外壁・階段の仕上げはオリジナルレシピで 狭い中、あえて中央にすえた階段が生活に新たな質をもたらす
北側から見る。階段の途中に置いてあるプロジェクターで奥の壁に映画などを投影して見ることができる。
緑青仕上げは材料の配合がオリジナルなだけでなく、工程も特殊なため塗装は事務所で行ったという。
床を極力薄く
最上階は東西の両面とも長手方向いっぱいに窓が連続して光がふんだんに入るがその下階のスペースは小さな窓が3つあるのみ。しかし、暗く感じることはないという。これには建築的な工夫があって、マッシブホルツという工法を採用し45㎜の角材を1本1本つないでつくることで床を限りなく薄くしているのだという。
「通常であれば床が倍以上厚くなって光がなかなか下まで届かないのですが、この工法でつくることで階段の吹抜けを通して光が下にも広がっていくのです」(吉野さん)。空間が明るくなるだけでなく上下階の遮断感も感じにくくなっているという。
左右の柱は40mmの無垢の鉄骨。これだけ細くできたのは階段が柱の座屈止めの役目を果たしているため。
床は45㎜の角材を1歩1本つないでつくっている。通常よりも2分の1以下の厚さのため、光が階段を通じて下階に広がる。
リビングダイニングの下に水回りスペースが続く。