は、応募とともに主催者(株式会社グレイプ)に移転いたします。ご理解の上、ご応募いただきますようお願いいたします。また、応募作品の著作者人格権は作品の応募者に帰属しますが、主催者(株式会社グレイプ)および協賛企業に対し、コンテストの報告などでの使用、ウェブサイトなどでの応募作品の公開、校正、2次利用を許諾いただくことを前提にご応募ください。結果に関わらず、ご応募いただいた作品は『grape』サイトにて掲載させていただく場合がございます。掲載時に、誤字・脱字の修正や文章の調整を行う場合がございますのでご了承ください。また、掲載時に本名の公開を希望しない場合には、ペンネームをご記入ください。応募者には、作品内において第三者の権利を侵害していないことを保証していただきます。作品に対し、第三者からの権利侵害の訴えや損害賠償請求等があった場合、弊社は一切の責任を負いません。受賞作品に権利侵害等が発覚した場合は、受賞を取り下げさせていただきます。個人情報の取り扱いについて応募に際してご提供いただいた個人情報は、コンテストの審査、入賞者及び入賞作品の公表及びそれに係るご連絡のためにのみ使用いたします。個人情報は、応募者ご本人、または応募者ご本人が18歳未満の場合は、その保護者の許可なく、第三者に開示いたしません。その他の個人情報の取扱いについては、株式会社グレイプの「プライバシーポリシー」をご参照ください。皆さんのご応募をお待ちしています。『grape Award 2021』募集ページ[文・構成/grape編集部]
2021年08月27日いつもgrapeをご覧いただき、誠にありがとうございます。この度、grapeではユーザー満足度向上のため、読者アンケートを実施いたします。ぜひ皆様のご意見・ご要望をお聞かせください。アンケートの所要時間は5分程度です。ご協力よろしくお願いいたします。ご回答いただいた方の中から抽選で10名様に、Amazonギフト券3,000円分をプレゼント!当選者の発表は発送をもってかえさせていただきます。アンケートはこちらたくさんのご応募、お待ちしております![文・構成/grape編集部]
2021年02月22日ウェブメディア『grape』では、エッセイコンテスト『grape Award 2020』を開催。今回のコンテストには、888本もの応募作品が寄せられました。その中から、最優秀賞が1作品、タカラレーベン賞が1作品、優秀賞が2作品、佳作が3作品選ばれています。grape Award 2020 入選作品一覧最優秀賞『リンツァートルテの想い出』/作者:一期一会ツアーコンダクターとして働いている女性。海外で出会った旅行客から、あることを頼まれて…。旅先のホテルで、固い表情のままたたずむ高齢女性添乗員が声をかけると?タカラレーベン賞『心を拾ってくれたタクシー』/作者:飯沼 綾激務に疲れて、泣きながら都会の街を歩いていた若い女性。そこへ、1台のタクシーがやってきます。泣いている女性の前に停まった、タクシー運転手の行動に心打たれる優秀賞『子育て応援バス』/作者:鵠 更紗慣れない育児に不安でいっぱいだった母親。2歳の息子を連れて、バスに乗った際のエピソードです。2歳息子とバスに乗ったら…運転手の『行動』に、母親が涙こらえた理由優秀賞『優しき山バア』/作者:安部 飯駄友達と駄菓子店を訪れた女の子。お金が足りなくて、友達とおそろいのお菓子を買えずに困っていたら…。駄菓子店でお菓子を買えず、落ち込む子供店主の『行動』に、目頭が熱くなる佳作『母ちゃんと作業着』/作者:よもぎ焼き鳥の店を営む母親。常連客との触れ合いに、じんわりと胸が熱くなります。作業服の男性客が「こんな格好でごめん」というと…店員の『返答』に、胸が熱くなる佳作『『生まれてはじめて』』/作者:村上 敬亮小学生の頃に、初めて猫を飼った男性。一緒に過ごした10年間を振り返って感じたことは…。愛猫が旅立って飼い主が『知ったこと』に涙10年間を振り返ると…佳作『特別授業』/作者:奥村 敏生東日本大震災の影響で、避難していた時に出会った、見知らぬ女の子。意外なお願いをされた男性の行動に、グッときます。3.11の日、恐怖で固まっていた少女男性に告げた『まさかのお願い』は…『grape Award』に関する詳細はこちらからご確認ください。『grape Award 2020』詳細はこちら[文・構成/grape編集部]
2020年12月18日2020年5~8月にかけて、ウェブメディア『grape』では、エッセイコンテスト『grape Award 2020』を開催。『心に響く』と『心に響いた接客』という2つのテーマから作品を募集しました。『grape Award 2020』心に響くエッセイを募集!今年は2つのテーマから選べる今回は、応募作品の中から『リンツァートルテの想い出』をご紹介します。ツアーコンダクターの職について30年。あっという間に時が流れた。溢れんばかりの想い出が心に刻まれているが、中でも特に忘れられない出来事がある。オーストリアを巡るツアーで私はひとりの女性と出会った。彼女は80歳を過ぎていて、同行者はいなかった。その旅はすこぶる順調に進んでいたが、後半に差し掛かった5日目の午後、高速道路の事故渋滞で大幅に予定が狂ってしまった。オーストリア第3の都市・リンツでの観光は断念せざるを得なくなり、まっすぐホテルに入った。チェックインを済ませたあともロビーに佇んだままの女性の姿に気がついた私は、彼女のもとに近づき「どうかされましたか?」と声をかけた。彼女は固い表情のまま「無理を承知でお願いしたいことがあります…。リンツのお菓子であるリンツァートルテをどうしても買いたいのです…。私の長年の夢でした。どうかお願いします…」と言った。すぐさまフロントに行くと、「近くにパティスリーがあってそこで買えるけど、間もなく閉店時間だから間に合わないかもしれない…」と言われた。外はすでに真っ暗で小雪が舞い始めていた。あと、3分…、彼女の足では到底間に合わない。ヨーロッパではこういう場合、時間オーバーして対応してくれることは、まず無い。残念だけど諦めてもらうしかないか…。振り返った瞬間、まっすぐに向けられた彼女の瞳が私の心を別の方向に突き動かした。「約束は出来ませんが…いってきます」と告げると私は一目散に駆け出した。店に着いたのは、正に店員が鍵をかけようとしていた時だった。「リンツァートルテをください。お願いします」大声で叫ぶ私に、店員は無情にも首を横にふると「また明日」と言った。「明日はないんです。今しか…今しかチャンスはないんです。お願い、リンツァートルテを!お願いです…」すると店の奥から店主らしき年配の女性が顔を覗かせ「こんなことは初めてよ」と肩をすくめて笑いながら私を店に招き入れた。ホテルの外で私の帰りを待っていた彼女は、両手にかかえた大きな箱を見つけると満面の笑みで私を抱き寄せ「ありがとう。本当にありがとう」と何度も繰り返した。言うまでもなくリンツは彼女にとって特別な場所だった。不慮の事故により、30歳という若さでこの世を去った夫とリンツでリンツァートルテを食べる旅を計画していたことを、あとで聞いた。「50年かかったけど漸く叶ったわ」とガラスが割れたままの遺品の腕時計をいとおしそうに見つめていた。バスドライバーに頼み込み、翌朝30分早くホテルを出てリンツの街並みを車窓から眺めた。前日の雪がウソのようにスッキリと晴れた青い空がどこまでも広がっていた。帰国して数日後、私は思いがけず彼女から配達物を受け取った。「旅のお礼に、プロのパティシエとして心を込めて焼きました。プロの添乗員さんへ」というメッセージが添えられたリンツァートルテは、本当に美しく、そして、美味しかった。現在私の仕事は新型コロナの影響で100%止まってしまい、先も読めない状況下にある。世の中のシステムも大きく変化した。アフターコロナでは、ツアーの形態も大きく様変わりするかもしれない。それでも私は旅の仕事を続けていきたい。人が人を思う気持ちの尊さは決して色褪せないと信じている。時間がある今こそ、リンツァートルテを焼いてみようと思う。20年前の記憶を呼び起こしながら…。grape Award 2020 応募作品テーマ:『心に響いた接客エッセイ』タイトル:『リンツァートルテの想い出』作者名:一期一会受賞作品の発表の場として、初の動画配信を実施!2017年から続く、一般公募による記事コンテスト『grape Award』。第4回目となる2020年の受賞作品が決定しました。今年は、授賞式の代わりに初となるYouTubeを利用した、特番『grape Award 2020 受賞作品発表特番~心に響くエッセイコンテスト~』を配信します!特番『grape Award 2020』の配信が決定!福山潤や石川由依らの朗読も心に響く作品として選ばれるのは、どのエピソードでしょうか。結果発表をお楽しみに!『grape Award 2020』詳細はこちら[文・構成/grape編集部]
2020年12月14日丸の内初の大型ルーフトップレストランや、カラオケやダーツが楽しめるエンタメ施設大手町駅から直結の「丸の内テラス」は、丸の内初となるルーフトップレストランや複合エンターテインメントプレイスなどが入った複合施設です。1階と最上階は飲食店をメインに、3階~7階は新しいライフスタイルに応じたプライベートクラブ「OCA TOKYO」が入るなど、仕事とプライベートをボーダーレスに楽しめる空間が広がっています。丸の内仲通りに面した「丸の内テラス」気になる飲食店は、様々な人気店を手掛ける「トランジットジェネラルオフィス」初のフラッグシップレストラン【THEUPPER】をはじめ、東京初進出のイタリアンや、人気中華料理店のカジュアル店など話題のお店がずらり! さっそく、それぞれのお店の魅力をご紹介します!1階の店舗はすべてテラス席を完備「丸の内テラス」話題の飲食店はこちら!コンテンポラリーレストラン【アッパー】エンターテインメントプレイス【MARUNOUCHI BASE】中華【ジャンピングパンダ】スペインバル【バル ポルティージョ デ エスパーニャ】イタリアン【YOTTERIA GAKU】フレンチ【ESPRIT de TAILLEVENT】コンテンポラリーレストラン【アッパー】/9階&10階丸の内初のルーフトップレストランで非日常を太陽の光が降り注ぐ明るいテラス席数多くの飲食店プロデュースを手掛けるトランジットジェネラルオフィスが初となるフラッグシップレストランをオープン。店内は2フロアに分かれており、9階ではダークカラーを基調とした落ち着いた雰囲気でコース料理を、10階では開放感のあるテラス席でアラカルト料理を提供しています。コース料理の一例8,800円~(税込)料理は、「アジアベストレストラン50」にも選ばれた【ラシーム】の高田祐介シェフをパートナーシェフとして迎え、メニューを考案。まるで旅をしているかのような構成で、見た目の鮮やかさ、そして味わいなど五感で楽しめる料理の数々です。※11月5日(木)はプレオープンとなり、2021年春にオープンを予定しています。エンターテインメントプレイス【MARUNOUCHI BASE】/1階&2階朝まで遊べる大型エンターテインメントプレイス!2階にはカラオケやダーツ、バー、卓球台などがあります2フロアに分かれた店内は、カラオケやダーツ、バー、卓球台などがあり、幅広いシーンで楽しむことができます。レトロな雰囲気漂う1階は、一人飲みでも立ち寄りやすいバーカウンターのほか、テラス席も。2階のエンタメゾーンは、テーマの異なる7つのカラオケルームがあり、パーティーや二次会など様々なニーズに対応できます。人気の『BASE牛タンバーガー』1,490円(税抜)粗挽き牛タンひき肉を贅沢につかった『BASE牛タンバーガー』は、シンプルながらも溢れでる肉汁がやみつきになる味わい。また、ランチ限定の『だし巻きベーコンバーガー』は、昆布だしのだし巻き卵とベーコンの相性が良く、ぜひ食べていただきたい一品です。そのほか、お店オリジナルのクラフトビールもあります。中華【ジャンピングパンダ】/1階井桁シェフの本格四川料理をカジュアルに奥にはオープンキッチンに沿って、カウンター席もあります【中国菜飄香 麻布十番本店】の井桁シェフがカジュアル業態をオープン。気軽に楽しめるようにとお酒にあわせた細かな料理が揃っています。ここのお店ならではの紹興酒とレモンもあわせた『ドラゴンハイボール』や『麻辣ハイボール』、『チャイナカシスハイボール』などスパイシーな料理と相性がいいお酒が楽しめます。『よだれ鶏』980円、『激辛おつまみ牛肉』580円、『スパイシーラム串』1,160円(すべて税抜)お店で使われるスパイスは30種類以上で、料理にあわせて絶妙なバランスで調合していくそうです。痺れや辛さ、香ばしさなどが調和することで、後に残らないスッキリとした刺激が楽しめます。スペインバル【バル ポルティージョ デ エスパーニャ】/1階20種類以上の本格パエリアを楽しめる人気スペインバルテーブル席や半個室のほかバーカウンターもあります5年連続ビブグルマンに選ばれた、代官山の人気スペインバルが新業態としてオープン。お酒を楽しみながら自由なスタイルで過ごしてほしいとの想いから、バル料理を中心に小さめのポーションで様々な料理を提供しています。店内は、まるで本場のスペインバルのような雰囲気!笑顔で出迎えてくれるスタッフの明るさに仕事帰りにふらっと立ち寄れば、たちまち元気がもらえるはず!『ミックスパエリア』1,800円(税抜)、『コンビナード(おまかせ前菜タパス6種盛り)』1.500円(税抜)※写真は二人前ぜひ食べていただきたいのは、魚介と肉の旨味が存分に楽しめる『ミックスパエリア』とタパスが6種盛られた『コンビナード』。スペイン料理の王道でもあるパエリアは、時間をかけてつくった濃厚な特製だしが味の決め手。口に運んだ瞬間、魚介の甘さや香りが口いっぱいに広がります。また、お米にもこだわっていて、風味や固さがもっとも活きる「はえぬき」を山形県から取り寄せ。丸の内店ならではの新しいメニューも増え、毎日食べても飽きないお店です。イタリアン【YOTTERIA GAKU】/1階大阪で人気のイタリアンが本店移転で東京進出テーブル席のほか、奥にカウンターとテラス席も関西に多くのファンを持つ人気イタリア料理店が、「丸の内テラス」に移転。店内は温かみのあるおしゃれな雰囲気で、テーブル席のほかカウンターでも楽しめます。『サツマイモのニョッキ ゴルゴンゾーラソース』1,600円、『米沢豚とフォアグラ入りテリーヌ』900円、『梅里豚のスペアリブのハニートースト』2,200円(すべて税抜)【YOTTERIA GAKU】といえば豚料理!旨味たっぷりの豚肉と季節の素材を活かしたイタリアンが楽しめます。また、前菜の『テリーヌ』やパスタ&リゾットも必見。アラカルトから記念日のフルコースまで、様々なシーンで利用可能です。フレンチ【ESPRIT de TAILLEVENT】/1階パリ【タイユヴァン】監修、世界初のカジュアルダイニング併設されたショップでは、約450種類以上のワインが取り揃えられていますフランスを代表する老舗グランメゾン【タイユヴァン パリ】が、世界初となるカジュアルダイニング業態をオープン。料理だけでなく、ワインのセレクトも世界的評価をうけており、世界各国でワイン専門店を展開しているほど。店内は、カウンターを中心とするレストランと、飲んだワインがすぐ購入できるワインショップを併設しており、ショップでは約450種類以上のワインがラインナップ。購入した商品は1本あたり1,000円(税抜)の抜栓料を支払えば、その場で料理と一緒に楽しむこともできます。『甘鯛のフリットと旬野菜白ワインソース』1,800円(税抜)料理は、パリ本店で展開するコースを日本流にアレンジ。【タイユヴァン】監修のもと、季節の新鮮な食材を使ったビストロ・ブラッスリー料理がいただけます。また、ペアリングはもちろんのこと、30種類ものグラスワインも揃っているため、好きな味わいを堪能することもできます。そんな丸の内の新たなスポットに、ぜひ足を運んでみてください!「丸の内テラス」施設情報住所:東京都千代田区丸の内1-3-4アクセス:大手町駅B1b出口直結、東京駅丸の内北口より徒歩4分営業時間(レストラン):平日・土曜11:00~28:00日曜・祝日11:00~24:00
2020年11月07日2020年5~8月にかけて、ウェブメディア『grape』では、エッセイコンテスト『grape Award 2020』を開催。『心に響く』と『心に響いた接客』という2つのテーマから作品を募集しました。『grape Award 2020』心に響くエッセイを募集!今年は2つのテーマから選べる今回は、応募作品の中から『しゃべくりの仕事』をご紹介します。結婚式や法事、親戚が集まるたびに近況を尋ね合うのは礼儀というものなのだろうか。駆け出しライターの私は、同じ質問をされるたびにうんざりしていた。「東京でフリーライターをしている」と答えると、返ってくる反応は大抵2つ。「びっくり!」か「やっぱりね〜」のどちらかだ。「びっくり」は都会のカタカナ職業というだけで、勝手に華やかなイメージを膨らませてしまっている場合。内心、「あの地味で暗かった子がね」となる。一方、「やっぱり」はご近所では聞いたこともない、よくわからない職業と決めてかかっている場合。「あのいかにも風変わりな子らしいよ」となる。どちらにしても、人並みはずれて不器用で人と目も合わせられない、いじめられっ子だった私を思い返してのことに違いない。ところが、その伯父さんの反応はまるきり異なっていた。「ライターというのは何をどうする仕事や?」「今は取材モノが中心で、話を聞いて、その内容をまとめて…」「人と話をする仕事か?」と、いきなり前のめりになる。「まあ、そういえばそうだけれど、聞いた話を文章にするまでが仕事だから…」と、なぜか私はしどろもどろ。「そやけど、うまいこと言うて、相手に話してもらわなあかんのやろ。ほな、おっちゃんと同じや」伯父さんは細い目を一層細くしてにっこり。「しゃべくりの仕事やな」と断定した。私が子どもの頃、伯父はタクシーの運転手だったのを覚えている。その後、自動車教習所の教官を経て、今は所長なのだとか。たしかに、大勢の人を指導する「しゃべくりの仕事」と言えるだろう。教習所の校長先生のような務めとライターが同じのはずがない。そう思いながらも、私はうやむやに頷いてみせた。ただ、「しゃべくりの仕事」という言葉だけがいつまでも耳に残った。自分の中で何がどう変わったのかはわからない。それ以来、「しゃべくり」を意識することが増えていった。インタビューの際、私の発する言葉が目の前の相手にちゃんと届いているかを確かめるようになった。そう心がけるだけで会話はスムーズになり、思いがけず盛り上がったり、話の核心に触れられたりすることもあった。原稿を書くための材料集めにしか考えていなかった取材の大切さを、改めて思い知らされた。あれから十数年、数えられないほどの人に出会い、問いかけ、語らってきた。あるときは取材慣れしていない若手タレントに「なんでこんなに話しやすいかな」と目を見張られ、あるときは大物経営者に「余計なことまで話しちゃったよ」と照れ笑いされた。いつしか、人とのコミュニケーションは私の仕事の真ん中に位置していた。昨秋、伯父が急逝した。慌ただしく葬儀を終え、親族が寄り集まると、思い出話は尽きない。つられるように私も、「しゃべくり」のエピソードを持ち出した。すると、同年代のいとこの間から「俺も!」「私も!」という声が続いた。伯父から「しゃべくりの仕事」と決めつけられたのは、私だけではなかったのだ。しかも、それぞれの職種はバラバラ。営業マンや接客業はともかく、経理など事務職の人まで揃って同じように断定された。そして、誰もが抵抗を感じながらも言いくるめられ、心に刻まれた言葉に従うように自分の仕事を振り返るきっかけにしていた。「おっちゃんらしいな…」皆、泣き笑いしたような顔を見合わせた。あらゆる仕事の根底には人とのコミュニケーションがある-私たちに伝えてくれたのはこういうことだったのか。ともあれ、伯父はささやかな成長の種を一人ひとりに植え付け、旅立っていった。grape Award 2020 応募作品テーマ:『心に響くエッセイ』タイトル:『しゃべくりの仕事』作者名:西田 知子エッセイコンテスト『grape Award 2020』の審査員が決定!2017年から続く、一般公募による記事コンテスト『grape Award』。第4回目となる2020年の審査員には、grapeでも人気の漫画『犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい』シリーズでおなじみの漫画家・松本ひで吉さんが決定しました。さらに『Jupiter』などの作詞を手がけた作詞家でエッセイストの吉元由美さんや、映画化もされた『スマホを落としただけなのに』などで人気を博する小説家の志駕晃さんも審査員として作品を読みます。心に響く作品として選ばれるのは、どのエピソードでしょうか。結果発表をお楽しみに!『grape Award 2020』詳細はこちら[構成/grape編集部]
2020年10月01日2020年5~8月にかけて、ウェブメディア『grape』では、エッセイコンテスト『grape Award 2020』を開催。『心に響く』と『心に響いた接客』という2つのテーマから作品を募集しました。『grape Award 2020』心に響くエッセイを募集!今年は2つのテーマから選べる今回は、応募作品の中から『心にしまう』をご紹介します。コロナで思いがけない不況となった。外車ディーラーで派遣社員として働いていた私は、朝が来れば自然と目がさめるように、抵抗する間もなく職を失うことになった。20代前半で結婚し、離婚し、就職することなく、あてもなくふらふらとしていた私は、「そろそろ自分のやってみたかった道に踏み出そう」そう思って、本が好きだという単純だけれど素直な気持ちで、どうにか出版社で働くことができないか探し、ほんの小さな一歩として(週2日のアルバイトだけれど)出版社で働けることになっていたので、不幸中の幸いだった。そして、ディーラーで働くのも、残り1ヶ月となった。じとじとと雨が降り続く、長い長い梅雨だった。私がいなくなることを、社員のみんなは口を揃えて「寂しい」ということ、そして、売り上げを伸ばして「また戻す」ということを言ってくれた。それはとても嬉しいことで、こんなに優しい人たちに囲まれていたんだと嬉しい気持ちになった。そんな中、ひとりだけ違う反応を見せた。その人は、社員の中でも特に仲の良い人だった。私が派遣社員として配属されたばかりの頃、よく話しかけてくれ、なぜか私のことを「感性が独特で面白いねえ」と言ってくれた。その人がかけてくれた言葉は、「また戻ってきてほしい」という類のものではなかった。「君はここでやっているように一生懸命働けば、出版社でももっと働ける日数を増やしてくれるはずだよ。そうしたら、こんなところに戻ってこないで、そっちに行くんだよ。」息が止まる思いだった。私は、「本当はそうしたほうがいい」ということを本当は分かっていたからだ。アルバイトでもなんでも、一生懸命仕事をして、契約社員の試験を受けて、社員の試験を受けられるように頑張りたいと思っていた。だけど寂しさのあまり、また戻ってきたいなあ、出版社と掛け持ちをすればいいよね。と、みんなの優しさにおんぶに抱っこだったのだ。だから、目を見られなかった。胸の奥がグっと熱くなり、こらえていないと涙が溢れてしまいそうだった。進む道を後押ししてくれる優しさは、どんな言葉よりも強く、心から私のことを思って応援してくれている人がいるという真実は、きっとこれからも、私を支えてくれるだろうと思った。記憶というのは不思議なもので、ずっと覚えているような言葉や誰かとのシーンがある。覚えている日々と、覚えていない日々は何が違うのだろう。自分にとって大切な思い出や、誰かからの言葉を、人は多かれ少なかれ、心の中の宝箱とでもいうような場所に、そっと大事にしまっているのだろう。そしてその宝箱から時折取り出して、ありがとうとつぶやくのだ。そう言った作業が、私はとても好きだし、出会いを豊かにしてくれる。そしてそんな宝物が増えたというだけで私はここに勤められて本当に良かった。出勤最終日を迎えた。「絵が上手だ」と褒めてくれたその人に絵を書いた手紙を渡した。今度は思わず涙が溢れた。「大人になると人はなかなか泣けなくなる。でも、泣けるほどの人と出会えたというのは本当に素晴らしいことだよ。ありがとね」そう言ってくれた。何のために生きているのかわからない20代前半だった。誰がほんとうなのかも、何が正しいのかもわからなかった。だけど今は、思う。人は人によって磨かれていく。それが痛くて泣けるような想いでも、暖かくて柔らかい想いでも。どんな経験でもそれは私を(私を通してこの世界を見る眼を)輝かせてくれるのだ。8月になって、まぶしいほどの青空が広がり、やっと夏がやってきた。今、私は出版社で働いている。その人にもらった言葉を心に、私の大好きな赤色のボールペンを片手に。grape Award 2020 応募作品テーマ:『心に響くエッセイ』タイトル:『心にしまう』作者名:みずきエッセイコンテスト『grape Award 2020』の審査員が決定!2017年から続く、一般公募による記事コンテスト『grape Award』。第4回目となる2020年の審査員には、grapeでも人気の漫画『犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい』シリーズでおなじみの漫画家・松本ひで吉さんが決定しました。さらに『Jupiter』などの作詞を手がけた作詞家でエッセイストの吉元由美さんや、映画化もされた『スマホを落としただけなのに』などで人気を博する小説家の志駕晃さんも審査員として作品を読みます。心に響く作品として選ばれるのは、どのエピソードでしょうか。結果発表をお楽しみに!『grape Award 2020』詳細はこちら[構成/grape編集部]
2020年09月29日2020年5~8月にかけて、ウェブメディア『grape』では、エッセイコンテスト『grape Award 2020』を開催。『心に響く』と『心に響いた接客』という2つのテーマから作品を募集しました。『grape Award 2020』心に響くエッセイを募集!今年は2つのテーマから選べる今回は、応募作品の中から『パイロットになりそこなった父の名言』をご紹介します。私の中で長らくモヤモヤしてきたことがあります。“平凡”って何?ということです。それって価値観?辞書を引くと“これといったすぐれた特色もなくごくあたりまえなこと”とあります。ごていねいにも“平々凡々”なんて強調する言葉まである。その物差しっていったいどこにあるんだろう。そんな曖昧な疑問を誰にもぶつけたことはなかったけれど、山あり谷ありの人生を歩む中で最近ようやく私なりの答えを見つけた気がします。「平凡という名の非凡」。世の中は個性の集合体なんだ、平凡ということ自体が稀なんだと考え至りストンと腑に落ちたのです。自分に都合の良い極論かもしれませんけれど。前置きが長くなりました。私は幼いころから人と同じというのを好みませんでした。幼稚園の写真を見ると一人だけスモック(制服のうわっぱり)を着ていません。どうやら皆と同じなのが我慢ならんとばかりに登園するなり脱ぎ捨てていたらしいのです。はい、すでに非凡(笑)。今となってはそんな自分勝手を許してくれた先生方にも感謝せねば。ちなみにカトリック系の幼稚園でした。アーメン。そんな私ですから、好きなこと、やりたいことだけを選んで好き勝手に生きてきました。結婚しました。離婚しました。職業もいろいろ。平凡なんて言葉とは無縁のジェットコースター人生です。人からは個性的とか変わってるねとか思われている節あり。だからいろいろなことで何度もつまずきを経験し、当然、両親にもたくさん心配をかけました。20代前半、一番か二番かという大きな挫折を経験した時、生まれて初めて父(故人)に悩みを打ち明けたんです。私は一人っ子のひとり娘で、海外出張が多かった父とは正直いわゆる腹を割った話というのをしたことがありませんでした。なぜ自分があの時父を頼ったのかいまとなっては思い出せません。それは具体的な相談という形ではなかったと思います。行き先を見失っている、そんな気持ちをただ聞いてほしかったのかも。とにかく苦しくて苦しくて、どういう生き方をしたらいいのかわからない、迷子になっちゃった…そんな曖昧で的を射ない話だったような。その時の父の助言が私の一生の道しるべになるなんて、あの時は思ってもみませんでした。でもそのあと何度もつまずいて、その度に父の言葉が私を救ってくれたのですから、これはもう私だけの宝ものです。頭のすみに心の中に常にこびりついています。ありきたりに言えば座右の銘です。いわく「低空飛行というのはかなりの技術を要するんだ。墜落しないギリギリを飛ぶんだからな。墜落しない自分に自信を持っていいんだよ」。父は第二次世界大戦時、少年航空兵としていざ飛ばんというタイミングで終戦を迎えた人。死んでも飛びたかったとのたまうような人でした。だから妙に説得力あり。それにしても、こんなに優しく勇気を与えてくれる言葉があるでしょうか。不器用な父の愛情を受け止める感受性を幸いにも持ち合わせていた私です。以来、壁にぶつかった時にその言葉を思い出しては明るく強く乗り越えてきました。父には心から感謝しています。存命のうちにそれをちゃんと伝えられなかったのですが。平均寿命から逆算すると私の人生もあと二十年というところ。人生のラストステージにもう戦うべき相手もいません。今は機首を上げて安定した高度を保って飛行中。もちろん平凡を良しとしない日々を楽しんでいます。あ、“新しい生活様式”にはまだ馴染みませんが。最近では若い人の相談に乗る時、さも自分の言葉のようにあの名言を使わせてもらっています。父がそれをどんな顔で天国から眺めていることやら。grape Award 2020 応募作品テーマ:『心に響くエッセイ』タイトル:『パイロットになりそこなった父の名言』作者名:みまさかまどかエッセイコンテスト『grape Award 2020』の審査員が決定!2017年から続く、一般公募による記事コンテスト『grape Award』。第4回目となる2020年の審査員には、grapeでも人気の漫画『犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい』シリーズでおなじみの漫画家・松本ひで吉さんが決定しました。さらに『Jupiter』などの作詞を手がけた作詞家でエッセイストの吉元由美さんや、映画化もされた『スマホを落としただけなのに』などで人気を博する小説家の志駕晃さんも審査員として作品を読みます。心に響く作品として選ばれるのは、どのエピソードでしょうか。結果発表をお楽しみに!『grape Award 2020』詳細はこちら[構成/grape編集部]
2020年09月28日2020年5~8月にかけて、ウェブメディア『grape』では、エッセイコンテスト『grape Award 2020』を開催。『心に響く』と『心に響いた接客』という2つのテーマから作品を募集しました。『grape Award 2020』心に響くエッセイを募集!今年は2つのテーマから選べる今回は、応募作品の中から『私は、皆さんを愛します。』をご紹介します。中学2年の4月、担任発表をするために学年集会が開かれ、武道館に集められた。クラス替えをしたばかりで、周りはいつも以上に賑やかだ。学年主任の先生が私のクラスの担任を発表する。呼ばれて前に出てきたのは、母と同じぐらいの年齢にみえる、ちょっと太った女の先生だった。初対面の先生が話す挨拶は、だいたい同じに聞こえる。今までの学生生活の中で記憶に残っている先生の挨拶なんて無い。そんなことを思っていると、先生は自分の名前を言った後で、私のクラスが座っている方に体を向き直し、話を続けた。「私は、皆さんを愛します。」私の頭が一瞬フリーズした。今まで愛しますなんて言われたことがない。況して、見ず知らずの人に愛しますと言われても、反抗期真っ盛りの私には重すぎる。もうクラス替えはなく、基本的に担任は同じ人になるはずだ。つまり、この人と2年間過ごすことになる。正直気が重い。私たちの出会いは良いとは言えないものだった。新しいクラスにも慣れた6月頃、クラス全員が、別の先生の授業中に理不尽な理由で怒られてしまった。はっきり言ってその先生の逆ギレだ。モヤモヤした気持ちを抱えたまま授業を終えた。休み時間になったはずなのに、クラスはどこか静かなように感じる。すると、先生が急ぎ足で教室にやって来た。どうやら授業での話を聞いたらしく、私たちの話を聞きたいと言ってくれた。しかし、その時の私は、先生に話したところで意味がないと思っていた。多くの場合、「先生」は生徒が何を言っても「でもね」と言って先生側の肩を持つ。話を聞いた先生は、「分かった」とだけ言って教室を飛び出して行った。そして戻ってくると、「話、つけといたから」と私たちに微笑んだ。先生は、話を聞いた上で、味方になってくれたのだ。反抗期だった私でも「この人は違う」と心の底から思えた。それから先生と仲良くなるのに、多くの時間は必要なかった。仲がいいとは言っても、甘えるだけの関係ではない。休み時間は気にしない言葉遣いも、授業中は切り替えて話す。お互いにリスペクトがあってこそのいい関係だ。私たちは本当に家族のようだった。先生にだけは、今誰のことが好きだとか、親と喧嘩して家に帰りたくないだとか、あの先生は苦手だとか、とにかく何でも話した。2年間で「自分の時間を割いて、友だちに協力すること」、「友だちの悩みや痛みを受け止めること」の大切さを教わった。普段の授業中だけでなく、受験期の面接練習なども得意な人を中心にクラス全員で乗り切った。仲間の相談を聞き、一緒に考え、何も出来ない無力さに涙したこともある。今思い出してみても本当に濃い2年間だった。卒業する時、私たちのことを「すばらしい人間」だと言ってくれた。先生はいつも味方でいてくれて、話を聞いてくれて、たくさんの愛をくれた。あの時、重いと感じていた愛をいつしか受け入れ、私は先生の想いに包まれて、幸せな時間を過ごせていた。中学を卒業して5年が経つ。今でもクラスメイトと先生に会いに行って、お菓子を食べながら恋愛相談や将来の話をする。私は、離れていてもこの言葉を思い出す。そして、いつか誰かに言えるようになりたい。「私は、皆さんを愛します。」grape Award 2020 応募作品テーマ:『心に響くエッセイ』タイトル:『私は、皆さんを愛します。』作者名:佐藤 理子エッセイコンテスト『grape Award 2020』の審査員が決定!2017年から続く、一般公募による記事コンテスト『grape Award』。第4回目となる2020年の審査員には、grapeでも人気の漫画『犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい』シリーズでおなじみの漫画家・松本ひで吉さんが決定しました。さらに『Jupiter』などの作詞を手がけた作詞家でエッセイストの吉元由美さんや、映画化もされた『スマホを落としただけなのに』などで人気を博する小説家の志駕晃さんも審査員として作品を読みます。心に響く作品として選ばれるのは、どのエピソードでしょうか。結果発表をお楽しみに!『grape Award 2020』詳細はこちら[構成/grape編集部]
2020年09月26日2020年5~8月にかけて、ウェブメディア『grape』では、エッセイコンテスト『grape Award 2020』を開催。『心に響く』と『心に響いた接客』という2つのテーマから作品を募集しました。『grape Award 2020』心に響くエッセイを募集!今年は2つのテーマから選べる今回は、応募作品の中から『私にぴったりのカメラに出会うまで』をご紹介します。これは、とある小さな中古カメラ屋さんの話である。私は、その前日に、銀座のカメラ屋さんで、中古のフィルムカメラを購入した。私はずっと、フィルムカメラが欲しくて、何ヶ月も色々と調べ、詳しい知人に相談もしていたが、なかなか踏ん切りがつかないまま、東京中のカメラ屋さんを巡っていた。しかしある日、銀座のショーウィンドウに並んでいたカメラが目に止まった。値段は一万円。かわいらしいデザインと、あまりない機種という物珍しさで、思わず衝動買いしてしまった。翌日、私は通りがけの写真屋さんで、ネガフィルムを購入した。カメラ初心者の私は、写真屋のおばさんに、フィルムの入れ方を教えてください、とお願いした。おばさんは、「珍しい機種ね」と言いながら、喜んでフィルムを入れてくれた。私も、念願のフィルムカメラで写真を撮れると思うと、ワクワクした。「記念の一枚目は、おばさんにしますね」私はシャッターを切った。カメラは微動だにしなかった。「あれ、おかしいな」私は、もう一度シャッターを切った。しかし、カメラは、静かなまま動かなかった。動かないカメラを眺めていると、思わず涙がこぼれ落ちた。やっとの思いで出会えたカメラが、壊れていたことが、ただただ悲しかった。私は、おばさんが教えてくれた、近くの中古カメラ屋さんへ足を運んだ。店内では、おじさんが一人、机に向かってカメラの修理をしていた。壁の棚には、たくさんのカメラが窮屈そうに並んでいた。私は、壊れたカメラをおじさんに手渡し、事情を説明した。おじさんは、カメラを手に取ると、残念そうに話した。「モーターが壊れているね。こういうカメラは、電化製品だから、同じ部品を購入しないと直せないんだ。これは珍しいから、部品はもう見つからないな。何もできなくて、ごめんね」おじさんは、カメラを机に置いた。「でも、昨日買ったんでしょう?どのお店?」私は、銀座のカメラ屋さんの名前を伝えた。するとおじさんは、電話をかけ始めた。そして電話を切ると、「レシートを持っていけば、返品できるよ」と静かに言った。その瞬間、このおじさんに私のカメラを見つけてもらおう、と思った。「あの、私にぴったりの、軽くて、小さくて、壊れないフィルムカメラを、代わりに選んでください」おじさんは、恥ずかしそうにアハハと笑った。「そんなもの、ないよ」困惑したように笑いながら、おじさんは、店内を歩き始めた。棚からカメラを手にとっては、考え込み、棚に戻す、をずっと繰り返していた。「あっ!」おじさんは、店の奥の部屋に駆け込んだ。出てくると、手には小さな赤いカメラを持っていた。「これはね、ハーフカメラ。普通の二倍の写真が撮れて、その分小さいんだよ。機械式だから、壊れても直せる。全部修理したばかりで、新品同様だよ。ただ外見が、元々はグレーの皮なんだけど、全部貼り直して、思い切って赤にしちゃった。でもあなたなら似合うよ。一万円。どうかな」軽くて、小さくて、壊れなくて、たくさん撮れて、大好きな赤色のカメラ。おじさんは、壊れたカメラからフィルムを取り出すと、フィルムの入れ方と出し方を、一から教えてくれた。おまけとして、ストラップとレンズのフィルターをつけてくれた。「これからたくさん、いい写真を撮ってね」私にぴったりのカメラが、やっと見つかった。「記念の一枚目は、おじさんにしますね」私はシャッターを切った。カメラは、カシャ、と機械音を鳴らした。「ハーフだから、二枚分撮れるんですよね。じゃあ、もう一枚」私はもう一度、シャッターを切った。私の新しいカメラは、しっかりと、おじさんのはにかんだ笑顔をフィルムに焼き付けた。grape Award 2020 応募作品テーマ:『心に響いた接客エッセイ』タイトル:『私にぴったりのカメラに出会うまで』作者名:花田 玲奈エッセイコンテスト『grape Award 2020』の審査員が決定!2017年から続く、一般公募による記事コンテスト『grape Award』。第4回目となる2020年の審査員には、grapeでも人気の漫画『犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい』シリーズでおなじみの漫画家・松本ひで吉さんが決定しました。さらに『Jupiter』などの作詞を手がけた作詞家でエッセイストの吉元由美さんや、映画化もされた『スマホを落としただけなのに』などで人気を博する小説家の志駕晃さんも審査員として作品を読みます。心に響く作品として選ばれるのは、どのエピソードでしょうか。結果発表をお楽しみに!『grape Award 2020』詳細はこちら[構成/grape編集部]
2020年09月25日2020年5~8月にかけて、ウェブメディア『grape』では、エッセイコンテスト『grape Award 2020』を開催。『心に響く』と『心に響いた接客』という2つのテーマから作品を募集しました。『grape Award 2020』心に響くエッセイを募集!今年は2つのテーマから選べる今回は、応募作品の中から『泣き虫弟とショーケースの向こう側』をご紹介します。私には5歳年下の弟がいる。小さい頃は泣き虫で、朝起きては「眠い」と泣き、嫌いな野菜が「食べられない」と泣き、大嫌いなスイミングスクールに「行きたくない」と泣いた。泣いている傍から「男のくせに、すぐ泣く!」と、父親に叱られてはまた泣き、そんなこんなで1日中泣いていたから「こんな状態で大丈夫なのかしら?」と母の頭を悩ませていた。その日は私が地元の公立高校に合格した日だった。夕方、弟はいつものように半べそをかきながら大嫌いなスイミングスクールに出かけて行った。夕食前に濡れた髪にプールバックを抱えて帰ってきた弟は「はい、おねえちゃん。高校合格おめでとう」と、小さな紙袋を私に差し出した。スイミングスクールの横にあるドーナツ屋さんの紙袋だ。「わあ!ありがとう!」と、お礼を言って受け取ると、中にはチョコレートのかかったドーナツがひとつ。「これ、ひとりでお店に行って買ったの?」「そうだよ」「すごいじゃん」「へへへ」「どれどれ?」と母も私達の会話に興味津々で加わる。デパ地下の総菜売り場のようにドーナツが並んだショーケースの前にはたくさんのお客さんがいたようだ。もじもじしていた弟に、「どれにしますか?」と、声をかけてくれた若い女性の店員さんに「これひとつください」と、弟がドーナツを指さしながら告げると、お姉さんはショーケースの向こう側から、食べやすいようにふたつ折りにした油紙に挟んだドーナツを「はい、どうぞ」と、体を乗り出し、弟に持たせてくれようとしたそうだ。濡れた髪にプールバックを持った男の子がたったひとつドーナツを注文すれば、お腹が減って、その場で食べるのだろうと思うのも当然だ。手を汚さずに上手に食べられるように持たせてくれようとしたのだろう。でも、ドーナツは私へのお祝い。このまま持ち帰る訳にはいかない。弟が慌てて手をひっこめ、「袋に入れてください」とお願いすると、お姉さんは笑いながら「あらあら、ごめんなさいね」と言って紙袋にいれて持たせてくれたというわけだ。優しい店員さんに見送られながら、ドーナツは無事私の元へ届いた。泣き虫弟のはじめてのおつかい話がうれしくて、私と母は何度も何度も同じ話を弟から聞きたがった。母は仕事から帰宅した父にもうれしそうにこの話をした。父も「そうかそうか」と母の話を聞き、「袋に入れてください」と弟がお願いしたくだりでは、手を叩いて喜んだ。弟の泣き虫はその後も暫く続いたけれど、母がその事で頭を悩ませることはなくなった。弟の成長を優しく見守ってくれた店員さんの話は30年以上たった今でもまだ我が家の話題に上る。そして、弟は同じように泣き虫な男の子の父親である。grape Award 2020 応募作品テーマ:『心に響いた接客エッセイ』タイトル:『泣き虫弟とショーケースの向こう側』作者名:森平 久美子エッセイコンテスト『grape Award 2020』の審査員が決定!2017年から続く、一般公募による記事コンテスト『grape Award』。第4回目となる2020年の審査員には、grapeでも人気の漫画『犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい』シリーズでおなじみの漫画家・松本ひで吉さんが決定しました。さらに『Jupiter』などの作詞を手がけた作詞家でエッセイストの吉元由美さんや、映画化もされた『スマホを落としただけなのに』などで人気を博する小説家の志駕晃さんも審査員として作品を読みます。心に響く作品として選ばれるのは、どのエピソードでしょうか。結果発表をお楽しみに!『grape Award 2020』詳細はこちら[構成/grape編集部]
2020年09月24日2020年5~8月にかけて、ウェブメディア『grape』では、エッセイコンテスト『grape Award 2020』を開催。『心に響く』と『心に響いた接客』という2つのテーマから作品を募集しました。『grape Award 2020』心に響くエッセイを募集!今年は2つのテーマから選べる今回は、応募作品の中から『シャボン玉、はじける』をご紹介します。学校にいけない。そのことは予想をはるかに超えて僕の上に重くのしかかった。今までは憂鬱にすら感じられた授業が恋しくてたまらなかった。僕は3月に中学校を卒業し、4月に高校へ入学した。が、思い描いていた高校生活はなかなか始まらなかった。知り合いがほとんどいない高校に進学した僕はこの期間、段々と中学校の頃の知り合いとも距離が空いていき、それでいて高校での新しい出会いもなかった。すると、今までよりも自分と会話することが多くなった。例えば、「別れが人を強くするって言うけどホントかなぁ」「どうだろ、今の僕は別れを経験したけど全然強くも前向きにも慣れてない気がする」「だよね、ってことは、別れが人を強くするんじゃなくて本当は、その先にある新しい出会いへの期待が人を強くするんじゃない」「確かに」というような具合である。今まで気づかなかったが自分との会話は、心の中に渦巻く様々な感情を整理し、すっきりとさせてくれる。おかげで僕の体にのしかかっているものが少し軽くなった(気がした)。そうこうしているうちに学校ではオンライン授業が開始された。授業では先生と生徒の顔が画面に映し出され、全員がお互いを見ることはできた。しかし、先生が一方的に話す、もしくは先生が投げかけた質問に代表の生徒1人が答えるだけであった。僕はこの状況にもどかしさを感じてならなかった。そのもどかしさはシャボン玉の中に閉じ込められたような感覚だった。互いの姿は見ることができるのに、手を伸ばせば届きそうなのに、手を取り合うことも、肉声を交わすことも叶わない。ヘッドホンから聞こえてくる一人の生徒の声からは不安の色が滲み出ていた。自宅でのオンライン授業が開始されてから約2か月、ついに登校の再開が決まった。パソコンの前に独り座り続ける毎日に限界を感じていた僕は救われたような気持ちになった。そして登校日、僕は電車に乗り学校へ向かった。そして最寄り駅に着くと電車を降り改札を出た。改札から出ると、こちらに向かって歩いてくる、見覚えはあるがイメージしていた背格好とは少し違う、自分と同じ制服を着た人が目に入った。相手もこちらに気づき、目が合った。二人の間に少しの間があった後、どちらともなく笑みがこぼれた。相手が「やっとだね」と一言、僕も「やっとだね」と一言。僕たちが学校につくまでに交わした会話らしい会話はそれだけだったが、それで十分だった。集合場所である講堂につくと一定の間隔をとって並べられた椅子に先に来た人たちが座っていた。僕も自分の番号が書かれた席に座り、しばらくして全員がそろうと担任の先生が前に出て挨拶や連絡を一通りした。そして最後に、「初めてこうして同じ場所に集まれたのに前だけを向いているのはもったいないから新しく出会った仲間たちで顔を合わせてみてください。」と言った。僕たちは横を見たり、後ろを向いたりしてお互いを見た。僕は画面の向こう側に見ていた皆が目の前にいるということに不思議な感覚を覚え、またそれと同時に嬉しさが胸の底からこみあげてきて自然と笑顔になった。周りも同じ想いだったのか皆の顔に笑顔が広がっていた。この瞬間、僕たちを隔てていたシャボン玉は笑顔とともに完全にはじけた。grape Award 2020 応募作品テーマ:『心に響くエッセイ』タイトル:『シャボン玉、はじける』作者名:正路 和也エッセイコンテスト『grape Award 2020』の審査員が決定!2017年から続く、一般公募による記事コンテスト『grape Award』。第4回目となる2020年の審査員には、grapeでも人気の漫画『犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい』シリーズでおなじみの漫画家・松本ひで吉さんが決定しました。さらに『Jupiter』などの作詞を手がけた作詞家でエッセイストの吉元由美さんや、映画化もされた『スマホを落としただけなのに』などで人気を博する小説家の志駕晃さんも審査員として作品を読みます。心に響く作品として選ばれるのは、どのエピソードでしょうか。結果発表をお楽しみに!『grape Award 2020』詳細はこちら[構成/grape編集部]
2020年09月22日2020年5~8月にかけて、ウェブメディア『grape』では、エッセイコンテスト『grape Award 2020』を開催。『心に響く』と『心に響いた接客』という2つのテーマから作品を募集しました。『grape Award 2020』心に響くエッセイを募集!今年は2つのテーマから選べる今回は、応募作品の中から『毎朝のルーティン』をご紹介します。私は職場に行く前に立ち寄る場所がある。それはコンビニ。もうルーティンみたいな感じになっている。朝8時、駅近くにあるコンビニに入る――。仕事のお昼ごはんの調達である。朝、早起きしてお弁当を作っていこうといつも思うけれど、疲れて帰った私は出勤ぎりぎりまで寝ていたいという欲に負けて、きょうも作るのを諦める。またいつか作るからの繰り返し。これでもかっていうくらい人がいっぱいの電車に乗り、憂鬱な気持ちで職場の最寄り駅で降りる。扉が開き、人がどっとあふれ出る。――ああ、仕事、行きたくないな。電車に乗れば嫌でも体は職場に向けて勝手に運ばれていく。でも当たり前だが、電車から降りてからは自分の足で歩かなければいけない。こんなに会社まで遠かったっけ……。足取りが重くなる。亀のようにスローペースだ。あっ、お昼ご飯を買わないと。職場では休憩時間を取りにくく、外へ食べに行くなんて、なかなかできない。人手不足でごはんを食べながら電話対応なんてザラだ。ブラックだなと思う。私はいつものように駅から少し歩いたコンビニに入った――。コンビニのレジは自分と同じように昼食を求めた会社勤めの人たちで長蛇の列だ。就業前の朝は混雑のピークなのであろう。人気のお弁当は、もう早速売り切れたりしている。オフィス街ということもあり、すごい人である。――お店の人たちも大変だよな。そんな怒涛の中、テキパキと店員さんたちは精算作業をこなしていた。そして、どんなに忙しくても明るい声で、笑顔で接客をしている。私の番がやってきた。ピッピッと無駄ない動きで商品のバーコードをリズムよく読み取り、レジ袋の持ち手をきれいにそろえて、そして、「お仕事、お気をつけていってらしゃいませ!!」ととびっきりの笑顔を最後につけて袋を手渡してくれた。はい!と思わず返事をしたくなるような、気持ちのこもったことばだった。今までコンビニで「ありがとうございました」は言われたことがあるが、「お仕事、お気をつけていってらしゃいませ!!」と言われたのは、初めてだった。あんなに仕事のことを考えたら嫌な気分だったのに、店を出た私は少し気持ちが楽になった気がする。たったことば1つが変わっただけなのに。もう少し、頑張ってみようかな、と思って今日も私はおにぎりにかぶりつく。お弁当は無理せず作らなくてもいっか。またコンビニに行こう。そして、また元気をもらおうかな。――仕事、頑張って行ってきます!grape Award 2020 応募作品テーマ:『心に響いた接客エッセイ』タイトル:『毎朝のルーティン』作者名:今井 聡美エッセイコンテスト『grape Award 2020』の審査員が決定!2017年から続く、一般公募による記事コンテスト『grape Award』。第4回目となる2020年の審査員には、grapeでも人気の漫画『犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい』シリーズでおなじみの漫画家・松本ひで吉さんが決定しました。さらに『Jupiter』などの作詞を手がけた作詞家でエッセイストの吉元由美さんや、映画化もされた『スマホを落としただけなのに』などで人気を博する小説家の志駕晃さんも審査員として作品を読みます。心に響く作品として選ばれるのは、どのエピソードでしょうか。結果発表をお楽しみに!『grape Award 2020』詳細はこちら[構成/grape編集部]
2020年09月21日2020年5~8月にかけて、ウェブメディア『grape』では、エッセイコンテスト『grape Award 2020』を開催。『心に響く』と『心に響いた接客』という2つのテーマから作品を募集しました。『grape Award 2020』心に響くエッセイを募集!今年は2つのテーマから選べる今回は、応募作品の中から『観光バスでの一期一会』をご紹介します。私は観光バスのバスガイドをしている。バス車内でのご案内はもちろん、観光地での下車説明やお食事会場へのご誘導もお仕事の一つ。とにかく観光の仕事に就きたいとバスガイドになったはいいが、その後は苦労の連続。とにかく暗記がつらく、観光地の原稿が出てこなくてもバスは進んでしまう。苦労を共にした同期もやめてしまい一人寂しく研修はとても大変だった。ゴールデンウイークになり忙しくなるとついに独り立ちの時。今まではお客様がいない研修ばかりだったため始めはすごく緊張していた。あたりまえだが、いつも同じペースで進んでいるわけではないため止まってほしくない信号に引っかかったり、観光地に近づくにつれて渋滞でバスが進まなかったり、覚えたての原稿で間をつなげるのはすごく大変だった。夜景が人気の観光地なのでもちろん夜まで勤務。朝から夜まで、家に帰ってからは暗記の確認、予備原稿の勉強をしたりと体力的にも厳しくなっていた。「ちょっといいかな。話があるんだ。」お昼のコースが終わり車庫に戻ると上司からの呼び出し。心当たりはないがもしかしてクレームが来たのかと背中を丸めながらついていくと上司は「これを読んでください。」と一枚の便せんを渡してきた。もしかして本当にクレームが来たのかと恐る恐る読んでみた。「先日はお世話になりました。最後にお礼が言えなかったのでせめてもの気持ちです。いつまでも笑顔を忘れず頑張ってください。」私の顔は上司の顔と手元の紙を行ったり来たり。まさかの応援の手紙だったのだ。手紙のほかには仲睦まじい夫婦の写真が入っていて、見た瞬間に思い出した。あのよく晴れた日に私が「ここがフォトスポットだから」とシャッターを押して一日観光のお供をしたご夫婦だ。さらに便せんを見るとお守りが入っていた。お客様からのお手紙をもらったのは初めてだったため、つらくても頑張ってよかったと涙がぽろぽろ出てきた。私は嬉しくてすぐにお返事を書いて送り、今でもお守りは肌身離さずカバンに入れて持ち歩いている。しばらくしてまた上司から呼び出しがあった。渡されたのは一枚の便せん。なんとまたお返事を送ってくださったのだ。「健康と、仕事中の事故等もないように」ともう一つお守りを同封してくださっていた。今は新型コロナウイルスの影響で観光業は大打撃。私の会社も今はほとんどお休みの状況。また日常がもどって観光を楽しむことができるようになったら遊びに来てくださいね。そんな気持ちを込めて今は自宅でたくさん勉強して次にお会いした時にはもっと楽しんでもらえるように日々精進。私の右手に見えるのも左手に見えるのもお客様の笑顔、いつか来る満員御礼バスの旅を夢見て今日も元気に出発進行。grape Award 2020 応募作品テーマ:『心に響くエッセイ』タイトル:『観光バスでの一期一会』作者名:北野 由美子エッセイコンテスト『grape Award 2020』の審査員が決定!2017年から続く、一般公募による記事コンテスト『grape Award』。第4回目となる2020年の審査員には、grapeでも人気の漫画『犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい』シリーズでおなじみの漫画家・松本ひで吉さんが決定しました。さらに『Jupiter』などの作詞を手がけた作詞家でエッセイストの吉元由美さんや、映画化もされた『スマホを落としただけなのに』などで人気を博する小説家の志駕晃さんも審査員として作品を読みます。心に響く作品として選ばれるのは、どのエピソードでしょうか。結果発表をお楽しみに!『grape Award 2020』詳細はこちら[構成/grape編集部]
2020年09月18日2020年5~8月にかけて、ウェブメディア『grape』では、エッセイコンテスト『grape Award 2020』を開催。『心に響く』と『心に響いた接客』という2つのテーマから作品を募集しました。『grape Award 2020』心に響くエッセイを募集!今年は2つのテーマから選べる今回は、応募作品の中から『わたしの町のクリーニング屋さん』をご紹介します。心温まる接客と聞いて、まっさきに思い浮かんだのは、わたしの住む町にあるクリーニング店だった。大学進学を機に実家のある田舎を出てから、東京や名古屋にひとり暮らしをしてきたが、引っ越しの度にまず探す場所の一つは、近所にあるいい感じのクリーニング店である。ここでは、これまでお世話になったクリーニング店の中でも一番思い出深い、実家の町のあるお店のことを話そう。そのお店の名前は、まるクリーニング(仮)と言う。小さな田舎町なので、周辺に住む人々のほとんどがまるさんにクリーニングをお願いしていたと思う。私の家族も常連で、週末になると父のスーツや兄と私の学生服を出しに行っていた。まるさんの大きな特長は、きかせすぎくらいにきいたパリっとした、というよりバリバリの糊である。セーラー服のスカートを一度クリーニングしてもらうと、自転車通学でどんなに雨風にさらされても、またどんなに長時間座っていても、そのプリーツはしばらくの間型崩れしなかった。ということは、それだけ何か溶剤が染みついていて、美容院でパーマをかけてもらった後のような香りを周囲にまき散らしていたかもしれない。しかし、学校の先生からは、「あなたはいつもスカートがきれいね。しっかりしている証拠だわ」などと褒めてもらえたことを、今も鮮明に覚えている。父もその糊の効果には太鼓判で、仕上がった仕事服を身にまとう前には、必ず「今日も糊がきいとるなあ」と満足げに笑っていたものだった。まるクリーニングのもう一つの大事な特長は、クリーニング店を超えて地域の名物、番台さんのような存在だったことである。チェーン店でないからこそ、常連さんが依頼にやって来るリズムを把握して、少々無理な納期をお願いしても「はいはい、やっておくよ」と快く対応してくれて、大変助けられた。私の祖父母もまるさんによく出していたが、お店から少し離れて住む高齢の祖父母に配慮して、まるさんのお母さんがいつもバイクで配達をしてくれていた。配達に来ると、天気や農作物の出来、近々ある行事の話などをひと通りして、あのコミュニケーションの時間も、祖父母にとっては楽しみの一つになっていた。また、まるさんのお母さんは会計も担当しているのだが、服の種類によっていくらと単価が決まっていないようで、明細は一度ももらったことが無い。服をたくさん持って行くと高くて、少ないと安くて、たまにたくさん持って行っても「おまけしとくね」と言って少ない時よりもかなり安かったりする。まさに信用商売。もやもやしつつも、バリバリに糊のきいた服にしてもらいたくて、今日はいくらになるかな、なんて考えながら持って行き(実際にはよきタイミングで気を利かせた母が出しに行ってくれたりして)、家に帰って金額を報告し、家族で毎回ひと笑いするのが楽しかった。そんなまるさんも、クリーニング作業を担当していたお父さんが高齢になったこともあり、ついに近くお店を閉める予定と聞いた。真夏になるとランニングの肌着一枚になって、一生懸命アイロンをかけてくれていた姿が見られなくなるのだなあ。そして、あのお母さんの運任せなお会計ネタもなくなってしまうのか。さいごに会った時に、きちんとありがとうを言ったかな。人生初のクリーニング店がこの名物まるさんだったから、わたしは単身引っ越しを繰り返してからも、クリーニング店にどこかおもしろい所がないかと探してしまう。クリーニング店を超えた思い出になった、まるさんをふと思い出して微笑みながら。grape Award 2020 応募作品テーマ:『心に響いた接客エッセイ』タイトル:『わたしの町のクリーニング屋さん』作者名:喫茶去エッセイコンテスト『grape Award 2020』の審査員が決定!2017年から続く、一般公募による記事コンテスト『grape Award』。第4回目となる2020年の審査員には、grapeでも人気の漫画『犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい』シリーズでおなじみの漫画家・松本ひで吉さんが決定しました。さらに『Jupiter』などの作詞を手がけた作詞家でエッセイストの吉元由美さんや、映画化もされた『スマホを落としただけなのに』などで人気を博する小説家の志駕晃さんも審査員として作品を読みます。心に響く作品として選ばれるのは、どのエピソードでしょうか。結果発表をお楽しみに!『grape Award 2020』詳細はこちら[構成/grape編集部]
2020年09月15日2020年5~8月にかけて、ウェブメディア『grape』では、エッセイコンテスト『grape Award 2020』を開催。『心に響く』と『心に響いた接客』という2つのテーマから作品を募集しました。『grape Award 2020』心に響くエッセイを募集!今年は2つのテーマから選べる今回は、応募作品の中から『配達の仕事は、人助けと思ってます』をご紹介します。8月の猛暑、歩いているだけで溶けてしまいそうな中、私は団地を歩いていた。この団地は新しくデザインされたところで、1階にお店や歯医者、クリニックもある。すぐ横には大きなイオンモールがあり、子育て世帯も多く暮らす。私がイオンへ歩いていると、足を引きずったおじさんが、通りがかる人に声をかけていた。でも、みんな通り過ぎてしまう。おじさんは汗を拭きながら困った表情。あまり見ない顔だし、暑い炎天下だから、みんな自分のことに必死、誰も足を止めない。そこに、いつも団地を回ってくれている宅配の配達員さんが通りかかった。彼はおじさんのほうに寄って行って何か話をし、小走りでその場をあとにした。そしてすぐに台車をガタガタと押しながら走ってもどってきて、なんとその台車におじさんがちょこんと腰かけた。どういうことだろう?配達員さんはゆっくりと台車を押し始めた。私は驚き、向かう方向が一緒だったこともあって、様子を見ることにした。配達員さんは、あの緑の帽子と制服を着ているし、通常荷物を運ぶ台車におじさんが座っているという不思議な光景で、周囲の人もちらちらと見ていた。二人はそんな視線を気にする素振りもなく、そのままイオンに入り、エレベーターで2階へ、何かを探しているようだ。そして、イオンの中にある小さな整形外科の前で台車を止めた。おじさんはゆっくりと立ち上がり、病院の前の椅子へ座り直し、泣きそうな顔をして言った。「こんなに親切にしてもらったのは、生まれて初めてだ。本当に助かった。痛くてとても歩けなくて、どうしようかと思ってたんだ」配達員さんは笑顔でこう返した。「よかったです。とても痛そうだったから、何かできればと思ったんです。配達の仕事は人助けと思ってるんで、これも同じです」「きみ、どこの支店に勤めているの?会社に感謝を伝える電話をしたい。ぼくにとって忘れられない出来事になった」とおじさんが言うと、「〇〇店ですが、私は社員ではなくてアルバイトですし、きっと名前言われても会社の人わからないと思います。いいんです、気にしないで下さい!」「そうなのか…なにもお礼ができなくて申し訳ない、せめてこれで飲み物でも買って。暑いからね。本当に有難う」汗をかいた配達員さんは頭を下げて笑顔で挨拶し、また台車を押して去っていった。私はおじさんに聞いてみた。「どうされたんですか?」「ここに来る前に自転車で転倒してしまって、どうも骨をやってしまったようで痛みがひどくて整形外科を探してたんだ。ぼくはネットで検索した△△という整形外科に向かって歩こうとしてたけれど、それがどこにあるかあの配達員さんに聞いたら、そこは遠いって言うんだ。足を引きずりながらこの炎天下でそこまで歩くのは大変だ、すぐ近くのイオンの中にも整形外科がある、って教えてくれてね。僕を心配して、台車まで持ってきてくれたんだよ。ちょうど手が空いたところだから、これでよければ押していけます、って。彼は、子育て中で出掛けるのが難しいお母さんに生活品を届けたり、重いものを持つのが難しい高齢の人へ届け物をして「ありがとう」って言われたりして、この仕事は人助け、親切そのものと感じ始めたらしい。だから、困っているぼくを見過ごさすに声をかけて助けてくれたんだ」おじさんは安心した顔で私に話してくれた。そうか。彼らの仕事には、人助け、親切という誇りが刻まれているんだ。配達員の仕事を美しいと思った。いつも気持ちの良い挨拶と笑顔で届け物をしてくれる緑の帽子の配達員さんが大好きだ。grape Award 2020 応募作品テーマ:『心に響いた接客エッセイ』タイトル:『配達の仕事は、人助けと思ってます』作者名:綾乃エッセイコンテスト『grape Award 2020』の審査員が決定!2017年から続く、一般公募による記事コンテスト『grape Award』。第4回目となる2020年の審査員には、grapeでも人気の漫画『犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい』シリーズでおなじみの漫画家・松本ひで吉さんが決定しました。さらに『Jupiter』などの作詞を手がけた作詞家でエッセイストの吉元由美さんや、映画化もされた『スマホを落としただけなのに』などで人気を博する小説家の志駕晃さんも審査員として作品を読みます。心に響く作品として選ばれるのは、どのエピソードでしょうか。結果発表をお楽しみに!『grape Award 2020』詳細はこちら[構成/grape編集部]
2020年09月14日2020年5~8月にかけて、ウェブメディア『grape』では、エッセイコンテスト『grape Award 2020』を開催。『心に響く』と『心に響いた接客』という2つのテーマから作品を募集しました。『grape Award 2020』心に響くエッセイを募集!今年は2つのテーマから選べる今回は、応募作品の中から『母からのメール』をご紹介します。みなさまは、自分の20歳の誕生日のことを覚えていますか。当時、私は大学2年生でした。実家を離れ、大学の近くで一人暮らしをしており、それはもう自由気ままな日々を送っていました。誕生日当日、私は朝目を覚ますと共に、得体の知れない期待をまとい、強く高揚しておりました。20歳という人生の節目を迎え、「大人になった」ということが、嬉しくてたまらなかったのです。授業の合間や、昼食中など、友人に20歳になったことを自ら伝えてまわりました。実際の生活で、変わったことなどひとつもありません。急に社会の知識がついたり、精神的に落ち着いたりすることももちろんなく、ただ今までと同じように時が流れているだけです。大人になった実感もありません。ですが、20歳を迎えたということはとても特別なことのように思えたのです。授業を終え、部活までの間1人になった私は、狭い部室で椅子に腰掛け、今までの自分の人生を振り返っていました。携帯電話の着信音に気付き、画面を確認すると、すぐに母親からのメールだと気がつきました。高揚感や大人になった達成感が自分の心のほとんどを占めており、親の存在を忘れていました。「そういえば親がいたな」くらいにしか思っていなかったのです。過保護な親から、またお節介なメールが来たのかな、と思いメールを開きました。短く、シンプルな文章でした。「お誕生日おめでとう」母親から誕生日を祝うメールが来たことにまず驚きました。今まで母親に誕生日を祝われたことがなかったのです。私は気持ちがたかぶっていたこともあり、普段なら絶対言わないような言葉で返信しました。「産んでくれて、ありがとう」送った後、なんだか恥ずかしくなってきましたが、もう送ったメールは取り消せません。今まで、母親にしてもらったことを、思い返してみました。物心ついた頃から、母親は毎日ご飯を作り、私が高校生の時はお弁当も作り、買い物をし、洗濯をし、家の掃除をしてくれていました。母親からすぐ返信がありました。「産まれてきてくれてありがとう。母親らしいことなにもしてあげられなくてごめん」その文章を見た途端、まぶたが奥から熱くなり、視界がぼやけ出しました。さらに細かく、母親との記憶が蘇ってきます。私が悪さをし、母親が学校に呼び出されても、私の話を最後まで聞いてくれたこと。わたしがテストで恥ずかしい点をとっても、部活で失敗しても、「元気で生きてくれていればそれでいいんだよ」と言ってくれたこと。いくつもの記憶が、断片的に頭の中に次から次へと湧いてきます。そして、驚くべきことに、それらはすべて愛で溢れており、私の心を温かく包んでいくのです。うつむくと、大粒の涙がぼたぼたと地面を濡らします。私が産まれて20年経ったと言うことは、母親は私を産んで20年経ったということです。今日は私の誕生日ですが、同時に母親の母親としての誕生日でもあるのです。母親は私の世話をする対価として、誰かに大金を積まれたのでしょうか。それともなにか大きな見返りがあるのでしょうか。いいえ、そんなものはなにひとつありません。私は、自分が自分1人で大きくなったと思っていたことが急に恥ずかしくなりました。部員が一人、部室に入ってきました。私が涙を流していることにとても驚いていました。事情を話すと、「良いお母さんじゃないか」と私の胸をグーでとんと押しました。「ああ、良いお母さんなんだ」そう言って私は、メールの保存ボタンを、ゆっくり押しました。しかし、そのメールは保存なんて意味がないくらい、私の記憶に強く残り、時に温かい気持ちにしてくれるのでした。grape Award 2020 応募作品テーマ:『心に響くエッセイ』タイトル:『母からのメール』作者名:沢村 進也エッセイコンテスト『grape Award 2020』の審査員が決定!2017年から続く、一般公募による記事コンテスト『grape Award』。第4回目となる2020年の審査員には、grapeでも人気の漫画『犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい』シリーズでおなじみの漫画家・松本ひで吉さんが決定しました。さらに『Jupiter』などの作詞を手がけた作詞家でエッセイストの吉元由美さんや、映画化もされた『スマホを落としただけなのに』などで人気を博する小説家の志駕晃さんも審査員として作品を読みます。心に響く作品として選ばれるのは、どのエピソードでしょうか。結果発表をお楽しみに!『grape Award 2020』詳細はこちら[構成/grape編集部]
2020年09月14日2020年5~8月にかけて、ウェブメディア『grape』では、エッセイコンテスト『grape Award 2020』を開催。『心に響く』と『心に響いた接客』という2つのテーマから作品を募集しました。『grape Award 2020』心に響くエッセイを募集!今年は2つのテーマから選べる今回は、応募作品の中から『吹き抜ける優しさ~バス物語~』をご紹介します。新しい文化、新しい土地、新しい学校。引っ越してきて2週間、知り合いのいないこの街で覚えたのは近所のスーパーと学校までの道程のみ。右も左もわからない状況下で、小学4年生と1年生の息子の手を繋いで丘の頂上にある小学校への道程が時に遠くに感じます。そして明日は引っ越してから初めての雨予報。「ママ、明日は雨?学校に歩いていくの?」私の不安を察したのか子供達が私の顔を覗き込んで言います。「こんな雨じゃ、学校に着いたらびしゃ濡れだよね。明日はバスに乗って行ってみよう。」その言葉に嬉しそうな子供達の顔。子供を寝かした後、バスの経路を調べてみると、我が家の裏通りから学校の前まで行くバスを発見!良かった!翌日、叩きつける激しい雨の中、遅れまいと早く家を出てバス停に向かいます。子供達の靴は既に雨に濡れてびしゃびしゃ。「ママ、待って。そんなに早く歩けないよ。」「頑張れ、頑張れ!早くしないとバス行っちゃうよ!次のバスだと学校に遅れちゃうよ。」その瞬間遠くに見えたのです。私達が乗るべきバスが丁度バス停を出発しようと動き始めたのを。「ああ、待って!」手を精一杯両手を振りながらバスに向かって全力疾走すると、その姿に気が付いてバスはその場で止まってくれました。「サンキュー ベリー マッチ!」息を切らせながら3人で転がるようにバスに乗り込むと、バスの運転手さんがにっこり笑ってこっちを見ていいました。「いい走りでしたよ!あなたのこと置いていきませんよ。大丈夫ですよ。」っと。運転手の笑顔が心の奥に染み入って、温かいモノが流れていくのがわかりました。そしてその日の午後、学校終了時間に合わせて私はまた学校に向かい、今度は子供達と一緒に帰りのバスを待ちます。(子供だけでは帰れない規則です。)「あ、来たよ!」バスに乗りこむと運転席に座っていたのは朝の運転手さん!「学校はどうだった?楽しかった?」子供達は嬉しそうに、そして、恥ずかしそうに運転手さんに向かって大きく頷きました。「朝の運転手さんだ、優しいね。」耳元で囁く息子。そして続けます。今日は宿題で本を探すために図書館に行きたいのだと。そこで、バスの揺れに身を委ねながら、私は席を立ち運転手さんのところに行きました。私達は最近越してきたばかりだということ、今から図書館に行きたいのだけれど、最寄りのバス停はどこなのかわからないので助けて欲しいこと。すると、その運転手さん、何と他のお客さんもいたのにもかかわらず、バス停のないところでバスを停車させてくれたのです。そしてこう言いました。「ここが一番近いですよ。降りたら左に向かって歩いて行ってください!頑張って!」と。「え!」私の目が点。バス停もないところで降ろしてくれただなんて。そして他の2,3人のお客さんも何も言わずにそうすることを許可してくれただなんて。またまた心の芯が熱くなりました。「いい一日をね!またね!勉強頑張ってね!」そういって運転手さんは子供達の頭を撫でてくれました。子供達は覚えたてのサンキューと満面の笑顔で駆け足でバスを降りました。私は他の乗客の方々に向かって大きく一礼し、再度運転手さんに心からの有難うを伝え子供に続いてバスを降りました。バスを降りると運転席から、運転手さんが図書館のある方を指さして信号をわたるようにジェスチャーをしてくれているのが見えます。私達は両手の親指を立てて、大きく頭を下げてバスが小さくなるまで見送りました。初めての街で吹き抜けたあの優しい風が今でも時々心の中でピカッと光ります。あれから6年。私が受けた優しさを今度は私がこの街に新しく来る方々に紡いでいきたいと思います。grape Award 2020 応募作品テーマ:『心に響くエッセイ』タイトル:『吹き抜ける優しさ~バス物語~』作者名:ひでよエッセイコンテスト『grape Award 2020』の審査員が決定!2017年から続く、一般公募による記事コンテスト『grape Award』。第4回目となる2020年の審査員には、grapeでも人気の漫画『犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい』シリーズでおなじみの漫画家・松本ひで吉さんが決定しました。さらに『Jupiter』などの作詞を手がけた作詞家でエッセイストの吉元由美さんや、映画化もされた『スマホを落としただけなのに』などで人気を博する小説家の志駕晃さんも審査員として作品を読みます。心に響く作品として選ばれるのは、どのエピソードでしょうか。結果発表をお楽しみに!『grape Award 2020』詳細はこちら[構成/grape編集部]
2020年09月12日2020年5~8月にかけて、ウェブメディア『grape』では、エッセイコンテスト『grape Award 2020』を開催。『心に響く』と『心に響いた接客』という2つのテーマから作品を募集しました。『grape Award 2020』心に響くエッセイを募集!今年は2つのテーマから選べる今回は、応募作品の中から『壊れた洗濯機の次のおうち』をご紹介します。その日、私は、朝から新しい洗濯機が届くのを、ずっと待っていました。我が家は5人暮らし、3人娘はまだ幼くて、遊び盛りなのに、3日前、我が家で一番の働き者の洗濯機が突然壊れてしまったのです。困った私は、子どもたちがそれぞれ幼稚園と小学校に行っている間に、3歳の三女と大きな量販店で、あれこれ悩んでなんとか希望の洗濯機を注文。でも届くのは3日後…。それから、洗濯物はコインランドリーでなんとかしのぎ、この日を待ちわびていました。すぐに洗濯機を置いてもらおうと、壊れた洗濯機を玄関脇に移動して、洗濯機置場後ろなどの掃除をしていると、社宅の外でいつものように遊んでいると思っていた次女が傍に…「どうしたの?けんかでもしたの?」と掃除しながら聞くと「お母さん…この洗濯機ってこのあとどうなるの?」とぼそっと一言。「え?洗濯機?」「うん、これどこに行くの?」と洗濯機をツンツン触る次女。「さーー?どこにいくのかな?母さんもよく知らんのよね」と答えると「ふ〜〜ん」と次女。なにをいってるんだろうと、不思議に思ったものの、そのままにしていると、玄関のチャイムが。「洗濯機持ってきました、こちらでよろしいですか?」配送員のおじさんとお兄さんがやってきました。外で遊んでいた長女と三女が「わーーー!新しい洗濯機きたっ!」と大喜びで帰ってきて、新しい洗濯機に夢中なのに、次女は、先に玄関先から下に降ろされた壊れた洗濯機の傍を離れません。新しい洗濯機の代わりに荷台に積まれた古い洗濯機を、次女はトラックの傍でずっと見ていました。配送員のお兄さんが不思議そうに次女を見ていたので、「この子、この洗濯機がどうなるか気になるみたいでね〜」と苦笑いすると「えーー、そうなんですね」とニッコリ。そして、駐車場からトラックが出発すると、次女は「ばいばーい!!ばいばーい!洗濯機!ばいばーい!」と手を振りながらトラックを追いかけたのです。お兄さんもバックミラーを見ながら微笑んでいるのが見えましたが、私はその姿を少し困って見ていました。ところが、その夜のことです。仕事で遅い主人を待たずに、晩ごはんの用意を娘たちとしていたとき、電話が鳴りました。「ごめん、誰か出てー!」と頼むと、次女が電話に出てくれました。そして、電話に出た次女は、電話口で何度かうなずいて、電話を切ってしまったのです。「どうしたの?だれだったん?」と聞くと「ん?洗濯機のお兄ちゃん!洗濯機は無事、次にいくところについたって!」とニコニコで夕食を食べ始めました。「え??洗濯機が?」配送員のかたは、娘が洗濯機を気にしていたことを心に留めていてくれたのでしょう。配送が全部終わった後、わざわざ電話をして、娘が安心できるようにして下さったのです。もしかしたら、ご自身もこれくらいの子供さんの親だったのかもしれません。子供の個性に、一人の大人として向かい合ってくれた配送員のかたの規約外の優しいサービス。今でも、大阪で過ごした家族の大事な思い出の一つです。grape Award 2020 応募作品テーマ:『心に響いた接客エッセイ』タイトル:『壊れた洗濯機の次のおうち』作者名:すずらんエッセイコンテスト『grape Award 2020』の審査員が決定!2017年から続く、一般公募による記事コンテスト『grape Award』。第4回目となる2020年の審査員には、grapeでも人気の漫画『犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい』シリーズでおなじみの漫画家・松本ひで吉さんが決定しました。さらに『Jupiter』などの作詞を手がけた作詞家でエッセイストの吉元由美さんや、映画化もされた『スマホを落としただけなのに』などで人気を博する小説家の志駕晃さんも審査員として作品を読みます。心に響く作品として選ばれるのは、どのエピソードでしょうか。結果発表をお楽しみに!『grape Award 2020』詳細はこちら[構成/grape編集部]
2020年09月11日