2018年1月10日 20:00
「説教くさいのかなと」…『君たちはどう生きるか』漫画家が本作語る
自分に突きつけたくなる人生哲学。吉野源三郎さんによる歴史的名著『君たちはどう生きるか』が、羽賀翔一さんによっていまマンガで蘇る。
「原作を読む前は、タイトルのイメージから勝手に『説教くさい本なのかな』と思っていました。ところが、読み始めてみるとすぐに、コペル君や浦川君など悩める登場人物に感情移入できた。これは教養だけの本ではない、純粋に物語として面白いと夢中になりました」
現在、発行部数95万部と快進撃を続けているマンガ版の『君たちはどう生きるか』。それを手がけたのが羽賀翔一さんだ。本書のベースになっているのは、児童文学者で編集者としても辣腕を振るった故・吉野源三郎さんによる同名の名著。慕っている叔父さんから〈コペル君〉というあだ名を付けられた中学2年生の少年が、その叔父さんとの対話を通して、友情やいじめ、貧困、勇気などさまざまな人生テーマに向き合い、成長していくストーリー。
「僕のデビュー作『ケシゴムライフ』というマンガも、日常のワンシーンの向こうに、小さな思いがつながり、記憶に刻まれるドラマが生まれる、そんなときの感情を描いているんですね。ちょっとおこがましいですが、吉野さんと僕の感性はもしかすると近いのではないかと感じオファーされたマンガ化にぜひ、挑戦したいと思いました」