と思った役はありましたか?
中村:たいがいは驚かないんですが、『孤狼の血』は驚きました。まず、自分が演っている画が浮かばなかったです。白石(和彌)監督のなかで、いけるっていう目処が立っていたんだとは思いますが、見た目もこんなツルンとしていますし、人を殴ったこともないし、こんなペースでしゃべりますし、ヘラヘラしてますし…。
――中村さんの場合、どんな役を演じていても、現実と地続きのリアルな手触りを感じます。
中村:作品によっても、役柄によっても求められているものは違いますからね。なかには腕力で持っていかなきゃいけない時もあるし、共演者とのバランスを見て調整して。中村倫也が頑張っている、というのは絶対にバレちゃいけないとは思っています。
――月並みですけれど、転機になった作品というと…?
中村:よく聞かれるんですけれど、無数にあるんで本当に困るんです。
やってない作品を出そうかな?(笑)
――(笑)。では、こういう作品、こういう役のオファーを待ってます、というものはありますか?
中村:いろいろやってきたなかで、恋愛ものは楽しいなと思います。恋愛すると、ちゃんとダサくなれるんですよね。