2019年2月21日 17:30
アカデミー賞最有力!『ムーンライト』監督が最新作で描いた愛の形とは?
今回は何よりも女性の視点を大事にした
―そんななか、ティッシュと母親のシャロンという2人の女性が持つ強さにも心を打たれましたが、これらの役を演じたキキ・レインやレジーナ・キングとはどのようにして作り上げていったのでしょうか?
監督
現場では女優陣ともかなりいろんな会話をするように心がけたよ。というのも、『ムーンライト』は男性の視点から描かれていた作品だけど、今回は女性の視点から描かれている作品。
だからこそ、女優たちだけではなく、編集チームのなかにひとりだけいた女性スタッフの言葉にもよく耳を傾け、女性の視点をなるべく理解しながら流れを作っていくように意識したんだ。特に物語の中心となる女性ならではの葛藤というのはしっかり描きたいと思っていたからね。
―今回、初来日となりましたが、日本の観客にどのようなところを感じて欲しいと思っているのか、メッセージをお願いします。
監督
僕が映画を学んでいたとき、最初に触れていたのは、アジア映画やフランス映画、メキシコ映画といったもので、アメリカや英語圏の作品ではないものばかり。そのときに「世界は僕が思っている以上に繋がっているんだな」と感じた経験があるので、アメリカや黒人の文化に親しみがない方でも、意外と自分の文化と変わらないところがあるんだなというふうに感じてもらえればうれしいよ。