2019年5月18日 12:30
『SATC』の名場面が蘇る…世界最高峰の図書館が見せる驚きの実態とは?
と言われたことはなかったですか?
監督それは一切なかったよ。すごく素晴らしいことに、図書館の代表はすべてにおいて透明性を確保したいと考えるタイプの人なんだ。
だから、現場で起きるあらゆることを撮影させてもらえたし、何の規制もなかったよ。それだけでなく、映画が完成するまで、関係者がチェックするようなこともまったくなかったんだ。
―撮影期間は12週間とのことですが、1日どのくらい撮影していましたか?
監督撮影時間は日によっても上下するけれど、平均してだいたい2~3時間ほど。ただ、図書館が開いている限りはそこにいたから、毎回10~12時間は図書館に滞在していたよ。
―監督も図書館は大好きな場所でよく利用されていたということですが、いまは本離れが進んでいるので、もしananweb読者に向けて読んでおいたほうがいい文献などがあれば教えてください。
監督私が好きなのは、19世紀のアメリカの小説。
たとえば、ハーマン・メルヴィルやナサニエル・ホーソーン、ヘンリー・ジェイムズといったところだけど、なかでもオススメは1857年に出版された『詐欺師』。メルヴィルの小説で、『白鯨』ほど有名ではない作品ではあるけれど、現代のアメリカの生活を知りたいと思うならば、これを読んでおくべきだね。