外壁・階段の仕上げはオリジナルレシピで 狭い中、あえて中央にすえた階段が生活に新たな質をもたらす
と畠山さん。しかしそのときに縦動線である階段を上下の移動のためだけのものにしてしまうと、限られたスペースのなかにそれ以外の用途には使えない場所ができてしまってもったいない。
そこで家の真ん中にゆるやかな階段を配置して、階段ではあるけれども、居場所にもなるし物を置ける家具にもなるというものにしたという。そしてまた、この階段が実はこの家ではなくてはならない重要な構造要素になっていて、中に入っている鉄骨ブレースが建物の横幅いっぱいに架け渡されている——どの階段も壁や天井に突き当たって行き止まりになっているのはそのためだ。
東西両面とも長手方向いっぱいに窓が連続している。これだけの空間に壁がないのは階段の鉄骨がブレースとして効いているため。ダイニング、キッチンとも床と階段の1段の踏み面のレベルが揃えられている。
北側から見る。スペースが限られているため、建て方が終わったところで段ボールを使って家具の大きさを確認した。
南側からキッチンを見る。下の階段は壁に突き当たっている。
模型で確認
最上階のスペースは広く感じられるが、翔さんは「図面ではかなり狭く見えた」という。しかし家具も入った20分の1という大きめの模型とパースで確認した上で階段を中央にすえる案をスタートさせることに。