生活空間もギャラリーに いろんなことを試せる“余白”のある家で暮らす
奥行き感のあるアプローチ
「近所の散歩がてらたまたま見に来たら、途中から丘のような傾斜があってそこからの景色の抜けが素敵だったのと、敷地まで続く細いアプローチがあってその奥行き感というか奥まった感じがいいなと思ったんですね」と田中さんが話すのは東急沿線の閑静な住宅街の一角にある田中邸の敷地だ。
砂利の敷かれた敷地に入り砂利と同様のグレーに塗られた壁を右手に向かうとプライベートの入口があり、敷地をぐるりと囲む塀へと渡しかけられた壁の下をくぐった先は木壁になっていて、そのコーナー部分に開けられた大きな開口からは内部の様子をうかがうことができる。
旗竿敷地にある田中邸。グレーの壁はコンクリート造ではなくモルタルが塗られている。
奥のコーナー部分がギャラリーになっている。
半地下のギャラリー
この奥のコーナー部分がギャラリーになっていてグランドレベルより90cmほど下がってつくられている。「半地下ですが、地下ではなく1階のような雰囲気になるように設計しました」と田中さん。設計は自身で行ったためこの家の施主兼設計者だ。
「単に住むための家を建てるというのではなく、自分たちがいろいろ挑めるというか試すことができる余白のある家をつくろうと思い、ギャラリーのある家をつくりました」