真ん中に螺旋階段のある家中庭のような階段を中心に明るく広く暮らす
中心部分には2階分ほどの高さのある大きな開口が設けられていて部屋の隅々にまで光を供給しているが、この開口の横につくられた螺旋階段がとても特徴的だ。
ちょうどその頃同時並行的に進められていた山田さんの自邸の模型を見て「うちもこういう感じがいいかも」と伝えていたスキップフロアをこの螺旋階段がつなぎ、また壁を設けていないために階段を通して斜め方向へと視線が抜けていく。
「山田さんからいちばん最初に提案をいただいたとき“ ウナギの寝床のように細長い敷地だから端に階段を置くとそのスペースが無駄になってしまう”と。さらに“この階段は廊下であり部屋であり庭でもある”という説明を聞いて、ああなるほどなと」(宏美さん)
大開口から光がふんだんに注がれて明るく中庭的な存在ともなっているこの階段。宏美さんは「庭がほしかった」がこの敷地で庭をつくることは物理的に無理だと思っていたので、この“階段=庭” という考え方に思わず納得しての「なるほど」でもあったのだろう。
リビングから下にDK、上に子ども部屋を見る。右の踏み板はリビングとレベルが揃い連続している。
左が室内を明るく照らす大開口。子どもたちにはこの階段がテーブルにもなる。