2017年10月2日 21:00
【ガチで怖すぎーっ!】中野京子先生おすすめ! 女子必見「怖い絵」3選
中野先生
3つめは、《レディ・ジェーン・グレイの処刑》。絵を見れば、斬首される場面というところまではわかります。さらに解説を読んでいただくと、ジェーンがわずか9日間だけ女王の座にあったこと、自分が望んだわけでもないのに女王にさせられ反逆罪で処刑されること、そのときまだ16歳だったということがわかります。この史実を知ると、みなさん鳥肌が立ったり、涙ぐんだり、本当に泣いてしまったりするのです。しかもこの作品は等身大の大きさで、実物を見るとかなり大きくて迫力があります。描写も迫真的で、写真のように描いているように見えて、実は写真とは違う。現実をそのまま描いているわけではなくて、例えばジェーンは本来黒い服で処刑されましたが、画家のドラローシュは彼女の無実で無垢な部分を示すために白いドレスを着せている。目隠しもしていませんでした。
とても演出を凝らし、効果を上げている。だから見る人の胸に迫るのだと思います。
中野先生
あとは、画家によってどれだけ表現が違うのかがわかるとおもしろいですよ。そんな作品が会場でちょうど2点並んでいます。主題はセイレーン。ドレイパーの《オデュッセウスとセイレーン》では美しい人魚として描かれているのですが、その隣にあるモッサの《飽食のセイレーン》は人魚ではなく鳥女として表現されています。