2019年6月14日 19:00
辻村深月&桜庭一樹が描く「恋」がテーマの絵本って?
という文章で、絵ではとてつもない時間が流れているところ。
桜庭:誰に絵を頼むか編集者たちと相談していた時、嶽まいこさんの絵を見て、この人は不思議な絵を描ける!とピンときて。今は、嶽さんに絵を描いてもらってゴールできたという爽快感があります。
辻村:私は、自分の書いた感覚を的確に描ける人は今日マチ子さんしか考えられなくて。実際、心象風景が天気で表されていたり、いろんな奥行きがあったり、ランドセルの色に至るまでその子を正確に分かって描いていて、震えるほど感動しました。
桜庭:水たまりに相手の子の顔が映る絵だけで、視点人物がうつむいているって伝わるところとかも巧い。
辻村:思ったのは、2冊とも「同調圧力に従うことはないんだよ」っていう話だなと思って。
桜庭:ああ、確かに。
辻村:どちらも恋は自分の中で耕していい、その豊かな時間は自分だけのものだって言っている感じがして、それがすごく嬉しい。
桜庭:うん。大人は「子どもには難しいのでは」と言うかもしれないけれど、自分が子どもの頃って、ちゃんと分かって読んでいましたよね。
辻村:そう。子どもは、作り手が子どもを軽んじているかどうか分かる。