日本文化とグリーンの融合緑のルーフバルコニーが内と外とを曖昧に繋ぐ
3階までグリーンが連続し、街の中にひとつの景観を生み出すかのよう。
日本の建築物を踏襲したい
むき出しの軒柱に、建物の隅にそれぞれ設けられたバルコニー。空間に“欠け”のある独特の外観が開かれた印象を与える。
「この辺りは準防火地域なので、柱を現しにはできないんです。そこを、通常より太い燃え代設計にすることでクリアしています」。
現しにこだわったのは、親しみやすさ、分かりやすさ、だという。
「今は何でも包み隠してしまうけれど、建物がどういう構造で建っているのか、現しにすれば分かりますよね。お寺や昔の日本家屋の良さを、できるだけ踏襲したいという思いがあります」。
軒柱のあるバルコニーは、書院造りの濡れ縁のイメージ。ここを介して、中と外が曖昧に区切られる。そして家全体を、頂点から四隅へ同じ角度で傾斜する宝形屋根が包む。
「向かい側の家のデザインに合わせているのですが、御神輿をかついでいるような雰囲気で、縁起がいいじゃないですか(笑)。雨よけにも合理的なんです」。
軒柱を現した設計は、縁側のある昔の日本家屋を思い起こさせる佇まい。
自邸の玄関側。自然な木目の外壁は“選びに選んだ”サイディング。