2019年2月21日 17:30
アカデミー賞最有力!『ムーンライト』監督が最新作で描いた愛の形とは?
映画ファンのみならず、多くの観客が最新作を待ち望んでいましたが、今回はアメリカ黒人文学を代表する作家ジェイムズ・ボールドウィンによる同名小説の映画化に挑んでいます。そこで、作品への思いや自身の体験について語っていただきました。
―原作は45年も前に出版されている作品ですが、それをこのタイミングで映画化した理由を教えてください。
監督
はじめてこの作品を読んだのは、10年くらい前で、脚本を書き上げたのは2013年だから、作ろうと思ってから完成するまでに少し時間は経っているんだ。
でも、この世にいま出ることの意義としては、70年代当時の問題が現在でも続いていることをいかに我々が許してしまっているかということを描きたかったから。そして、体系的な不公平さを正すことができていないことを恥ずかしく感じられるような作品にもなっているんじゃないかなと思っているよ。
たったひと言で人を貶めることができると感じた
―確かに劇中で描かれている差別的なことや理不尽なことなど、現代に通じる部分も多いと思いますが、監督も共感されるような思いや経験があったのでしょうか?
監督
もちろん、僕にもキャラクターたちと近い体験はいくつかあるよ。