素朴な素材感でシンプルに光と風がぐるりと回遊抜け感が心地いい家
“全体がつながった家”を実現するために、光本さんが考えたのは、床のレベルを違えながら、2階の天井までつなげていくこと。吹き抜けになったリビングの上に生活スペースが積み上げられていくような構成だ。
「まず1階のリビングから2階のワークスペースに空間が抜け、さらに2階の子ども部屋も少しレベルを上げることで、抜けが全体をぐるっとつなげていきます」。
敷地に面した通りとの距離も、どうカバーするかを思考した。
「車や人が通ったときの家との距離感が気になっていました。そこでプランターのあるテラスを1階の南側に設け、テラスに面して大きな開口を設置しました」。
北側の2階にも開口が設けられ、光が南から北に、家の中を通り抜ける。
「この光の通り道があることで、空間が外までつながっていきます。
外まで含めた大きな空間の中に、レベルの違う床が載っかっているイメージです」。25坪ほどのコンパクトな一軒家ながら、つながりと外部との一体感が、開放感を感じさせる。
2階ワークスペースからリビングを見る。ここから家族の様子を見守ることができる。
2階のワークスペース。中央の机と本棚を挟み、左右対照に設計されている。