自然とつながって暮らす裏山にまで居場所が広がる 大らかなつくりの家
と続ける。
キッチンには「ざっくりとつくられた雰囲気のなかに完成度が高くクールに感じられる場所をつくろう」(土田さん)ということで、通常は下地材として使われるフレキシブルボードが採用された。
キッチンの壁に張られたのはモザイクタイル。「フレンチな雰囲気がほしい」という奥さんの希望から選ばれたもの。
1階につくられたトイレと浴室。壁を隔ててこの左手にLDK、右手にアトリエがある。
最小限の間仕切り
ゆるく仕切られているのはLDK部分だけではない。内部を仕切る壁の量が最小限に抑えられ家全体が1室空間に近いかたちになっている。1階はトイレと浴室を囲む壁を取ってしまえばまったく壁の無い空間になるし、2階の寝室には間仕切り兼用の収納が中央に置かれているのみだ。しかもこの間仕切り兼収納は移動することができる。
これは鈴木さんたちが大らかに暮らせるための装置であるだけでなく、さらにまた別のファクターを考慮したうえでのアイデアだった。
「これからも鈴木さんの趣味が増えていくだろうなと想定できたので、そうしたことにも対応し、かつ、将来お子さんが家を出ていくとかで家族の構成が変わっても対応できるように、家じゅうをフルに使い切れるようにしつつ、収納部分を移動できるようにして可変性のある空間のつくりを考えました」