2018年12月20日 18:00
アイドルの舞台は1秒でもはけてほしくないから…劇作家・根本宗子の裏話
根本:単純に、以前は自分や自分の周りで起きたことを書いてきたんです。まったくそのままではなく、何かに置き換えることはしていますが。でも、昨年手がけた『皆、シンデレラがやりたい。』で書いたのは、若いアイドルにハマる40代の女性たち。自分もアイドル好きなので、反映されている部分はありますけれど、自分のことじゃない話を書いたのは大きな変化でした。いま、自分の視点から見た40代、50代の人を描くことに面白さを感じています。
――次回作『愛犬ポリーの死、そして家族の話』も、そんな近年の根本さんの変化を感じられる作品になっているんでしょうか。
根本:今回は、昔自分が思っていたことと、いまの自分が思っていることの両方を交ぜて書いています。
若い青山美郷さんが演じるキャラクターには、昔の自分が考えていたようなことを、50代の村杉蝉之介さんには、いまの自分から見たその世代を描かなければいけない。お客さんからどんなリアクションが返ってくるか想像がつかない部分が多い公演なので、私自身、どうなるか楽しみなんです。
――根本さんにとっては挑戦的な公演でもあるんですね。
根本:今回、3組の夫婦が登場しますが、それぞれ夫婦の関係性も、空気感も違うんです。