2018年3月6日 20:00
「今のアメリカに対する批判」あの映画監督が新作に込めた思い
美女とクリーチャーのラブストーリー、映画『シェイプ・オブ・ウォーター』。本作のメガホンをとったギレルモ・デル・トロ監督にお話を聞きました。
モンスターと美女が結ばれてもいい。幼いころの願いを成就させました。
「とてもスイートな物語でしょう。僕の最高傑作だよ」
インタビュールームにやってきたギレルモ・デル・トロ監督が満面の笑みで放った第一声だ。自信満々な最新作『シェイプ・オブ・ウォーター』は、政府の極秘研究所で清掃員として働くイライザ(サリー・ホーキンス)と“クリーチャー”(不思議な生物)とのラブストーリーだ。主人公が二人とも言葉を話せないというトリッキーな仕掛けが、ギレルモ監督らしい。
「現代人は感情をないがしろにしがちだから、そこに一石を投じたかった。サリーはあらゆる感情を瞳だけで表現できる素晴らしい女優です。クリーチャーを演じたダグ・ジョーンズは20年来の友人で、過去6作でもコラボしています。特殊メイクを身につけてきちんと演技ができる数少ない役者のひとりです」
発話障害の女性とクリーチャーが紡ぐ愛情が、観客の心をエモーショナルに揺さぶるのは間違いない。「種を超えて惹かれあう二人ですが、その精神的な結びつきにこそ美しさがあります。