2018年9月8日 20:00
最多公演は矢沢永吉! 「日本武道館」が夢の舞台になったワケ
アーティストたちが目指す、元祖・夢の舞台、日本武道館。日本武道館がいかにしてアーティストにとって特別な場所になったのか、専門家お二人に解説していただきました。
日本武道館はもともと、東京オリンピックで正式競技に採用された柔道の試合会場として’64年に建設された、“武道の殿堂”。そこで初めてライブを行ったバンドが、ザ・ビートルズ。「20世紀の金字塔バンド、ビートルズの日本初公演のステージに選ばれたことが、今にいたる、“武道館=ライブの聖地”のイメージを決定づけました」と音楽ジャーナリストの柴那典さん。
ザ・ビートルズに始まり、’72年のディープ・パープル、’75年のクイーンなど、’70年代は海外アーティストが目立つ。
「例外的に矢沢永吉さんや西城秀樹さんらもここで公演していますが、突出した実力と人気を兼ね備えたカリスマだけに許される舞台。興奮のあまり観客が失神してしまうのは、武道館ならではの光景でした」(柴さん)
「ただ、当初は音はよくなかった。
武道をやる場所として造られてるから、音楽を聴かせる機構は何もなかったんです。低音、中音、高音とスピーカーを積み上げるしかないんだけど、それではアリーナのお客さんには、ボンボンという低音しか聞こえず、上階では、壁に当たった中高域の音が、八角形の天井の中でぐわんぐわん回ってしまう。