2018年4月9日 16:00
サカナクション・山口一郎は“中2からの貯金”で曲作り?
デビュー10周年を迎えたサカナクションが、初のベストアルバムをリリースした。その名も『魚図鑑』。CD3枚組と2枚組の形態があるが、タイトルがそれぞれ『浅瀬』『中層』『深海』と名付けられていてニヤリ。まずその理由から、フロントマンの山口一郎さんに聞いてみた。
「多くの人が好きなものと、受け入れられないものを組み合わせると、どうしても違和感が生まれます。でも僕は、良いものって違和感から生まれると思っていて、その違和感を組み合わせたものが『浅瀬』に収録した曲です。『中層』はもっと美しくて難しい要素が強まった内容で、『深海』は全て僕らの好きなものだけ。『浅瀬』を聴いているうちに、あれ『中層』もいいぞ、『深海』も聴いてみよう、と行きつき、最後は『深海』しか聴かなくなる、みたいなレイヤーになっています(笑)」
つまり、サカナクション自身がキュレーター役を担い、10年間の作品をより深く楽しみ、知る道筋を作ってくれている選曲と構造なのだ。
「辛くておいしいカレー屋をカレー初心者に勧めても、“辛い!”で終わってその奥の深みは分からない。それなら、最初はこの店、次はあの店…と道筋をつけて伝えた方がいい。