開放的なつくりの中で癒されて暮らす モノが多くても気にならず、 オン/オフの切り替えもできる家
設計を担当した建築家の加藤さんは「リビングバスにしたいというお話はいちばん最初の打ち合わせの時から出ていて、前庭からそのまま連続して浴室までをモルタルにして、さらに中庭と仕事場があるという構成をほとんどその場でスケッチを描きました」
バスルームは野中さんの希望で他のスペースとまったく仕切っていない。奥に見えるのが中庭と仕事場として使っている離れ。
玄関となっている開口部分。周囲との目隠しにつくった壁のところまでモルタルが続いているので、開放感とともに外部との連続性が生まれている。上部のエキスパンドメタルの床がさらに開放感をアップしている。
汚れても大丈夫な家
加藤さんには、過去の作品の、汚れても大丈夫な家、経年変化を楽しむ家という設計のコンセプトに魅かれて依頼したというが、この野中邸の設計でも生活感や汚れ、傷といった暮らしていくなかで当たり前に生じることがネガティブに働くのではなくむしろプラス方向に働くように配慮された。「この家ではラーチ合板を使っています。真っ白の空間だと汚れがついたら目立ってしまいますが、ラーチ合板は木目や節が目に付くので汚れがついたり傷がついても気になりません」