カッコ悪い面もある役だし、もう少しリアルに近い気がします」
福士さんが演じる葵は、学生時代は水泳部の主力選手でクラスでも人気者だった青年。でも上京し、小さな建築事務所で働くいまは、アシスタントとしてこき使われる冴えない日々を送っている。
「高校時代は無責任でよかったのが、社会に一歩出た途端に一番下っ端で自分の身の程を思い知らされるという立場は、誰にでも身に覚えがあると思うんです。それで葵は、とにかく敵を作らずに平和に過ごすために、何か言われても自分から謝ればいいやと思ってしまうんです」
もともと争いごとは苦手。だから、「昔の自分が葵みたいだったから、すごくわかります」と話す。
「昔は意見を求められても答えられなくて、周りに合わせていたんです。この仕事を始めて少しずつ自分の責任の大きさを理解するようになって、社会人としてこのままじゃ嫌だなと。自分の考えはきちんと持っていたい、と思うようになりました」
月9の主役となると、大きな責任を背負わされる立場だけど…。
「責任もプレッシャーも全くないわけではありませんが、それを嫌だと感じることはないです。自覚はあっても、それは完全に自分との勝負というか、その役にどれだけ挑戦できるかのほうが自分には大事ですね」