2019年5月2日 18:00
着物にも注目! “大正の文壇”を描く漫画『エコール・ド・プラトーン』
永美さんが仰ぎ見ている作家のひとりが、故・杉浦日向子。
「師匠でもある山田参助さんともよく話していたんですが、杉浦さんって作中のセリフを生み出す達人なんですよね。彼女のマンガのように、作品のムードにハマる印象的な言葉を見つけられるかも勝負です」
舞台がレトロな分、作画も苦労が尽きない。たとえば当時の生活描写や着物の描き方。
「着物姿とか、実は正確に描けたからといって絵として決まらないんですね。日本髪や着物が美しく見える角度も、当時の美的感覚とともに絵に織り込めたらいいなと思っているので、ネットで見つけた資料や郷土資料などを頼りにしています。ちなみに、本作を描くようになってから、自分でも着物を着るようになりました。また、著名な文豪たちの顔は、教科書などでよく知られている分、リアリティとデフォルメの加減が難しい。
さっぱりした線が好きなのですが、軽すぎる絵柄になると史実の重みが薄れてしまうので、説得力を持たせるタッチはどういうものだろうと。試行錯誤は続いています」
岩田専太郎ら挿絵画家たちの物語が始まる2巻の刊行が待ち遠しい。
『エコール・ド・プラトーン 1』新雑誌の創刊に関わる文士たち。