2019年5月17日 20:40
犯人自ら激白…「若年犯罪者たち」が語る現代社会の重圧と心の闇
「ハイブリッド・クライム・エンタテインメント」と名付けられた本作では、事件を起こした本人たちを随所に登場させるというドラマとドキュメンタリーを掛け合わせた斬新な手法を取っています。
そこで、実際に事件の“標的”となった画集のレプリカとともに、制作過程での苦労や監督が伝えたい思いについて語ってもらいました。
なぜ若者たちが事件を起こしたのか知りたかった
―まずはこの事件を知ったきっかけと、どのようなところに興味を持ったのかを教えてください。
監督アメリカからイギリスへ向かう飛行機のなかで雑誌を読んでいて、そこでたまたま目にしたんだ。でも、読んだ瞬間におもしろいなと感じて魅了されたよ。僕が何よりも興味を持ったのは、犯人である若者たちには多くのチャンスがあり、教養もあって、恵まれた環境で育っていたのに、なぜいかにも大失敗に終わりそうな計画に挑んだのかということ。
しかも、それによって人生の選択肢が狭まってしまうかもしれないのに、そこまでのリスクを冒してでも、この事件を起こそうとしたところに関心を持ったんだ。
―本作には本人たちも登場しますが、彼らとはどのようにして接触することに成功したのですか?
監督いまから6~7年くらい前、まだ彼らが刑務所にいた頃に初めて手紙を送ったんだ。