『六番目の小夜子』(新潮文庫刊)は、恩田陸の処女作で、2000年にNHK教育テレビにてドラマ化され、高い人気を誇り、今年7月NHK総合での再放送も話題になりました。そして2022年1月に舞台化が発表されると瞬く間にトレンドランキング上位に入るなど、注目を集めています。そして今回、舞台「六番目の小夜子」のメインビジュアルが完成しました!本作で主人公となる謎の転校生・津村沙世子役を乃木坂46の鈴木絢音が舞台単独初主演致します。演劇部部長の花宮雅子役には尾碕真花、「サヨコ伝説」の謎を追っていく関根秋役には高橋健介が、さらに熊谷魁人、山内瑞葵(AKB48)、山本涼介、そして森下能幸が、演劇部の顧問・黒川先生役で名を連ねます。そのほか共演には、飛葉大樹、仲美海(劇団4ドル50セント)、大原由暉、志田こはく、花崎那奈、緑谷紅遥といったフレッシュな若手キャストが揃いました。そして、メインビジュアルから伝わってくるミステリアスな雰囲気を、 “Jホラーの父”と呼ばれる鶴田法男が総監督として、脚本は小林雄次、演出は井上テテがタッグを組んで創り上げます。さらに今回、チケットの特典内容の発表とともに、貴重な舞台裏話が聞けるかもしれない?!アフタートークショーの実施も決定いたしました。2022年新春、舞台「六番目の小夜子」。新年最初の観劇体験として、どうぞお見逃しなく!!【ストーリー】「サヨコ伝説」─3年に一度、この学校に幸運をもたらす都市伝説。だが、六番目のサヨコは恐怖をまとっていた!高校3年生の演劇部、雅子が通う学校には「サヨコ伝説」という不思議な言い伝えがあった。3 年に1 度、生徒の中から選ばれる「サヨコ」は、3 つの約束(始業式に赤い花を生ける・文化祭で「サヨコ」の舞台を上演する・次の「サヨコ」を指名する)を果たす。他の誰にも「サヨコ」であることを知られずに遂行すれば、その年は進学率の向上など、幸運が訪れる。その六番目の年。始業式の朝、演劇部の部室に赤い花が生けられていた。そこに津村“沙世子”という謎めいた転校生が現れる。彼女は演劇部への入部を希望し、不思議な空気を残して去って行く。演劇部が文化祭の準備を進める中、部長である雅子は「サヨコ」の舞台を上演することに反対する。だが、演劇部の周囲で次々と不可解な現象が起きて行く。謎を追う秋。どうやら、その中心には沙世子の存在が……。彼女は何者で、何を企んでいるのか、彼女が「呼ばれた」理由は?「サヨコ」とは何なのか?舞台「六番目の小夜子」は誰にも想像できない展開になっていく…。<公演概要>舞台「六番目の小夜子」原作:恩田陸『六番目の小夜子』(新潮文庫刊)企画協力:新潮社 総監督:鶴田法男脚本:小林雄次演出:井上テテキャスト:鈴木絢音(乃木坂46)/尾碕真花高橋健介/熊谷魁人山内瑞葵(AKB48)/飛葉大樹仲美海(劇団4ドル50セント)大原由暉志田こはく/花崎那奈(ボクラ団義)緑谷紅遥(ボクラ団義)/山本涼介/森下能幸公演日程:2022年1月7日(金)〜16日(日)会場:新国立劇場 小劇場〒151-0071 東京都渋谷区本町1丁目1番1号<アフタートーク>13日(木)19:00公演終演後登壇者(予定、敬称略):鈴木絢音、尾碕真花、高橋健介、熊谷魁人、山本涼介14日(金)19:00公演終演後登壇者(予定、敬称略):鈴木絢音、山内瑞葵、森下能幸、鶴田法男(総監督)、井上テテ(演出)チケット:【特典付き】 全席指定 10,800円(税込)【特典なし】 全席指定 8,800円(税込)<チケット特典内容>・ミニパンフレット・イメージビジュアル しおり・メインビジュアル ポストカード※非売品オリジナルグッズ3点セットチケット一般発売日:2021年12月4日(土)AM10:00〜■チケットぴあ0570-02-9999(Pコード:508-830) ■テレ朝チケット ■ローソンチケット0570-084-005(Lコード:33772) ■イ-プラス チケットに関するお問い合わせ:チケットぴあインフォメーション0570-02-9111(オペレータ:10:00~18:00)公演に関するお問い合わせ:東映ビデオカスタマーセンター0120-1081-46(平日10:00~13:00、14:00~17:00)公式サイト: 公式Twitter:@6_sayoko_stage主催:舞台「六番目の小夜子」製作委員会©︎1998 恩田陸/新潮社©︎舞台「六番目の小夜子」製作委員会 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2021年12月04日第3回ファンタジーノベル大賞で最終選考まで残った、恩田陸の処女作『六番目の小夜子』(新潮文庫刊)が、2022年1月、新国立劇場 小劇場での初の舞台化が決定しました!『六番目の小夜子』は、2000年にNHK教育テレビにてドラマ化され、高い人気を誇り、今年7月NHK総合での再放送も話題になりました。舞台版のシナリオでは、小説のもつ空気感はそのままに、学校、演劇部という限られた時間・空間の中で起こる群像劇を、舞台、映像など各方面で活躍する若手俳優を中心に、ひやりとするような演出を交えながら描いていきます。ビデオ映画『ほんとにあった怖い話』(1991年)とそのテレビ化、映画『リング0~バースデイ~』(2000年)や映画『おろち』(2008年)などを手がけ、“Jホラーの父”と呼ばれる鶴田法男を総監督に迎え、脚本は『ウルトラマンX』(2015年/脚本)や『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』(2020年〜放送中/シリーズ構成)の小林雄次、演出は映画『イニシエーション・ラブ』(2015年/脚本)や舞台「天才てれびくん the STAGE」(2020年/演出)の井上テテが務めます。謎の転校生・津村沙世子役として、舞台「ナナマルサンバツ THE QUIZ STAGE」シリーズをはじめ、舞台「銀河鉄道の父」での好演が記憶に新しい、乃木坂46の鈴木絢音が舞台単独初主演を務めます。演劇部部長の花宮雅子役にはテレビドラマ『女の戦争〜バチェラー殺人事件〜』や『騎士竜戦隊リュウソウジャー』の尾碕真花、「サヨコ伝説」の謎を追っていく関根秋役には『ウルトラマンX』やミュージカル『刀剣乱舞』の高橋健介、また舞台『刀剣乱舞』の熊谷魁人、舞台『フラガール -dance for smile-』の山内瑞葵(AKB48)のほか、「『家庭教師ヒットマン REBORN!』the STAGE」やハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」の山本涼介、そして映画『バイプレイヤーズ〜もしも100人の名脇役が映画を作ったら』など数多くのテレビドラマや映画に出演する森下能幸が、演劇部の顧問・黒川先生役で名を連ねます。そのほか共演には、飛葉大樹、仲美海(劇団4ドル50セント)、大原由暉、志田こはく、花崎那奈、緑谷紅遥といったフレッシュな若手キャストが揃いました。2022年新春、舞台「六番目の小夜子」に、どうぞご期待ください。【ストーリー】「サヨコ伝説」─3年に一度、この学校に幸運をもたらす都市伝説。だが、六番目のサヨコは恐怖をまとっていた!高校3年生の演劇部、雅子が通う学校には「サヨコ伝説」という不思議な言い伝えがあった。3 年に1 度、生徒の中から選ばれる「サヨコ」は、3 つの約束(始業式に赤い花を生ける・文化祭で「サヨコ」の舞台を上演する・次の「サヨコ」を指名する)を果たす。他の誰にも「サヨコ」であることを知られずに遂行すれば、その年は進学率の向上など、幸運が訪れる。その六番目の年。始業式の朝、演劇部の部室に赤い花が生けられていた。そこに津村“沙世子”という謎めいた転校生が現れる。彼女は演劇部への入部を希望し、不思議な空気を残して去って行く。演劇部が文化祭の準備を進める中、部長である雅子は「サヨコ」の舞台を上演することに反対する。だが、演劇部の周囲で次々と不可解な現象が起きて行く。謎を追う秋。どうやら、その中心には沙世子の存在が……。彼女は何者で、何を企んでいるのか、彼女が「呼ばれた」理由は?「サヨコ」とは何なのか?舞台「六番目の小夜子」は誰にも想像できない展開になっていく…。今回、上演決定にあたり、総監督の鶴田法男からコメントが到着!【総監督/鶴田法男コメント】日本を代表する作家、恩田陸さんのデビュー作『六番目の小夜子』をJホラー演出で舞台化できないかと依頼を受けた。米国や中国にも呼ばれてホラー映画を作ってきた自分だが、舞台は初挑戦で不安になる。だが、高い演技力で評価を得る乃木坂46の鈴木絢音というたぐいまれな才能を主演に迎えることができた。その他、スタッフ、キャストも優秀な演劇人、舞台経験者が参加することになった。これなら大丈夫と自信が持てた。今、時代を怯えさせるのは「幽霊」、「妖怪」をも呑み込む「都市伝説」の恐怖だと思う。小説『六番目の小夜子』が時を経ても高い人気を誇るのは、とある学校で3年に1度甦る「サヨコ伝説」という都市伝説を描いた先見性にあったに違いない。そして、コロナ禍でコミュニケーションが希薄になった現在だからこそ、人々の関係性から生まれる「都市伝説」をテーマに、この優れたジュブナイル小説を舞台化する意義は大きいはずだ。どうぞ「六番目の小夜子+Jホラー+舞台劇」の新しい恐怖を劇場で体感してください。<公演概要>舞台「六番目の小夜子」原作:恩田陸『六番目の小夜子』(新潮文庫刊)企画協力:新潮社 総監督:鶴田法男脚本:小林雄次演出:井上テテキャスト:鈴木絢音(乃木坂46)/尾碕真花高橋健介/熊谷魁人山内瑞葵(AKB48)/飛葉大樹仲美海(劇団4ドル50セント)大原由暉志田こはく/花崎那奈(ボクラ団義)緑谷紅遥(ボクラ団義)/山本涼介/森下能幸公演日程:2022年1月7日(金)〜16日(日)会場:新国立劇場 小劇場〒151-0071 東京都渋谷区本町1丁目1番1号チケット:【特典付き】 全席指定 10,800円(税込)【特典なし】 全席指定 8,800円(税込)チケット一般発売日:2021年12月4日(土)AM10:00〜■チケットぴあ0570-02-9999(Pコード:508-830) ■テレ朝チケット ■ローソンチケット0570-084-005(Lコード:33772) ■イ-プラス チケットに関するお問い合わせ:チケットぴあインフォメーション0570-02-9111(オペレータ:10:00~18:00)公演に関するお問い合わせ:東映ビデオカスタマーセンター0120-1081-46(平日10:00~13:00、14:00~17:00)公式サイト: 公式Twitter:@6_sayoko_stage主催:舞台「六番目の小夜子」製作委員会©︎1998 恩田陸/新潮社©︎舞台「六番目の小夜子」製作委員会 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2021年10月01日宗家 源 吉兆庵は、ピオーネを丸ごと包んだ和スイーツ「陸乃宝珠ピオーネ」を2021年7月21日(水)から7月下旬まで全国の宗家 源 吉兆庵50店舗限定で発売する。「陸乃宝珠」は、宗家 源 吉兆庵人気の季節限定菓子。これまで岡山県産のマスカット・オブ・アレキサンドリアをまるごと1粒使用した「陸乃宝珠」などを限定発売してきたが、今回は巨峰よりもフルーティーで、爽やかな酸味が楽しめる岡山県産ピオーネを使った新作「陸乃宝珠ピオーネ」を展開する。上品な甘みとフルーティーな酸味をもつピオーネを砂糖をまぶしたお餅でくるんと包み込んだ。やわらかなお餅と果汁あふれるジューシーなピオーネの相性は抜群。季節限定発売なので気になる人は早めにチェックするのがおすすめだ。【詳細】宗家 源 吉兆庵「陸乃宝珠ピオーネ」1個 303円、4個入 1,296円、6個入 1,944円、8個入 2,592円、12個入 3,888円、15個入 4,860円、20個入 6,480円、30個入 10,152円発売期間:2021年7月21日(水)~7月下旬※予定取り扱い店舗:全国の宗家 源 吉兆庵50店舗限定
2021年07月22日芳根京子を主演に迎え、21世紀を代表するSF作家ケン・リュウの傑作短篇小説を映画化した『Arc アーク』。ストップエイジングによる不老化処置で、人類で初めて永遠の命を手に入れた女性の人生を描く本作から予告映像が解禁されると、「日本映画じゃないみたいな美しいビジュアル!」「世界観に引き込まれる!」「ケン・リュウの原作を映像化するなんて、いったいどうなるの!?」といった注目のコメントが相次いでいる。メガホンをとるのは、国内外から注目を集める監督・石川慶。長編デビュー作の『愚行録』が第73回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ・コンペティション部門で正式上映され、続く『蜜蜂と遠雷』では、第74回毎日映画コンクールで日本映画大賞と監督賞をW受賞し、瞬く間に実力を世に知らしめた。石川監督は東北大学で物理学を専攻したのち、ポーランドへ渡り、ハリウッドの一線で活躍するスタッフを多く輩出し、映画製作を学ぶ上では世界最高峰といわれるポーランド国立映画大学で演出を学んだ。世界を目指す映画作家の卵たちと切磋琢磨して磨き上げてきた技術を身に着け、帰国後はドキュメンタリーやCM、短編作品を手掛け、国内外の映画祭で活躍。そんな石川監督の“念願が叶った”待望の新作の劇場公開を前に、過去2作をふり返ってみた。■長編デビュー作で国際的に認められた実力『愚行録』(17)長編デビュー作は、貫井徳郎の直木賞候補小説を映画化した群像ミステリー『愚行録』。誰もが羨む幸せな家族を襲った一家惨殺事件から1年、週刊誌記者の田中(妻夫木聡)は、事件の真相を探るべく動き出す。関係者たちの証言から浮かび上がってくるのは、想像とはかけ離れた実像だった――。物語が進むにつれて暴かれていく登場人物たちの秘められた“羨望、嫉妬、見栄”による“愚行”の数々。その現実味を帯びた描写によって、観客は目をそらしていたい自分の“嫌な部分”を炙り出されるような感覚に陥れられるのだ。初めての長編作で、妻夫木聡や満島ひかりといった日本を代表する実力派俳優陣を起用、観客の心をえぐる秀逸な“イヤミス演出”をやってのけ、鮮烈な長編デビューとなった。そして、第73回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ・コンペティション部門で正式上映され、長編デビュー作にして国際的に一目置かれる存在となった。豆知識情報本作で撮影監督として石川組に参加したのが、最新作『Arc アーク』までの2作でもタッグを組むことになるポーランド人の撮影監督ピオトル・ニエミイスキ。ポーランド国立映画大学で同時期に在籍していた彼は、学生の中でも早くから長編作品の現場に入っていたスターカメラマンだったという。石川監督曰く、原作が持つ“爬虫類の肌を触るような独特な質感”を映像で表現するには新しい視点が必要だと考え、石川監督は彼にオファー。同じ学び舎で培ったコンビネーションが功を奏し、日本映画離れした独特の映像美が実現した。■映像化不可能といわれた大人気小説を映像化!『蜜蜂と遠雷』(19)2作目は、史上初「直木賞」と「本屋大賞」のW受賞を果たした恩田陸の大人気ベストセラー小説の映画化。恩田氏が自ら「小説でしか出来ない表現を詰め込んだので映像化は不可能」と語った上下巻からなる作品を、石川監督は見事に1本の映画にまとめ上げ、原作者を唸らせた。復活をかけるかつての天才・亜夜(松岡茉優)、サラリーマンとして家族を養いながら最後の挑戦に挑む・明石(松坂桃李)、容姿端麗で将来を有望視されるマサル(森崎ウィン)、突如として現れた新たな天才・風間塵(鈴鹿央士)ら、4人の若きピアニストたちが国際ピアノコンクールでお互いに刺激し合いながら成長し、また、夢と現実で葛藤する姿を描く物語。石川監督は、原作の“文字から音が聴こえてくる”といわれるほどの緻密な音楽描写をスクリーンで再現するために、音へ並々ならぬこだわりを発揮した。例えば、肝となる音楽のレコーディングを通常の映画製作の手順を無視して、1番最初に行った(通常は脚本→撮影→音楽の発注という流れが一般的)。収録した音楽を軸に脚本を執筆。役者たちは、その音楽を役作りに活かしたという。ほかにも、クラシック専門の録音スタッフにも参加してもらい、映画と音楽のハイブリッドチームを結成。日本映画では珍しいドルビーサラウンド7.1chを採用し、音質と音の奥行きへも手を抜かなかった。その徹底した音へのこだわりは、まるでコンクール会場にいるかのような臨場感を生み出し、コンペに一生の想いを懸けるピアニストたちのとてつもない緊張感を完璧なまでに表現した。そんな石川監督が今回映像化に選んだのは、世界的人気作家ケン・リュウの短篇小説「円弧(アーク)」(ハヤカワ文庫刊)。中国系アメリカ人ならではの東洋の香りがするノスタルジックなSFの質感を、そのまま見事にスクリーンに反映していると話題の1作だ。これまで映像化不可能といわれた小説を映像化してきた石川監督のフィルターを通すことで、たった50ページほどの短い物語がどのように表現されるのか、期待が高まる。『Arc アーク』は6月25日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:愚行録 2017年2月18日より全国にて公開© 2016「愚行録」製作委員会蜜蜂と遠雷 2019年10月4日より全国にて公開(C)2019 映画「蜜蜂と遠雷」製作委員会Arc アーク 2021年6月25日より全国にて公開©2021映画『Arc』製作委員会
2021年06月16日宗家 源 吉兆庵は、マスカット・オブ・アレキサンドリアをまるごとひとつ使用した和菓子「陸乃宝珠(りくのほうじゅ)」を2021年5月1日(土)より、銀座本店をはじめとする一部店舗にて先行発売、その後全国の店舗ほかにて順次販売する。「陸乃宝珠」は、4月末ごろに成熟を迎える、マスカットの旬に合わせて登場する季節限定の菓子。岡山県産のマスカット・オブ・アレキサンドリアをまるごと1粒使用した贅沢なスイーツで、生のマスカットならではのみずみずしい果汁や爽やかな風味が楽しめる。しゃりっとする砂糖をまとった餅に包まれた、マスカット・オブ・アレキサンドリアは、口に入れると豊潤な果汁が弾け、口いっぱいにフルーティーな味わいが広がる。販売は9月下旬までの限定発売。立派に実ったマスカットの房の中から、大きさや糖度など、陸乃宝珠に適した実を厳選したこだわりの和スイーツだ。【詳細】宗家 源 吉兆庵「陸乃宝珠」1個 303円、6個入 1,944円、8個入 2,592円、12個入 3,888円、15個入 4,860円、20個入 6,480円、30個入 10,152円※価格はすべて税込み。発売期間:2021年5月1日(土)~9月下旬※公式オンラインショップ及び宗家 源 吉兆庵の限定店舗にて購入予約受付。取扱店舗:全国の宗家 源 吉兆庵※銀座本店をはじめとする一部店舗にて先行発売。
2021年05月03日アイドルグループ・NEWSの加藤シゲアキが9日、都内で行われた「令和2年度・3年度 吉川英治賞贈呈式」に出席。選考委員の恩田陸氏から「すごい力のある人だと思いました」と称賛された。加藤は、著書『オルタネート』(新潮社)で「第42回吉川英治文学新人賞」を受賞。同作は、高校生限定のマッチングアプリ「オルタネート」が必須となった現代が舞台で、SNSの存在に翻弄されていく若者たちの姿を、繊細かつエモーショナルな筆致で表現した。恩田氏は『オルタネート』について、「マッチングアプリを使う人、使わない人、使えない人についての群像劇ですが、そこのところがすごく端正に描かれている。登場人物は恵まれていて才能があって、いい環境の子供たちなんですけど、恵まれているからって満たされているわけではないし、幸福だとは限らない。みんなまだ何者でもないけれど、何者かになりたいと思って一生懸命考えている。そのヒリヒリした感じがとても端正に描かれていて、すごい力のある人だと思いました」と称賛した。加藤とともに武田綾乃氏も『愛されなくても別に』(講談社)で同賞を受賞したが、恩田氏は「加藤さんも武田さんもご自分の表現を持っていらして、自分のやりたいことはこれなんだ、こういう覚悟でやっていくんだと強く感じました」と作品から感じた印象を述べ、「去年の先輩2人を見習って、これからもガシガシいい作品を書いていただきたいと思います」とメッセージを送った。
2021年04月09日中山優馬主演・シンフォニー音楽劇<「蜜蜂と遠雷」~ひかりを聴け~>が、2021年3月27日(土)から4月11日(日)まで横浜・KAAT神奈川芸術劇場<ホール>で、4月17日(土)から4月18日(日)まで大阪・新歌舞伎座で、5月1日(土)から5月3日(月・祝)まで福岡・博多座で開催される。恩田陸原作『蜜蜂と遠雷』がシンフォニー音楽劇に直木賞(第156回)・本屋大賞(2017年)に輝いた、恩田陸原作の人気小説『蜜蜂と遠雷』。世界的コンクールを舞台に、若きピアニストたちや彼らを取り巻く人々の心情を描いた物語で、超絶技巧を要するクラシックのピアノ曲演奏と共に、コンクールファイナルに向けてドラマが展開される。音楽をテーマとした小説としては珍しく、累計発行部数100万部を超えた作品であり、2019年10月には映画化もされた。そんな『蜜蜂と遠雷』の世界観を、歌・芝居・ピアノ・オーケストラで表現したシンフォニー音楽劇<「蜜蜂と遠雷」~ひかりを聴け~>が上演される。無頼派ピアニスト・風間塵に中山優馬物語の鍵となる登場人物で無頼派ピアニスト・風間塵(じん)を演じるのは、舞台やミュージカル、テレビドラマなどで活躍する中山優馬。本作では、これまでも舞台などでピアノ演奏を披露してきた中山優馬が、名曲『サティ:ジュ・トゥ・ヴ(あなたが欲しい)』をピアノで生演奏する。また、風間塵と同じくコンクールに出場し、圧巻のテクニックで観客を魅了するマサル・カルロス・レヴィ・アナトールや、幼いころから天才肌で将来を嘱望される女性ピアニスト・栄伝亜矢、最年長ピアニスト・高島明石にも実力派俳優が揃う予定だ。作詞・恩田陸&作曲・千住明の楽曲も作品のテーマ曲「ひかりを聴け」は、原作者・恩田陸が作詞を、音楽監督・千住明が作曲を担当。また、物語に登場するクラシックの名曲にのせる歌詞は、すべて恩田陸が作詞した。オーケストラやピアノによる壮大な音楽とともに、歌や芝居がドラマチックに展開されるシンフォニー音楽劇を堪能してみてはいかがだろう。【詳細】シンフォニー音楽劇<「蜜蜂と遠雷」~ひかりを聴け~><横浜公演>会場:KAAT神奈川芸術劇場<ホール>住所:神奈川県横浜市中区山下町281開催期間:2021年3月27日(土)~4月11日(日)<大阪公演>会場:新歌舞伎座住所:大阪府大阪市天王寺区上本町6-5-13開催期間:4月17日(土)~4月18日(日)<福岡公演>会場:博多座住所:福岡県福岡市博多区下川端町2-1開催期間:5月1日(土)~5月3日(月・祝)※各地の開演時間、チケット料金、チケット発売開始日などは、後日発表となる配役/出演:風間塵 中山優馬※ほか出演者は後日発表原作・作詞:恩田陸(『蜜蜂と遠雷』幻冬舎文庫)音楽監督:千住明脚本・演出:モトイキシゲキ演出:藤澤浩一
2021年01月18日俳優の中山優馬が、シンフォニー音楽劇『蜜蜂と遠雷 ~ひかりを聴け~』で主人公の風間塵を演じる。神奈川・KAAT 神奈川芸術劇場(3月27日~4月11日)、大阪・新歌舞伎座(4月17日・18日)、福岡・博多座(5月1日~3日)で上映され、チケットの詳細は後日発表される。2017年の年間ベストセラーとなった、恩田陸氏原作の『蜜蜂と遠雷』。直木賞・本屋大賞に輝き累計100万部を超えた大ヒット小説で2019年10月には映画化もされた。映画に先駆け、2018年1月以来リーディングとオーケストラを融合して上演していた本公演だが、今回はさらにバージョンアップ。歌と芝居とピアノ演奏をコラボレーションさせた新たな音楽劇として、『蜜蜂と遠雷』という音楽小説のリアルな世界観を舞台上で作り上げる。物語では、世界的コンクールに出場する若きピアニストたちや彼らを取り巻く人々の心情が描かれ、超絶技巧を要する数々のピアノ曲演奏と共にコンクールファイナルに向けてドラマが展開されていく。主人公・風間のほか、ピアノの貴公子マサル・カルロス・レヴィ・アナトール、将来を嘱望される女性ピアニスト栄伝亜矢、最年長ピアニスト高島明石についても実力派俳優が集結する予定。注目は、これまでも舞台などでピアノ演奏を披露してきた中山による、サティの名曲『ジュ・トゥ・ヴ(あなたが欲しい)』の生演奏。舞台上でオーケストラと共演するのは初となる。中山は「僕の中でのピアニストの印象は、孤高で神秘的です。それは音楽という目には見えない、正解のない答えを探して日々悩み情熱を注いで一瞬とも言える演奏のその時に全力をぶつける姿がとても美しいからです」とピアニストへの思いを語り、「この作品にはその情熱と神秘さがあふれている」と作品の魅力を述べる。続けて「歌と芝居とピアノ演奏。それとオーケストラが今回は融合する音楽劇という事で、初めての経験です。舞台も一期一会だと思っています。上演時間のその一緒とも言える時間に自分の全てをぶつけたい」と意気込み、「人とコミュニケーションをとる事が難しい今、音楽という不滅の力で繋がりましょう。同じ空間で共有できることを楽しみにしております。全力を尽くします」と宣言した。
2021年01月15日宮崎駿監督作『となりのトトロ』が、「映画のまち調布 シネマフェスティバル2021」で上映されることが決定。“日本映画人気投票”の結果も明らかになった。東京都調布市で来年2月5日(金)~28日(日)に行われる、映画の作り手にスポットを当てた映画祭「映画のまち調布 シネマフェスティバル2021」。今回、2018年2月の「さよなら日劇ラストショウ」以来の劇場興行となる『となりのトトロ』は、スタジオジブリが製作当時の35ミリフィルム初号試写に限りなく近づけて作成したDCOでの上映となる。さらに、上映劇場となるシアタス調布の最大スクリーン526席のシアター10、幅約20メートル大型スクリーンで迫力満点の映像と音響で楽しむ、至高の上映環境だ。チケットは、2021年1月16日(土)より販売される(e席リザーブ0時~/劇場窓口8時~)。そして、フェスティバル開催に先立ち募集した「日本映画人気投票」により、上位作品の中から選りすぐりの7作品を、調布市文化会館たづくり くすのきホールにて上映。ラインアップは、片渕須直監督の『この世界の片隅に』に新たに新規シーンが付け足され、「さらにいくつもの人生」が描かれたアニメーション映画『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』をはじめ、直木賞と本屋大賞のW受賞を果たした恩田陸の小説の映画化『蜜蜂と遠雷』、中村倫也が1人7役に挑戦する『水曜日が消えた』、佐藤浩市主演で東日本大震災時の福島第一原発事故を描く、今回投票1位を獲得した『Fukushima 50』など。監督や映画賞を受賞した技術スタッフなどの上映前後のトークショーも予定されており、ゲストは1月中旬に発表となる。なお、チケットは2021年1月21日(木)に発売される。▼投票結果(投票総数:6,302票)1位『Fukushima 50』2位『記憶にございません!』3位『楽園』4位『マチネの終わりに』、5位『コンフィデンスマンJP プリンセス編』、6位『蜜蜂と遠雷』、7位『カツベン!』、8位『水曜日が消えた』、9位『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』、10位『映画ドラえもん のび太の新恐竜』、11位『今日から俺は!!劇場版』、12位『惡の華』、13位『男はつらいよお帰り寅さん』、14位『ひとよ』、15位『MOTHER マザー』、16位『宮本から君へ』、17位『糸』、18位『最高の人生の見つけ方』、19位『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』、20位『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』、20位『人間失格 太宰治と3人の女たち』『となりのトトロ』は2021年2月20日(土)~28日(日)イオンシネマ シアタス調布スクリーン10ほかにて上映。「映画のまち調布 シネマフェスティバル2021」は2021年2月5日(金)~28日(日)調布市文化会館たづくり、調布市グリーンホール、イオンシネマ シアタス調布にて開催。(cinemacafe.net)■関連作品:この世界の(さらにいくつもの)片隅に 2019年12月20日より全国にて公開© 2018こうの史代・双葉社 /「この世界の片隅に」製作委員会記憶にございません! 2019年9月13日より全国東宝系にて公開©2019フジテレビ東宝となりのトトロ 1988年4月16日より公開カツベン! 2019年12月13日より全国にて公開©2019「カツベン!」製作委員会蜜蜂と遠雷 2019年10月4日より全国にて公開(C)2019 映画「蜜蜂と遠雷」製作委員会惡の華 2019年9月27日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開©押見修造/講談社©2019映画『惡の華』製作委員会Fukushima 50 2020年3月6日より全国にて公開© 2020『Fukushima 50』製作委員会水曜日が消えた 2020年6月19日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開©2020『水曜日が消えた』製作委員会
2020年12月01日恩田陸の代表作を原作に、2016年に初演された音楽劇『夜のピクニック』が本日10月1日(木)に開幕する。物語の軸となるのは、高校生活最後に行われる「歩行祭」なる学校行事だ。高校3年生全員が、24時間たっぷりかけて、各自のペースで70kmを歩ききるという伝統の催し。恩田自身が青春を過ごした茨城県立水戸第一高校で、実在の行事である。誰とどこをどのように歩き、どんな思い出を獲得して帰るか。大人にとってはささやかでも、彼らにとっては切実なあれこれが、細やかに描かれて読者を魅了した。音楽劇『夜のピクニック』舞台稽古より(撮影:刑部アツシ)水戸で芽生えたこの物語の、舞台化に取り組んだのが水戸芸術館ACM劇場だ。初演当時、同劇場の演劇部門芸術監督を務めた高橋知伽江が脚本を手掛け、映画にとどまらず舞台作品も多く手掛ける深作健太が演出を担当。ミュージシャンとしても華やかな活躍を見せる扇谷研人の音楽で、みずみずしくも力強い音楽劇に仕上がった。音楽劇『夜のピクニック』舞台稽古より(撮影:刑部アツシ)とある目論見を胸に秘めながら、「歩く会」に参加しようとしている甲田貴子。その視界の端には常に、クラスメイトの西脇融がいた。ふたりの仲を勘ぐる級友たちだったが、貴子が抱えていたのはもっと切実なこと。一方、1年前の「歩く会」に現れた幽霊の噂でにわかに盛り上がる歩行行列。やがて、1年前にアメリカへ発った、貴子の親友・杏奈が仕掛けた「おまじない」が動き出す——。音楽劇『夜のピクニック』舞台稽古より(撮影:刑部アツシ)キャスティングも実に個性豊かだ。10年前の「歩く会」を振り返る杏奈を吉川友が、貴子の母親である聡子を剣幸が演じるほか、加藤良輔、安達勇人、北川理恵ら、ミュージカルの舞台で百戦錬磨の若手俳優陣が数多く登板。ピアノとパーカッションの演奏にのせて、若者たちの繊細な心情が絡み合い、高まって夜空に溶ける。公演は10月4日(日)まで、水戸芸術劇場ACM劇場にて。音楽劇『夜のピクニック』原作:恩田陸脚本:高橋知伽江演出:深作健太作曲・音楽監督:扇谷研人10月4日(日)まで会場:水戸芸術館ACM劇場文・小川志津子写真提供:水戸芸術館
2020年10月01日創作和菓子の宗家 源 吉兆庵は、岡山県産のぶどう「オーロラブラック」をまるごとひとつ使用した和菓子「陸乃宝珠(りくのほうじゅ)」を2020年9月下旬まで、全国の店舗で発売する。宗家 源 吉兆庵の「陸乃宝珠」は、果実の姿・形・味わいをそのまま活かしたフルーツ和菓子。特に、毎年5月から9月にかけて発売する岡山県産マスカット オブ アレキサンドリアをまるごと一つ包んだ「陸乃宝珠」は、宗家 源 吉兆庵の中でも人気の高い和スイーツだ。そんな「陸乃宝珠」から期間限定で、岡山県産のぶどう「オーロラブラック」を使用したフレーバーが登場。オーロラブラックは、特有の甘みと豊かな香りを持つ大粒の黒ぶどうの1つで、肉厚な果肉からはじける豊潤な果汁は、一度味わうとやみつきに。口に入れると、砂糖でしゃりっと仕上げた求肥の中から、オーロラブラックの果汁があふれだし、ジューシーな味わいを楽しむことができる。マスカット オブ アレキサンドリアとはひと味違ったフレーバーをぜひ体感してみて。【詳細】陸乃宝珠 1個 303円(税込)~発売時期:2020年8月末~9月下旬販売店舗:全国の宗家 源 吉兆庵 店舗やオンラインショップにて順次販売
2020年09月07日俳優の森崎ウィンが6日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪で開催された第43回日本アカデミー賞の授賞式に出席し、新人俳優賞受賞の心境を語った。『蜜蜂と遠雷』で受賞した森崎は、「今日この日この場にこうやって立てていることをとても光栄に思い、そしてとても嬉しく思います。映画『蜜蜂と遠雷』に出会えて、そしてその作品を産んでくださった恩田陸先生、石川監督を初め、最高のスタッフのみなさん、そして最高のキャストのみなさんとご一緒できたことを本当に光栄に思います」とコメント。また、「僕は10歳の時にミャンマーから日本に来たのですが、今でもミャンマーに住んでいるおばあちゃんに今日とても大きなおばあちゃん孝行ができたかなと思っています」と祖母への思いを伝え、「これからも今までお世話になった方々、そしてこれから出会うであろう方々にたくさん恩返しできるように日々精進してまいります。本日はありがとうございました」と結んだ。(C)日本アカデミー賞協会
2020年03月06日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回は女優の小西桜子さんです。「ダンスや歌など表現に繋がる仕事もやっていきたい!」と話す小西さんの魅力に迫りました。初々しさと堂々とした演技力の両面の魅力を持つ注目新人!デビュー1年で、映画『初恋』のヒロインに大抜擢。「子供の頃は引っ込み思案だったけど、最近は取材が増えて必死に話しています。友達には『ふわふわしてる』って言われます(笑)」。カンヌ国際映画祭でフランスを訪れた。「海外の人はフレンドリーで、緊張している私に『良かったよ』と声をかけてくれて嬉しかった。いい経験ができました!」。休日の過ごし方を尋ねると「家にいるか一人で映画やランチに行きます。海外の映画ももちろんだけど、日本の映画が大好き!特にヒューマンドラマ!」占い本でラッキー行動や運勢をチェック。占いへ行って将来のことを聞いたり、年間の占い本で今日の運勢を見ます。インドア派だから本や漫画が好きです。月1冊ペースで読書。最近は恩田陸さんの『歩道橋シネマ』が面白かった。小学生の頃から好きな餃子に再びハマり中。よくチルドの野菜餃子を自宅で焼いて食べます。もちもちの皮が好き!こにし・さくらこ1998年生まれ。2019年に女優デビュー。約3000人の応募からヒロインに選ばれた映画『初恋』が2月28日に、出演映画『猿楽町で会いましょう』が6月5日公開。※『anan』2020年3月4日号より。写真・土佐麻理子スタイリスト・倉田 強ヘア&メイク・松田 陵(Y’s C)文・三谷真美(by anan編集部)
2020年02月28日国際ピアノコンクールに挑む4人の若きピアニストたちの姿を描いた恩田陸原作の映画『蜜蜂と遠雷』のヒットによって、ピアノ・コンクールへの注目度が大幅にアップしている。それは、映画に登場する主人公たちの演奏を担ったピアニストたちのコンサートにも影響があるらしい。今までコンサートに来たことがないような人たちまでがクラシックに興味を持ったのだとしたら、それは実に喜ばしいことだ。そしてその効果は、原作の舞台となった「浜松国際ピアノコンクール(浜コン)」自体にもありそうだ。同コンクールは、後に「ショパン国際ピアノコンクール」優勝者となるラファウ・ブレハッチ&チョ・ソンジン、そして「チャイコフスキー国際コンクール」を制した上原彩子などなど、過去に錚々たる優勝者や入賞者を排出してきたことにより、レベルの高さは折り紙付き。映画公開の1年前に開催された第10回「浜コン」の優勝者ジャン・チャクムルは、今まさに「優勝者ツアー」の真っ只中だ。2019年4月16日にスタートしたこのツアーは、日本国内22公演とドイツ&フランスの2公演を加えた24公演の長丁場。これは若きピアニストにとって、世に出るためのご褒美であるとともに、大きな負担のかかる課題でもあるに違いない。いよいよ終盤に差し掛かった優勝者ツアーは要チェック。「浜コン」を制した俊英の実力や如何に⁉ジャン・チャクムル photo:公益財団法人墨田区文化振興財団 2019/8/5すみだトリフォニーホール大ホール (c)三浦興一●公演概要1月31日(金)横浜みなとみらいホール大ホール「ジャン・チャクムルピアノリサイタル」●ジャン・チャクムル(ピアノ)トルコ人ピアニスト、ジャン・チャクムルは、2017年スコットランド国際ピアノコンクール、続く2018年第10回浜松国際ピアノコンクールで第1位となった。(公財)アルゲリッチ芸術振興財団賞受賞。1997年アンカラ生まれ。レイラ・ベケンシル、アイシェ・カプタンのもとで音楽を学び始め、菅野潤やエムレ・ シェンに多大な影響を受ける。2012年、アンカラの高校を卒業後、パリ・スコラ・カントルムにてマルセラ・クルデリに師事し、2014年首席で卒業。以来、アリエ・ヴァルディ、レスリー・ハワード、ロバート・レヴィン等多くの著名な音楽家との演奏機会に恵まれる。これまでに母国トルコの主なコンサートホールを始め、アッシャーホール(エディンバラ)、サルコルトー(パリ)、ムジークヘボウ(アイントホーフェン)等で演奏したほか、著名な国際音楽祭にも多数出演している。現在ヴァイマル音楽大学にてグルツマン教授の指導のもと研鑽を積んでいる。
2020年01月27日恩田陸さん撮影/山田智絵2017年、直木賞と本屋大賞を史上初めてダブル受賞したのが恩田陸さんの『蜜蜂と遠雷』だった。舞台は3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。養蜂家の父親とともに世界を転々とするピアノを持たない16歳の風間塵(かざま・じん)、かつて天才少女として名を馳せたものの長らくピアノを弾けなかった20歳の栄伝亜夜(えいでん・あや)、ジュリアード音楽院に在籍しエリートコースを突き進む19歳のマサル・C・レヴィ・アナトールなど、多くの天才たちの才能と運命を音楽とともに描いた青春群像小説だ。■ファンにはたまらないスピンオフ短編集最新刊の『祝祭と予感』は、『蜜蜂と遠雷』の登場人物たちの過去や未来がわかるスピンオフ短編小説となっている。「『蜜蜂と遠雷』では、ピアノの演奏シーンを描くのにすごく苦労したんです。それだけにやり尽くした感がありました。だから、スピンオフ小説では登場人物たちの背景を描いていこうと思ったんです」『祝祭と予感』には6つの物語が収録されている。例えば、「祝祭と掃苔(そうたい)」はコンクール後の塵と亜夜、マサルが、亜夜とマサルのピアノの恩師の墓参りをするストーリーだ。「『蜜蜂と遠雷』では、プライベートで3人が一緒に過ごしている場面があまりなかったもので、描いてみました。音楽の世界では師弟関係が強く、特にピアニストは師匠の系統をたどれるくらいしっかりとした流れがあるんですね。だからこそ、亜夜とマサルはお墓参りに行きました。塵はなにも考えていないタイプですから、ただついて行っただけだと思います(笑)」この作品では、『蜜蜂と遠雷』では触れられていなかった、風間塵の家族関係が明かされている。「『蜜蜂と遠雷』の登場人物に関しては、初めに細かいことはあまり決めておらず、書いていくうちにそれぞれの性格がわかっていくような感覚でした。塵はもともと、父親が科学者で母親も理系の人間で、姉がバレエ学校に行っているという設定を考えていたんです。今回、母親を登場させるにあたり、彼女は一体どんな人物なのだろうと突きつめて考えました」ちなみに、“塵”という名前には次のような意味が込められているという。「両親ともに理系ということもあり、息子には万物を形成する“塵”という名前をつけました。また、物語のなかには出てこないのですが、姉は完全な図形を表す“輪(りん)”という名前なんです」■執筆時は臨機応変に本書では、『蜜蜂と遠雷』に登場した芳ヶ江国際ピアノコンクールの課題曲「春と修羅」の背景にある物語やマサルと現在の師匠ナサニエル・シルヴァーバーグとの出会い、亜夜のよき理解者である音楽家の奏(かなで)が自身の楽器を選ぶまでの過程などを知ることができる。一方、本書で初めて出会えるのが、塵の師匠であるユウジ・フォン=ホフマン。『蜜蜂と遠雷』では他界した伝説のマエストロとして、その存在感だけを匂わせていたが、本書の「伝説と予感」では在りし日の姿が描かれている。「この作品は『蜜蜂と遠雷その音楽と世界』というCDのリーフレットの付録として書いたものです。ホフマンは伝説の存在なので、私自身は伝説のままにしておくつもりでした。ただ、リーフレットのご依頼をいただいたときに、誰のことを書くのがいいのだろうかと悩んでしまいまして。必要に迫られる形で、塵とホフマンの出会いの場面を描くことになりました(笑)」また、「獅子と芍薬」では、コンクールの審査員であり元夫婦でもある嵯峨三枝子とナサニエルとの、若かりしころのエピソードが綴られている。作中には、ともに入賞したコンクール後のパーティーで、壁の花となっていたナサニエルに三枝子が声をかけ、ふたりで音楽監督に売り込みをする場面がある。実は恩田さんにも、似たような経験があるという。■フリーへの恐怖から我が身を滅ぼすことに「私はデビューしてから7年ほど会社員との兼業期間があったんです。33歳で専業作家になったのですが、勤め人生活が長かったものでフリーになるのがものすごく怖かったんですね。だから、独立したときにパーティーを開いてお付き合いのある編集者さんたちを招き、タイトルとあらすじを書いたレジュメを作って営業したりしていたんです」その当時、恩田さんは依頼された仕事をすべて受けていたそうだ。「そうした生活を数年間、続けたところパンクしてしまい、身体の全部の毛が抜ける全身脱毛症になってしまったんです。検査を受けても特に異常は見つからなかったので、原因はおそらく精神的なものだったのだと思います」それでも恩田さんは、心身を削る思いで小説を書き続けている。「ほかの方の作品を読んで打ちのめされたり、映画やコンサートを見て感動すると、“私もがんばろう”、“この感動をなんとかして言語化したい”という衝動が起こるんです」そう話す恩田さんは、週女読者に提案したいことがあるという。「『祝祭と予感』を読んだ方にはぜひ『蜜蜂と遠雷』の映画を見てもらいたいですし、できればお好きなジャンルのコンサートにも足を運んでいただきたいですね。創作に限らず、何かに触れることって大事なことだと思うんです」ライターは見た!著者の素顔日々、執筆に励んでいるという恩田さん。健康維持と気分転換を兼ねて2年前から朗読を始めたのだそう。「自宅でひとりで、シェークスピアや清水邦夫、トム・ストッパードなどの戯曲を声に出して読んでいます。時間はせいぜい15分ほどなのですが、声を出すと気分がスッキリするんです。室伏広治さんの本をヒントにしゃがんで腹式呼吸で行っているので、筋トレ効果もあるような気がします」。ちなみに、今、朗読しているのは唐十郎の戯曲なのだとか。(取材・文/熊谷あづさ)●PROFILE●おんだ・りく1964年、宮城県生まれ。1992年『六番目の小夜子』でデビュー。2005年『夜のピクニック』で吉川英治文学新人賞、本屋大賞、2006年『ユージニア』で日本推理作家協会賞、2017年『蜜蜂と遠雷』で直木三十五賞、本屋大賞など受賞多数。
2019年12月23日’19年、ひとりで映画『蜂蜜と遠雷』を鑑賞する池松壮亮「マスクで顔を隠していましたが、オシャレな髪型と目元を見たらすぐに池松さんだとわかりました!レザージャケットを羽織り、パンツと革靴もすべて“黒コーデ”でキメていましたね。売店では、ジュースとポップコーンを買って、完全にプライベートモードでした」(目撃した女性)10月中旬の午後、ひとりで東京・六本木の映画館にひっそりと現れたのは、俳優の池松壮亮。「彼は10歳のときに、地元の福岡で子役として活動していた姉と一緒に、劇団四季のミュージカル『ライオン・キング』のオーディションに合格したことで俳優デビュー。‘03年には、トム・クルーズが主演した映画『ラストサムライ』に出演して存在感を発揮し、その後は数々の映画やテレビドラマにでも“演技派俳優”として重宝されています」(映画誌ライター)若手ながらも、ストイックとして知られる池松は、9月末に公開された主演映画『宮本から君へ』の撮影でも、こんな破天荒なエピソードが。「池松さんが演じる主人公の熱血営業マンが、決闘シーンで前歯を3本折ってしまうのですが、彼は本当に歯を抜こうとしたそうなんです。しかし、原作者の新井英樹さんが“気持ちだけで十分だから!”と止めたことで事なきを得たんですよ(笑)」(映画製作関係者)■“彼女”の演技をお忍びでそんな彼が、わざわざ劇場まで足を運んで鑑賞した映画は『蜜蜂と遠雷』だった。「国際ピアノコンクールに挑む4人の若きピアニストの葛藤や成長を描いた恩田陸氏の小説が原作です。主演の松岡茉優を筆頭に、松坂桃李や森崎ウィンなどの若手俳優が脇を固めています。10月2日には、秋篠宮家の紀子さまも試写会に足を運ばれ“会場にいるような臨場感でした”と絶賛されたほどなんですよ」(スポーツ紙記者)プライベートを報じられたことが少ない池松だが、わざわざ劇場で映画を見たのはなぜ?「ひとつは、‘17年公開で話題となった映画『愚行録』で、メガホンをとった新進気鋭の石川慶さんが監督と脚本を担当した今回の作品を見たかったことが理由だと思います。もうひとつは『カンヌ国際映画祭』でパルム・ドールを受賞した昨年公開の映画『万引き家族』で、松岡さんの彼氏役として出演していたからだと思います。若手女優として頭角を現している松岡さんの演技をチェックしに来たのでは」(芸能プロ関係者)“彼女”の演技もお忍びで鑑賞するなんて……私生活でもストイック!
2019年11月06日10月5日~6日の国内映画ランキング(全国週末興行成績・興行通信社提供)が発表され、松岡茉優(24)主演の映画「蜜蜂と遠雷」は初登場4位にランクインした。直木賞と本屋大賞をダブル受賞した恩田陸氏の同名小説を実写映画化。国際ピアノコンクールを舞台に、かつて天才少女と呼ばれた栄伝亜夜(松岡)をはじめ、若き4人のピアニストたちの挑戦・成長・運命を描く。4日より全国324スクリーンで公開され、土日2日間で動員9万6000人。興収1億2700万円の成績の成績を記録したが、関係者はその結果に胸をなで下ろしているという。「映画の公開直前当たりから、松岡さんに対する世間の“風当たり”が強くなっていました。そのため『映画の客入りに影響するのでは』と思われていましたが、集客できる作品の多いなかで4位に入ったのは上々の出だしといえるでしょう」(映画関係者)松岡に対する“風当たり”が強くなったのは、先月25日に都内で行われた出演映画「ひとよ」(11月8日公開)完成披露試写会での舞台あいさつだった。松岡は共演者を圧倒するほどしゃべり倒し、ある共演者からは「(司会の)仕事を取るんじゃない!」「しゃしゃるな!」と注意されたほどだったという。それがネットニュースになると《笑いも女優もできます感、出しすぎ》《最近、勘違いしてるような言動が多い》など、批判の声があがっていたのだ。「舞台挨拶での発言も、話題になればと思ってやってくれていること。松岡さんが気にしないよう、周囲も気を遣っているようです。松岡さん自身も、公開初日の舞台あいさつで再びしゃべり倒していました」(芸能記者)7日放送の「しゃべくり007」(日本テレビ系)では、自分が落ちたオーディションを受かった土屋太鳳(24)から神経を逆なでするようなKY電話があったと実名暴露していた。“舌好調”な松岡のおかげで、映画もさらに脚光を浴びそうだ。
2019年10月10日直木賞・本屋大賞を史上初めてW受賞した小説家・恩田陸の『蜜蜂と遠雷』が若手実力派キャストにより実写映画化され、10月4日より公開された。国際ピアノコンクールを舞台に、亜夜(松岡茉優)、明石(松坂桃李)、マサル(森崎ウィン)、塵(鈴鹿央士)という世界を目指す若き4人の天才ピアニストたちの挑戦、才能、運命、成長を描いた同作は、「小説なのに音楽が聴こえるようだ」と話題を呼び、映画でも一流ピアニストの音×吹き替えなしで演奏演技に挑む役者陣という驚くべき手法で数々のシーンが浮かび上がっている。今回は、原作者・恩田陸と、妻子を持ち楽器店に勤めながら、年齢制限最後のコンクールに挑む高島明石を演じた松坂桃李にインタビュー。原作者と俳優、それぞれの視点から見た同作の魅力や、表現者として向き合う"賞"について話を聞いた。○■「かっこよすぎる」キャストも演技に納得――先ほどお話を伺ったんですが、お二人は今日が初対面なんですね。恩田先生が撮影現場にいらしたときは、松坂さんの撮影がなかったとか。松坂:この瞬間が初です。恩田:お目にかかれて光栄でございます。松坂:こちらこそ! よろしくお願いいたします。――それでは、ぜひ松坂さんから見た原作の魅力と、恩田先生から見た映画の魅力をそれぞれ教えていただければ。松坂:オファーをいただいて『蜜蜂と遠雷』を読んだんですが、今までは小説を読んでめくるたびに音が聴こえる感じを経験したがことがなかったので、すごい本だと思いました。これを映画化するなんて、可能なのか? と、衝撃でした(笑)。小説が本当に面白いからこそ、我々にとってはハードルが高いと思っちゃうんです。仮に上手に置き換えられたとしても「小説の内容のまま表現されてるじゃん!」と思われてしまうので、今回は「実写化するからこそできること」はなんなのか、ものすごく意義を迫られた感覚がありました。恩田:よく映像化したなと思いました(笑)。私も「小説でなければできないことをやろう」と思って書いていたので、逆に皆さんが映画でしかできないことをやってくださったなと思って。映画として完成されていたので、嬉しかったです。松坂:そういう言葉を聞くと、ほっとします。恩田:松坂さんが、明石を演じると聞いて、「それはかっこよすぎるだろう」とは思っていたんですけど、映画を見たら本当に明石そのものでした。松坂:いやいや、とんでもないです!――原作で思い描いていた明石はどういうイメージだったんですか?恩田:もうちょっと、普通の人です(笑)。でも、2次予選の後に松坂さんが1人でカメラに向かってしゃべっているシーンはすごくリアルで、驚きました。松坂:実は、あのシーンが初日だったんですよ……。恩田:初日だったんですか! みなさん、意外なシーンが初日なんですよね。いきなりあのシーンだとは……すごいですね。松坂:とにかく、体の中にいろんな実感を入れるようにイメージして。すごく緊張しました。――ちなみに、明石じゃない松坂さんを目の前にされた感想はいかがでしたか?恩田:「やっぱりかっこいいわ!!」と思いました(笑)。――松坂さんは、そういうかっこよさをどうやって封印されてたんでしょうか?松坂:明石は他の3人に比べて、家族と過ごしたりと、生活を描写しているシーンが多かったので、そこはすごく大事にしたいなと思いました。たぶん、すごく不器用でめんどくさいやつだなと思ったんです。自分のことを天才とは思っていないけど、他人には言われたくない、という。恩田:その通りです。松坂:たとえば奥さんと少し口論になったシーンでも、明石のめんどくさい感じが出ている。すごく人間くさいけど、良いところでもあると思います。恩田:そういう役を演じるのは、珍しいんじゃないですか?松坂:そうなんです。これだけの不器用さと人間臭さを表す役はあまりやったことがなかったので、嬉しかったです。恩田:本当に松坂さんはキラキラしたイメージだったので、地に足をついた感じが出ていて、びっくりしました。松坂:嬉しいです。○■流れをつかむことが大切――今回はピアノコンクールが舞台となっていますが、作品自体も直木賞と本屋大賞を史上初めてW受賞されていて、松坂さんも昨年たくさんの賞に輝いていて。賞にかける思いについて、お二人はどう感じているのかなということも気になりました。恩田:結果としての賞なので、書いてる時にはもちろん考えていないです。でも、「流れが来てる」みたいな時って、あるじゃないですか。そういう意味では幸運な本だったと思います。こんなにハードルが高そうな作品がスムーズに映画化できたというのも、やっぱりいい流れがあったのかな、と。松坂:確かに、流れってありますよね。僕のマネージャーさんも「今年は流れ、来てますから」とよく言ってたんですよ。「じゃあ、信じます」と言ったら、ありがたいことに本当に賞をいただけたりしたので、実感しています。――松岡茉優さんも、同じように昨年いろいろな賞に輝かれて、全部の流れが『蜜蜂と遠雷』に集中しているようですね。松坂:授賞式で、松岡さんとは会うことが多かったです! 会うたびに『蜜蜂と遠雷』盛り上げましょう、という話をしていました。恩田:幸運な流れが来ていますね。実際にコンクールを見ていても、最初は目立てなかった方が2週間の間でどんどん良くなっていったりして、成長する人は本当に成長するし、順番の違いひとつでもまったく印象が違ってきてしまうんです。どんどん人が減っていくから、何番を掴むかという運もあって。本当に、流れを掴むことが大事なんだと思いました。――松坂さんは今回、ステージの上で演奏するシーンも多かったですが、音楽家を演じて、役者との共通点などは感じられたんですか?松坂:舞台上で、お客さんの前でお芝居をするときの緊張感や、稽古で失敗を繰り返しながら初日を迎える緊張感は共通すると思いました。演奏シーンは最後の方だったので、スタッフ・キャスト全員が「あと1週間だぞ!」「あと5日だぞ!」みたいに、プレッシャーがすごくて(笑)。だんだん音楽チームも顔がピリついてくるんです。だからこそ生々しくて、良い緊張感でした。エキストラの方もたくさん来てくださったので、入場シーンも本当のコンクールのような緊張感でした。怖いんですよ! でも演奏はお芝居と違って、お客さんの反応を見て動きを変えられるところは、羨ましくも思いました。恩田:私も演奏をしていた経験がありますが、自分があがっているかって、全然わからないですよね。絶好調と思ってもボロボロだったりとか。逆に「ダメだ」と思った時が良かったりする。松坂:それはあります! 自分がダメだと思っていても、周りから「良かったね!」と言われたりとか。恩田:意外とありますよね。それって、なぜなんだろう? 不思議ですね。小説でも、書いてる時には乗っていたけど、後で読むと「なんなんだろう」と思う時もありますし(笑)。○■小説家と役者、原動力は――せっかくなので、何か松坂さんから恩田先生に聞きたいことなどはありますか?松坂:これだけの作品を生み出す原動力がなんなのか、伺いたかったんです。続けるためのモチベーションを保つのは難しくはないんですか?恩田:きっと、なんでもそうですよね。役者さんも、毎回毎回違う役を演じると思うので、どういう原動力なのか、逆にお聞きしたいです。松坂:作品に入ってる時は辛いことの方が多いし、考えなきゃいけないことや不安要素がたくさんあるばかりなんですが、終わった瞬間が本当に楽しくて。スタッフやキャストの方と、「じゃあ、一杯いきますか!」という瞬間(笑)。その一瞬が、辛かったメーターを上回るんです。それが持続的にやってくるので、乗り越えられるというか、支えになっている感覚はあります。恩田:どこも同じですね(笑)。私も原稿を書いているときは全く楽しくなくて。――でも、これだけずっとコンスタントに作品を出されてる作家さんも、なかなかいらっしゃらないのではないかと思いました。恩田:続けていないと不安になってしまうんです。常に書いてないと「小説家」と名乗れないような気がして。縮小再生産になってしまうのが怖いし、「休んじゃうと戻れないんじゃないか」と思うので、そこが原動力なのかもしれません。松坂:「休みたい」と思ったことはないんですか?恩田:いつも、思ってはいるんですけどね(笑)――それでは、最後に作品を楽しみにしている方へのメッセージをいただけたら。恩田:原作ファンでも、原作を読んでない方でも楽しめると思います。音もすごく贅沢な作りになっているので、ぜひ、映画館でご覧ください。松坂:僕自身、クラシックからは縁遠い男だったので、この作品で初めて「クラシックって静かなだけじゃないんだ!」と思いました。まるで縦ノリのように心が踊る、前のめりになる感じが味わえたのはこの作品が初めてだったんです。僕のような、クラシック初心者ですという人でも、味わえる体験が待っていますので、ぜひ音響のいい劇場でご覧いただけたら嬉しいです。■恩田陸1964年生まれ、宮城県出身。1992年、『六番目の小夜子』でデビュー。『夜のピクニック』で吉川英治文学新人賞と本屋大賞を受賞。『中庭の出来事』で山本周五郎賞を受賞。『蜜蜂と遠雷』で直木三十五賞と二度目の本屋大賞を受賞(直木賞と本屋大賞のダブル受賞も、二度の本屋大賞も史上唯一)。著書多数。■松坂桃李1988年10月17日生まれ、神奈川県出身。近年の主な出演作は、映画『不能犯』(18/白石晃士監督)、『居眠り磐音』(19年)、『新聞記者』(19年)。2019年には『孤狼の血』(18年)で第42回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞。現在、声の出演をしている映画『HELLO WORLD』が公開中。
2019年10月06日10月4日(金)から公開される『蜜蜂と遠雷』(石川慶監督)の主要キャラクターとして出演する森崎ウィンさん(29)。森崎さんは、ミャンマー出身で、10歳の時に家族で日本に移り住み、18歳で俳優としてのキャリアをスタートします。昨年、スティーブン・スピルバーグ監督の『レディ・プレイヤー1』でトシロウ役に抜擢されハリウッドデビューを果たしました。また、ダンスボーカルユニット「PRIZMAX」のメインボーカルを務めるほか、ミャンマーのテレビ局で冠番組を持つなど多彩な輝きを放ちます。オーディションではマサルを演じることにためらいがあったと明かしてくれた前回に引き続き、後編では20代ラストを迎えた森崎さんに、これからのことについて聞きました。目の前に集中すること、続けること——今年29歳になられた森崎さんですが、30歳に向けての展望はありますか?森崎ウィンさん(以下、森崎):あっという間に29歳になったという感じがあります。20歳のとき、ある先輩に「男は30歳からだよ」と言われたんですけど、9年間どこに行った!?みたいな(笑)。俳優デビューから10年以上経って、昨年は『レディ・プレイヤー1』(スティーヴン・スピルバーグ監督)でハリウッドデビューも経験しました。でも、僕が思い描いていた30歳の大人の男性像にはまだまだほど遠いなという感じです。最近はそこにたどり着くために、日々を一生懸命に生きなければと思うようになりましたね。もちろん、目指すビジョンは持っているのですが、遠い未来よりも、まず目と鼻の先にあるものに対して全力で取り組む。帰宅したら、「あー疲れた」って寝てしまうくらい、出し切りたいんです。——目指すビジョンとは?森崎:音楽人としては3年くらいかけてアジアツアーを回りたいです。役者としては、ハリウッドに1本だけ出演して満足するのではなく、5年以内にもう一度出演したいです。(『蜜蜂と遠雷』の石川)監督には現場で「10年後にはアカデミー賞、オスカーを取りますから」と話したんですけど、監督は「10年役者を続けられたらいいね」って。撮影が終わってしばらくはあまり深く考える時間がなかったのですが、今改めてその言葉の重みを感じますね。続けるには運もあるし、自分ひとりではどうにもならないことも多い。簡単じゃないけれど……うん。頑張ります。劇中より明日は遅刻します!と言い切る俳優を見て思ったこと——森崎さんは、日本だけでなくアメリカやミャンマーでも活躍されていますよね。異文化で仕事をする面白さについて聞きたいです。森崎:まず純粋に、いろんな場所に行けるというのが楽しいです。他の国の文化に触れると、それがまた森崎ウィンを作っていく。表現の幅にもなりますし、それがすごく面白い。それに、違うやり方を知っているというのは、すごく得しているなという気持ちになります。——海外で仕事をして驚いたことはありますか?森崎:そうですね……。驚かされることばかりなんですけど、ミャンマーだと役者が普通に遅刻してきます。あるとき、午前0時近くまで撮影があって、翌日は午前6時入りだったんです。アナウンスを聞いて、僕は「わかりました!」って了承したんですけど、一人の役者が急に「俺は明日ジムに行くから6時はムリだ」と言って。——ジム!森崎:僕は心の中で「その役に身体づくりは必要ないじゃん!」って思ったんですけど(笑)。スタッフが「じゃあ何時なら大丈夫ですか?」と聞くと、「9時だったら」と悪びれもなく言うんです。僕は撮影スケジュールが優先って思うんですけど、スタッフは「わかった」って一言。——おおらか(笑)。日本だとめちゃくちゃ怒られそう。森崎:怒られないにしても、次から呼ばれなくなっちゃうんじゃないかなって思いますよね。ミャンマーでそんなハプニングがあると「ああ、そういうのもアリなんだ」って思うんですよ。「こうでなきゃいけない」って思う自分の枠やこだわりにも気づくし、ほかの選択肢もあるんだってことも知れますよね。森崎ウィンと仕事をしてよかったと思ってほしい——ミャンマーでインタビューを受けている動画を見たんですけど、際どい質問に、質問返しをするあのスタイルがいいなと思いました。森崎:うわー。調べてくれたんですか?ありがとうございます。グイグイくるインタビュアーっているんですよね。ミャンマー、日本関係なくですけど。ちょっと意地悪というか、答えにくいことをズバッと投げかけてくるとか。でも、それが彼らの仕事で、僕は演者としてうまく返すことを期待されているわけですよね。どうしようかなって考えた中で出てきたのが、巻き込んでみることでした。——「恋人にするならどの国の女性がいいですか?」という質問に「お姉さんは僕と付き合いたいですか?」って返したんですよね。森崎:はい。そうしたら周りも盛り上がったし、際どい質問も回避できるし、いいなって。真面目な質問にはちゃんと真面目に回答しますけどね。ふふふ。「森崎ウィンにインタビューしたら楽しかったな」って思ってほしいんです。——神対応……。そんな森崎さんの仕事のモチベーションとは?森崎:なんのために芝居をしているの、なんのために歌っているのと聞かれることもあるんですけど……。なんのためなんだろう。もちろん好きだからやっているというのはあります。つまり自分のためなんですけど……。でも、ミャンマーでの仕事が増えて見えてきたことがあって。それは、僕の存在が誰かに影響を与えているということ。たとえば、「ウィンが頑張っているんだからあなたも頑張って」ってお母さんが子どもに言うらしいんですよ。もっと頑張っていいお手本にならなきゃなって思いましたね。自分の目標に向かって頑張る姿を見せることが、誰かの元気や勇気になったら最高ですよね。『蜜蜂と遠雷』10月4日(金)全国公開キャスト:松岡茉優 松坂桃李 森崎ウィン 鈴鹿央士(新人)原作:恩田陸「蜜蜂と遠雷」(幻冬舎文庫)監督・脚本・編集:石川慶配給:東宝©2019 映画「蜜蜂と遠雷」製作委員会オフィシャルHP:(ヘアメイク:KEIKO(Sublimation)、スタイリスト:森田晃嘉、取材・文:安次富陽子、撮影:面川雄大)
2019年10月04日10月4日(金)から公開される『蜜蜂と遠雷』(石川慶監督)の主要キャラクターとして出演する森崎ウィンさん(29)。森崎さんは、ミャンマー出身で、10歳の時に家族で日本に移り住み、18歳で俳優としてのキャリアをスタートします。昨年、スティーブン・スピルバーグ監督の『レディ・プレイヤー1』でトシロウ役に抜擢されハリウッドデビューを果たしました。また、ダンスボーカルユニット「PRIZMAX」のメインボーカルを務めるほか、ミャンマーのテレビ局で冠番組を持つなど多彩な輝きを放ちます。「森崎さんにぴったりな役でしたね」と感想を伝えると、「実は、僕がマサルを演じるのはちょっと難しいと思っていたんです」と意外な反応が。その理由と、作品が完成した今思うことについて話を聞きました。「森崎ウィンのマサルを表現してほしい」——今回、マサル・カルロス・レヴィ・アナトールを演じていかがでしたか?森崎ウィンさん(以下、森崎):マサルのフルネーム!長いのにありがとうございます!実は僕、もともと原作のファンで「映画化したら面白いだろうな」って思っていたんです。でも、まさか自分がマサルを演じるなんてまったく想像していなくて。オーディションの場でも監督に「原作のイメージがあるので、僕にはちょっと難しい」と伝えたくらいです。——原作では高身長で、美男子で、天才で音楽学校の王子様。森崎さんにぴったりでは?森崎:いやいやいや。あんなに魅力的に描かれていたら「全然、俺じゃない!」って思ってしまいますよ。原作の描写が素晴らしくて、僕の中で理想のマサル像ができあがっていたんですよね……。でも、監督が「原作の再現VTRを作るわけではないよ。映画は映画として別物だと思って捉えてもらっていいから。森崎ウィンが表現するマサルを求めているんだよ」と言ってくださって。——完成した作品を見て、森崎ウィンのマサルはできていたと思いますか?森崎:そうですね。やっぱり「原作ではこうだったけど、僕のマサルはどうかな」と思うところもあったのですが、監督がOKと言えば、映画版のマサルはこうなんだと信じて監督について行きました。原作は「分厚いな」と思った——原作のどんなところに惹かれて「映画化されたらいいのに」と思ったんですか?森崎:原作を読んでいて、音が聴こえてきたんですよね。活字から音が流れてくる感覚って、子どものころにもらったバースデーカード以来の衝撃でした。ほら、あるじゃないですか。開くと音楽が流れるカード。——懐かしい。森崎:クラシックをほとんど知らない僕でさえもその音を感じられた。人間の想像力を刺激してくれる恩田先生の豊かな表現力に感動したんです。だから、映画化されたらきっと面白いだろうなと。それに、音楽家の話とはいえ、登場人物がアスリートのように戦っている。そういう意味でも、誰が観てもそれぞれに感じるところがあるはずだと思いました。——もともと恩田さんの小説が好きだったんですか?森崎:いえ。実はあまり読書をするタイプではなくて。『蜜蜂と遠雷』を手に取ったのも偶然でした。役者仲間と話をしているときに「もっと本を読んだほうがいい」という話になって。でもどんな本を読めばいいか決められなくて、賞を取っているものにしようと。調べたら、直木賞と本屋大賞を受賞しているので「これだ!」って。あらすじを読むと、音楽がテーマになっているし、僕と重なるところもあるかなって。——かなり厚い本ですけど、本を読まないのによく選びましたね。森崎:ネットで頼んだので、こんなに分厚いなんて知らなかったんです。届いたとき「嘘でしょ!」って思いました(笑)。でも僕、決めたら絶対にやらないと気が済まなくて。気合いを入れて、ページをめくったんです。そしたら、すいすい読める。あっという間にストーリーに引き込まれてファンになっていました。決められたルールを壊したい——自分だったら誰を演じたいみたいな想像はしませんでしたか?森崎:読みながら考えたんですけど……。映画化したら自分はどのキャラクターになるだろうって。かつて天才少女として名を馳せた栄伝亜夜、ない。養蜂家の息子で自宅にピアノすらないのに有名ピアニストに見出された未知数の風間塵、ない。サラリーマンとして妻と息子を養いながら生活者の音楽に挑戦する高島明石、ない。「ジュリアード王子」と呼ばれるエリートのマサル……ない。うん、僕ができそうな役はいないから、映画化されたら観客として観に行こうって思っていたんですよ。そしたら、一番ないと思っていたマサルで。——いやいや。マサルは日本語で「勝」だし、森崎さんのウィンも——ミャンマー語では「明るい」という意味だそうですが——英語では「勝」だし。共通点も多いですよ。そんなに違うとおっしゃるのがよくわからない。森崎:……僕、アニメがすごく好きなんですよ。——アニメ?森崎:はい。アニメが実写化されて、観に行くときの気持ちがすごくわかるので、原作がある作品を前にするとすごく慎重になるというか……。原作ファンだからこそ、イメージを大切にしたいという気持ちがあるから、マサルを演じるのはやっぱり勇気が要りました。——挑戦してみてどうでしたか?森崎:マサルを通じて学んだり、勇気をもらったりしました。僕にはマサルのようなコンクールの経験はありませんが、音楽を通じて何かを実現したい、決められたレールやルールを良い意味でぶち破って新しいものを作りたいと思う気持ちは似ていると思います。そのためにどう動けばいいのか、どれほどのエネルギーが必要なのか。それはマサルと所属している「PRIZMAX」で音楽活動をしている僕に重なる部分だと感じました。それから、好きになるものにジャンルは関係ないんだということにも気づきましたね。僕は普段あまりクラシックを聴かないし、ちょっと硬いなっていうイメージを持っていたんですけど、(劇中で演奏する)プロコの2番*を何度も聞くうちに「ここいいな!」って思うようになって。それって、大好きなブルーノ・マーズの「このメロディー上がる!」って気持ちと同じなんですよ。*プロコフィエフのピアノ協奏曲第2番。通称、プロコの2番。クラシックだからちゃんと勉強が必要なのかなと構えていたんですけど、好きっていう気持ちの前ではどうでもよくなるんですよね。この曲が好きだから知りたい、弾きたいって。垣根を超えたというか、境界線が消えたというか。それを知ることができたのは、すごくいい経験でした。『蜜蜂と遠雷』10月4日(金)全国公開キャスト:松岡茉優 松坂桃李 森崎ウィン 鈴鹿央士(新人)原作:恩田陸「蜜蜂と遠雷」(幻冬舎文庫)監督・脚本・編集:石川慶配給:東宝©2019 映画「蜜蜂と遠雷」製作委員会オフィシャルHP:(ヘアメイク:KEIKO(Sublimation)、スタイリスト:森田晃嘉、取材・文:安次富陽子、撮影:面川雄大)
2019年10月03日松岡茉優の勢いが留まるところを知らない。2017年公開の初主演映画『勝手にふるえてろ』、そして昨年の是枝裕和監督によるカンヌのパルムドール受賞作『万引き家族』で、それぞれ第42回日本アカデミー賞優秀主演女優賞、優秀助演女優賞を獲得するなど高い評価を得た。とはいえ、まだまだ世間は松岡茉優という女優を過小評価しているのではないか――?そう思わせるほど、まもなく公開の主演映画『蜜蜂と遠雷』では、これまで見たことのない表情を見せ、“圧倒的”という言葉がぴったりの凄まじいまでの存在感を発揮している。傑作を2時間の枠におさめる難しさ史上初となる直木賞と本屋大賞のW受賞を果たした恩田陸のベストセラー小説を映画化した本作。4人の才能あふれる天才ピアニストを軸に、ある国際ピアノコンクールの始まりから終わりまでが描かれる。松岡さんが演じたのは、かつては天才少女と呼ばれ、将来を嘱望されるも、母の死が原因でピアノを離れ今回、7年ぶりに表舞台へと復帰した亜夜。全体を通じて、セリフは決して多くはなく、心情や私生活、復帰に至った経緯や背景などもハッキリとした言葉で説明されることもない。ピアノに向き合う姿勢やちょっとした表情でその内面が浮き彫りになっていくという難しい役柄だが、松岡さんは役作りについて、こともなげに「原作に全て答えがありました」と語る。「恩田先生の小説の中に亜夜が生きて存在していて、そういう意味で問題はなかったです。ただ、500ページ2段組の小説を2時間の映画にするという部分に関してはプレッシャーや難しさは感じました。どうしても原作から連れてくることができなかった登場人物、抜き出すことができなかった描写もあります。亜夜の気持ちをどう理解するか?という部分以上に、『ここは(原作にある描写が)映画にはないから、どうしたらいいか?』と足し算や引き算を考える部分は多かったですね」。“心に傷を負った元・天才少女”。そんな安易な言葉で集約されるような、薄っぺらい役にはしたくなかった。「石川(慶)監督に言われたのは『腫れ物に触るような人にはしないでほしい。周りが気を遣うような人じゃないと思う』ということで、私も同じ意見でした。7年前、なぜ彼女はピアノから逃げたのか?なぜそこから表舞台に戻ってこられなかったのか?そこにあるのは決して自分勝手な理由でもないし、彼女は決して“かわいそうな人”でもない。そのために彼女の強さと気高さ、才能をきちんと見せないといけないと思っていました」。自分とは違う周りの評価「すごく力をもらいました」間違いなく松岡さんに対して、大きな称賛の声が贈られることになるであろう本作だが、松岡さん自身は、最初に完成した映画を観たとき「自分ができると思っていた期待値をあまりに大きく下回っていて、『こんなにできないか…』と落ち込んだ」という。しかし、このリアクション自体は、本人にとっても周囲にとっても決して珍しいことではないようで「最初に完成した作品を観る初号試写は、いつも人生で一番落ち込む瞬間」であり「毎回、『やめよう』『やめちまえ!』って思います」とのこと。いつもと違ったのは一緒に映画を観たスタッフや共演者の反応、そして思わぬところから届いたある“言葉”だった。「観終わったら、石川監督やプロデューサー、スタッフのみなさんがすごく褒めてくださったんです。嬉しかったのは、試写室を出て、私自身は罪人みたいな気持ちで階段を下りて行ったんですが、その先で(共演の)斉藤由貴さん、臼田あさ美さん、片桐はいりさんが並んで待っていてくださって『本当によかったよ』とおっしゃってくださったんです。その言葉にすごく力をもらいました」。「とはいえ、自分の中では悶々とした気持ちを抱えて、その後の日々を過ごしていたんですが、ある日、予告編の映像が届いたんです。それを午前中の11時ごろに自宅のベッドの中で見たんですけど、途中で恩田先生の『映画化は無謀、そう思っていました。「参りました」を通り越して「やってくれました!」の一言です。』という言葉が目に入ってきて…、布団の中で泣いてしまいました」。いまの自分は才能が集結した世代のおかげ「同じ時期に集ってしまった天才たちの苦悩と葛藤の物語」――。松岡さんはこの物語をそんな言葉で捉えている。「同時代に生まれた天才たちがひとつのコンクールでぶつかってしまう。それは悲劇でもあり、大衆にとっては奇跡のようなことかもしれない。出会わなければ、それぞれが天才として生きていけたかもしれないと思いがちだけど、ただ、このコンクールでぶつかったことで、実は彼らは才能を伸ばしていくことができたんじゃないかと思うんです」。「亜夜もそうですが『ここまでかな…』と自分で思っていた天井を別の天才がぶち破ってくれて『まだ先があったのか!』と思わせられる。葛藤もあるけど、天才たちが出会ったことによる化学反応も確実にある」。「このあいだ、テレビで世界柔道を見ていたんですが、同じ階級に才能あふれる選手が何人もいるのに、オリンピックで代表になれるのは一人なんですよね。少し前のフィギュアスケートの浅田真央さんとキム・ヨナさんもそうですけど、なぜか天才たちって同じ時期に集ってしまうもので、でもそのことによって爆発的に成長していくものなんですね」。そういう意味では、松岡さんが生きる俳優の世界もまた、時に同じ世代の俳優とひとつの役を争い、時に同じ作品の中で切磋琢磨していく仕事である。松岡さんにとって、同世代の存在とは?「私たちの年は、ありがたいことに『充実している』と言っていただけることも多いですし、前後1~2年の同世代も入れたら、すごい人たちがそろっていると思います。もし、そういう存在が周りにいなかったら、いま私がこうしてこの作品で主演をすることもなかったと思うし、この原作の映像化自体、されなかったんじゃないかなと思いますね。いま、私がコンスタントに仕事をいただけているのは、同世代の層が厚かったからにほかならないです」。同世代のライバルがいない方が、自分に役が巡ってくる確率が上がってラッキーだとは思わないのだろうか?「10代の頃は、オーディションを受けては落ちての繰り返しで、もう思い出したくないくらいの嫉妬の塊だったし、自分と周りを比べることしかしていなくて、心が腐ってましたよ(苦笑)」と明かしつつ、こう続ける。「でも、そもそも、同世代の層が薄かったら、作品に恵まれなかったでしょうね。等身大の役ではなく、少し年上、もしくは年下の役を演じなくてはいけないことが多くて、苦しんだと思います。もちろん、周りがいい仕事をしていたら悔しいですよ。最近だと、親友の伊藤沙莉が『全裸監督』(NETFLIX)に出ていて、本当にいい役を演じていて、うらやましかったです」。「でも、それがあるから、私も同じように伊藤に『悔しい』って思わせるような演技をしたいなって思います。ライバルという言葉は色が着いていて、嫌なイメージもあるかもしれないけど、私にとってはありがたいものであり『これからも生き残りをかけて戦いましょうね(笑)』という存在です」。堂々と“素”の自分をさらす「イメージなんて問題ない」そんな中で、女優・松岡茉優がこれだけ多くの作品で求められるのはなぜか?彼女の武器は何なのか?“演技力の高さ”と言ってしまえば簡単だが、どんなタイプの役であっても、過去の作品のイメージを引きずることなく自然に演じ分けてしまうところではないか?本作や『ちはやふる』シリーズで演じたような天才タイプから、『勝手にふるえてろ』で演じたような初恋をこじらせた暴走気味の女子まで、ひとつのイメージに固定されることなく役柄ごとに見事に演じきる。「私はバラエティ番組の『おはスタ』への出演がほぼデビューだったんですが、それもあってかいまでも、バラエティ番組に出るのはすごく好きなんです。でもある時期、周りから『あんまりバラエティに出過ぎない方がいいよ』と言われたことがあって」。「それは女優の仕事で使うのとは違う筋肉を使わなくてはいけないので、心身の健康を心配してでもあったと思うんですが、一方で『バラエティに出過ぎてイメージが付いちゃうと、役に影響するよ』という指摘もありました。でも、その意見はちょっと受け入れられなくて、女優の仕事で、その役として超越した存在でいられれば、イメージなんて問題ないはずでしょと。そこは私の責任なのでチャレンジさせてほしい――すごくカッコつけた言い方ですが、切り拓いていきたいと思ったんです」。バラエティやトーク番組で“素”の自分をさらすことで、逆に作品ごとの役柄に対する責任を背負い込む。その覚悟が彼女を支えている。「パターンを背負う必要もないし、“誰か”っぽくなりたいわけでもないから『○○っぽいと思われるからやめた方がいいかも』なんて考える必要もない。心配してくださった方たちに納得していただいて、『全然大丈夫だね』と思ってもらいたいという思いは根底にあるかもしれませんね。『真面目だね』と『ストイックだね』なんて言われることもあるんですけど、全然そんなもんじゃなくて、そもそも怠け癖があるから、そうやって自分を律してないといけないんです(笑)」。女優としてやりたいことは「心が腐りかけてた10代の頃も含めて(笑)、変わってない」とも。「生きづらさを感じてる人が明日、生きるのがちょっと楽になる――そんな作品を届けたい。忙しさに追われて、目の前のことばかりに躍起になって空回りしていた時期もあったけど、いまは少し落ち着いて、女優として健康的に物事が進んでるなと感じています。自分のペースで変わらずにやっていけたらと思います」。(text:Naoki Kurozu/photo:You Ishii)■関連作品:蜜蜂と遠雷 2019年10月4日より全国にて公開(C)2019 映画「蜜蜂と遠雷」製作委員会
2019年10月03日秋篠宮皇嗣妃殿下がご臨席された映画『蜜蜂と遠雷』(10月4日公開)の試写会が2日に都内で行われ、松岡茉優、森崎ウィン、鈴鹿央士、石川慶監督が取材に応じた。同作は、直木賞・本屋大賞を受賞した恩田陸の同名小説を実写映画化。国際ピアノコンクールを舞台に、亜夜(松岡茉優)、明石(松坂桃李)、マサル(森崎ウィン)、塵(鈴鹿央士)という世界を目指す若き4人のピアニストたちの挑戦、才能、運命、成長を描く。紀子様の隣で作品を鑑賞し、上映終了後に歓談したというキャストと監督。松岡は「大変、言葉にならないほど感動しました。常にこちらまで背筋が伸びるかのような佇まいで、とても貴重な体験をさせていただいたと思っています」と振り返る。森崎は「とても貴重な経験をすることができ、改てこの作品に携われたことに感謝の気持ち。初めてお目に掛かる妃殿下は言葉にできないくらい、見えない包容力で包み込んでくれたような感覚がしました」と感謝する。石川監督も「あまりにも緊張して映画の内容が全然入ってこなかったです。優しく声をかけていただいたりして、今もふわふわと夢の中にいる感じがしています」と夢見心地だった。松岡は「印象的だったのが、『この作品がクラシック音楽の映画ということで、演奏のシーンがたくさんあるんですけど、臨場感があって、会場にいるかのようでした』と言ってくださって。拍手がしたくなったんですけど、周りの私たちがあまりにも緊張していたので、『小さくぽんぽんぽんっと叩きました』と言っていただきました。音楽の映画として胸を晴れるお言葉をいただけたなと思っています」と語る。レポーターからの「震えましたか?」という質問には、「勝手に震えてました」と自身の代表作に絡めて答えた。ミャンマー出身の森崎は「ミャンマー人を代表して、一生に一度訪れるか訪れないかという経験」と感じ入り、松岡は「森崎くんについて、『国際的に活躍されてますね』というお言葉も」と紹介。「いつもおしゃべり」という森崎だが、「何も言えなかったです。『ああ、はい!』って。全然しゃべれなかった!」と反省していた。昨年まで普通の高校生だった鈴鹿は、「他の映画のこういう記事を予習で読んだんですけど、僕が出ていいのかなあって。ちょっとネガティブに考えてたんですけど、最後にお話の時間ですぱっと消してくださって、『これからに期待してます』って言葉をいただいて、もう頑張るしかないです」と意気込む。「次の作品頑張らないとな、とか、19歳なんですけど、人生100年と考えて、あと80年長いなと思って。80年どう生きようかなとか、そういうことをいろいろ考えました」とスパンの長い話で、周囲を和ませていた。「信じられないですね。夢みたい、と思った」という鈴鹿は、「東京に来ることも異世界に来るって感じだったんで、松岡さんと森崎さんおとなりにいるのもびっくり仰天で、ちょっとよくわからないですね」と苦笑。「誰にも言ってはいけない」と言われていたために、親にも報告していないというが、「『ニュース見た?』って言います。『見た』ってきたら、報告します。『見てない』って言われたら、『お楽しみに』って言います」とプランを明かした。
2019年10月02日今田耕司と女優・広瀬アリスが司会を務める「アナザースカイII」の9月27日(金)放送回に、女優の松岡茉優がゲスト出演。主演最新作『蜜蜂と遠雷』の公開を間近に控えた松岡さんは憧れの地・オランダを訪問する。2008年、「おはスタ」のおはガールとしてデビュー。その後2013年に連続テレビ小説「あまちゃん」で劇中に登場するご当地アイドルのメンバーを演じ大きな注目を集め、ドラマ「She」に主演、「コウノドリ」シリーズへの出演など活躍の場を広げていく。2016年には広瀬すず、野村周平、新田真剣佑らと共演した『ちはやふる』が公開され、「真田丸」で念願の大河ドラマ出演を果たすなど女優として躍進。昨年公開された『万引き家族』では第42回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を獲得したほか、『勝手にふるえてろ』で優秀主演女優賞も受賞。『万引き家族』は第71回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを獲得するなど、いまや世界がその存在に注目しつつある松岡さん。今回は松岡さんが憧れのオランダで名物パンケーキに感動、運河ツアーで街を巡る恐怖のブランコを体験。そんな松岡さんがオランダを訪れたかった理由とは…?放送をお楽しみに。演技派若手女優として今後の活躍が期待される松岡さんが天才ピアニストの女性を演じる『蜜蜂と遠雷』は10月4日(金)より全国にて公開。同作は史上初となる「直木賞(第156回)」と「本屋大賞(2017年)」のW受賞を果たした恩田陸の原作を映画化。かつて国内外のジュニアコンクールを制覇するも13歳のときに母を亡くし、ピアニストになることから長らく逃げてきた元天才少女・栄伝亜夜を松岡さんが演じ、亜夜が20歳となったいま、再びコンクールへの出場を決心。音大出身で楽器店に勤務、コンクール年齢制限ギリギリのため最後の挑戦としてエントリーする高島明石(松坂桃李)。優勝候補と目される名門ジュリアード音楽院在籍中のマサル・C・レヴィ=アナトール(森崎ウィン)。フランスのパリで行われたオーディションに突如現れた謎の16歳の少年・風間塵(鈴鹿央士)といった若者たちと国際コンクールでの熾烈な戦いを通して互いに刺激し合い葛藤し、そして成長を遂げ“覚醒”していく姿を描く。11月には佐藤健、鈴木亮平らと共演した『ひとよ』も公開を控える松岡さんをゲストに迎える「アナザースカイII」は9月27日(金)23時~日本テレビ系で放送。(笠緒)
2019年09月27日4人のピアニストたちの挑戦と運命を描いた映画『蜜蜂と遠雷』完成披露イベントが9月16日(月)、都内にて行われ、出演する松岡茉優、松坂桃李、森崎ウィン、鈴鹿央士、そして石川慶監督が登壇した。松岡さんは、「日本映画離れした映像美。新しい音楽映画ができた自信があります。…大きなこと言っちゃった(笑)」と茶目っけたっぷりにコメントしつつも、完成作に胸を張った。数々の無茶ぶりに、松岡さん&松坂さんも苦戦!?天才ピアニストたちがコンクールを舞台に火花を散らすとあって、ピアノの練習はもちろん、高いレベルの技術が要求された。石川監督は、「(原作の)恩田先生の本、あんなに100%音楽を書ききった小説はなかなかなかったと思うので“音楽は妥協しません”から始まった。何といってもキャストの皆さんに、ものすごい無茶ぶりをいっぱいした。中でも音楽は、すごく頑張ってもらってよかった」と話し、各キャストの手元が映っている演奏シーンは吹替なしという完璧さを収めた。過去作でバイオリン経験はあれど、ピアノは初挑戦となった松坂さん。練習を振り返り、「なかなかのハードルで。ピアノを触ったことはほぼなくて、最初の練習で先生の一言目が『松坂さん、ドはどこですか?』だった(笑)」ここかなと押したところがファだったそうで「ファ~~って(笑)」と苦難の道が見えたという。そんな松坂さんの練習風景をちらりと見たという松岡さんが、「バンビみたいでした。小鹿みたいな…」と手元がガクガクしていたと明かすも、撮影の段になると、「まさかの明石(役名)だ!って。あのときのバンビは何だったんだ、俳優はすごいなって思った」と絶賛すると、照れ隠しか、松坂さんは「だましだましやっております」と恐縮していた。直木賞&本屋大賞W受賞を果たした恩田陸による同名小説を映画化した『蜜蜂と遠雷』は、『愚行録』で長編監督デビューを果たした新鋭・石川監督による最新作。芳ヶ江国際ピアノコンクールに集まった復活をかける元神童・亜夜(松岡さん)や、年齢制限ギリギリの挑戦となった不屈の努力家・明石(松坂さん)らピアニストたち。それぞれの想いをかけ、天才たちの戦いの幕が切って落とされるが、音楽の神様に愛されるのは誰なのか。「いま一番戦っていること、もの」個性豊かな回答に…イベントでは、葛藤と闘いながらコンクールに挑むピアニストにかけ、「いま一番戦っていること、もの」を聞かれた登壇陣。「飛行機のアプリ」(森崎さん)、「食費」(鈴鹿さん)、「初日まで寝れない」(石川監督)と答えが揃う中、松岡さんはInstagramのフォロワー数を嘆き出す。「宣伝で、いま流行りのInstagramを期間限定で開設したんですけど、フォロワー数が思わしくない…。いま7万人。若手女優群雄割拠のいい時代で、ちょっと足りないかな。2桁いきたい!」と松岡さんはマスコミにもアピール。一方、松坂さんは「事務所と戦い終わりました」と気になる発言。森崎さんが「赤裸々すぎて…」と言い、松岡さんも「フォロワー数の話、ふっとんだ」と言うも「10年間アウトプットの連続だったので、インプットの時間をくださいと言った結果、お許しが出た」と見事お休みを獲得したと伝え、平和な内容に観客からも拍手が巻き起こっていた。『蜜蜂と遠雷』は10月4日(金)より全国にて公開。(cinamacafe.net)■関連作品:蜜蜂と遠雷 2019年10月4日より全国にて公開(C)2019 映画「蜜蜂と遠雷」製作委員会
2019年09月16日恩田陸の新たな代表作を松岡茉優が主演をつとめ、松坂桃李、森崎ウィン、そして新星・鈴鹿央士の共演で描く映画『蜜蜂と遠雷』。この度、松岡さんと鈴鹿さんが月光の下でまるで会話を交わすかのように奏でる連弾シーンが解禁された。この度解禁となったのは、ピアノ連弾シーンの本編映像。松岡さん演じる“元神童”・栄伝亜夜と、鈴鹿さん演じる“ピアノの神”が遺した異端児・風間塵がピアノ工場で、月明かりが差し込む中、2人きりでピアノの連弾を楽しむシーン。塵がドビュッシーの「月の光」を弾きはじめると、促されるように亜夜も楽しげに音を重ねてくる。そのまま、H・アーレンの「IT’S ONLY A PAPER MOON」で盛り上がりを見せた後は、弾き始めとは反対に亜夜のリードで、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第14番「月光」とタイトルに「月」が出てくる楽曲を使用し、“ムーンメドレー”を締めくくる。セリフがなく、ピアノの音色と楽しげな2人の表情だけの演技は、まるでピアノで会話を交わしているかのようで亜夜と塵の感情が伝わってくるシーンだ。原作者の恩田陸はこのシーンを「劇中のお気に入りのシーンの1つ」と挙げ、映像・音楽の美しさを絶賛しており、松岡さんも「亜夜が音楽の楽しさを思い出す、重要なシーンで撮影も印象深かった」と語るなど、劇中でも重要なシーンとなっている。劇中では亜夜と塵だけでなく、亜夜とマサル(森崎さん)の連弾シーン、各キャストごとのキャラクターに寄り添った楽曲が聴きどころ。劇中の演奏曲には、ショパン、バッハ、ブラームス、モーツァルト、プロコフィエフなど一度は耳にしたことのある作曲家の代表曲を、日本最高峰のピアニスト(河村尚子、福間洸太朗、金子三勇士、藤田真央)が、それぞれのキャラクターに沿った演奏で作り上げている。『蜜蜂と遠雷』は10月4日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:蜜蜂と遠雷 2019年10月4日より全国にて公開(C)2019 映画「蜜蜂と遠雷」製作委員会
2019年09月03日史上初の快挙となる〈直木賞〉(第156回)と〈本屋大賞〉(2017年)のW受賞を果たした恩田陸の代表作『蜜蜂と遠雷』が、豪華キャスト、スタッフ陣により映画化され10月4日(金)に公開される。そして、本作に即したインスパイアード・アルバムが9月4日(水)に発売されることが決定した!日本を代表するピアニストたちが、原作に登場するそれぞれのキャラクターに沿った演奏によって作り上げられた映像とアルバムに注目したい。主人公のひとり、松岡茉優演じる【栄伝亜夜】の演奏を担当するのは、感性豊かな音楽性と独創性で世界の数々の桧舞台で聴衆を魅了している実力派ソリスト河村尚子。松坂桃李演じる【高島明石】には国内外のコンクールで活躍し、2015年に行われたアイスショー『Fantasy on Ice』で羽生結弦と共演した実績を持つ福間洸太朗だ。森崎ウィン演じる【マサル・カルロス・レヴィ・アナトール】には、自身もマサル同様海外で育ち、その才能を幼いころから発揮してきた金子三勇士。そして鈴鹿央士演じる【風間塵】には、弱冠18歳にして第27回クララ・ハスキル国際ピアノ・コンクールで優勝したほか、2019年6月に行われた第16回チャイコフスキー国際コンクール、ピアノ部門で第2位に輝いた藤田真央が参加。まさに映画史上最も贅沢な奏者陣が揃ったと言えそうだ。今回発売となるインスパイアード・アルバムは、亜夜、明石、マサル、塵が劇中のコンクールで演奏する楽曲を収録した全4種類!それぞれのキャラクターに寄り添って奏でられる演奏の美しさに酔いしれること間違いなしだ!さらには、劇中で演奏されるコンクールの課題曲でオリジナルの楽曲である『春と修羅』もキャラクター別に収録されている。*作曲を務めるのは国際的に評価の高いロンドン在住の作曲家・藤倉大。●アプリ版ぴあ“クローズアップ”のコーナーでは、水先案内人のひとりで音楽ライターの高坂はる香が、『あなたの知らない国際ピアノコンクールの世界』を連載中(7月30日から全10回予定)。これさえ読めば、映画もコンサートも、そしてアルバムも楽しめること間違いなしだ!
2019年08月08日恩田陸の話題作を松岡茉優主演で映画化する『蜜蜂と遠雷』から、予告編と本ポスタービジュアルが到着した。また、本予告をもってお笑い芸人のブルゾンちえみが出演していることが明らかになった。今回到着した予告編では、母を亡くしたことがきっかけで、音楽の世界から失踪するも、このコンクールで再起を目指し再び舞台に戻ってきた栄伝亜夜(松岡さん)、家庭と仕事を持ちながらも出場年齢ギリギリで最後の夢にかける高島明石(松坂桃李)、新しいクラシックをやりたいという夢に向かうエリートのマサル・C(カルロス)・レヴィ・アナトール(森崎ウィン)、そして、“ピアノの神様”が遺した謎の少年・風間塵(鈴鹿央士)と選ばれし4人が、世界最高峰の国際ピアノコンクールの舞台に登場。亜夜のピアノへの迷い、自身のクラシックと恩師の指導の狭間に揺れるマサル、圧倒的な才能の壁に苦悩する明石の様子も確認することができる。また、予告編でもちらっと登場しているが、芸人で「人は見た目が100パーセント」の出演も話題となったブルゾンさんが、明石の同級生で、明石の国際コンクールへの挑戦を密着しているジャーナリスト・仁科雅美として出演していることも明らかに。ドキュメンタリー番組を撮るため、ピアニストたちに鋭いインタビューをする反面、友人として明石を見守り、励ます役どころとなっている。映画作品への出演は今回が初となるブルゾンさん。「初めての映画ということもありましたし、さらに『蜜蜂と遠雷』は、もともと買って読んでいた作品でもあったので、ダブルで感慨深かったです」と出演を喜び、「とても素敵なチームで、私の撮影期間は1,2ヶ月ぐらいだったのですが終わるのが凄く寂しかったです」と撮影をふり返る。そして役作りについては「中学や高校時代を思い出しながら、松坂さんを同級生だと思い込む作業をしました笑あとは私のやった役は"一番視聴者に近い存在だな"と感じたので、とっつきやすい存在になったらいいな、というのを心がけました」とコメントしている。『蜜蜂と遠雷』は10月4日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:蜜蜂と遠雷 2019年10月4日より全国にて公開
2019年07月15日史上初の快挙となる直木賞と本屋大賞のW受賞を果たした恩田陸の小説を、松岡茉優や松坂桃李出演で映画化する『蜜蜂と遠雷』。この度、本作に出演し4人のピアニストたちのドラマを彩る新たなキャストが発表された。松岡茉優、松坂桃李、森崎ウィン、鈴鹿央士がピアニストを演じる本作。今回新たに発表されたキャストは9名。松坂さん演じる高島明石の妻で、夫のコンクール挑戦を献身的に支える満智子役には、石川慶監督とは『愚行録』に続き2度目のタッグとなる臼田あさ美。森崎さん演じる優勝大本命のエリート、マサル・C・レヴィ・アナトールと同じ音楽院に通い、マサルにアドバイスを贈りながら自身もコンクールに参加するジェニファ・チャン役を、『ウルヴァリン: SAMURAI』でハリウッドデビュー後、多くのハリウッド作品に出演する福島リラ。松岡さん扮する元・天才少女・栄伝亜夜とひょんなことから出会うピアノ調律師役に、『愚行録』や「おっさんずラブ」の眞島秀和。謎のクロークの女役に、連続テレビ小説「とと姉ちゃん」や『小野寺の弟・小野寺の姉』など、独特の存在感で見るものを釘付けにする片桐はいり。作中でコンクール曲となっているオリジナル楽曲「春と修羅」の作曲家・菱沼忠明役に名バイプレーヤーの光石研。そのほか、コンクール会場の責任者で、7年前の亜夜の突然の失踪時から彼女を見守る田久保寛を平田満。芳ヶ江国際ピアノコンクールの審査員を務めるマサルの師、ナサニエル・シルヴァーバーグをポーランドの名優アンジェイ・ヒラ。コンクールの審査員長でピアニストたちの命運を握る嵯峨三枝子を斉藤由貴。コンクールの最終選考でオーケストラの指揮を執る世界的指揮者・小野寺昌幸を鹿賀丈史が演じる。日本だけでなく世界で活躍する俳優陣も加わり、ドラマをより盛り上げてくれそうだ。『蜜蜂と遠雷』は10月4日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:蜜蜂と遠雷 2019年10月4日より全国にて公開
2019年07月09日松岡茉優、松坂桃李、森崎ウィン、新人・鈴鹿央士の4人で、直木賞作家・恩田陸の新たな代表作を実写映画化する『蜜蜂と遠雷』。この度、彼らが演じる若きピアニストたちがそれぞれの想いを胸に、生命と魂を懸けた戦いに挑む姿が描かれた特報映像が解禁となった。2018、2019年と各映画賞を軒並み獲得している松岡茉優が主演を務め、共演には第42回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞に輝いた松坂桃李、ハリウッドデビューも果たした期待の若手・森崎ウィン、そして新星・鈴鹿央士が大抜擢されている本作。監督・脚本・編集は『愚行録』で長編監督デビューを果たし、新藤兼人賞銀賞を受賞した新鋭・石川慶が手掛けている。この度届いた特報映像では、母を亡くしたことがきっかけで突如、音楽の世界から姿を消すも、世界最高峰の国際ピアノコンクールでの再起を目指し、再び舞台に戻ってきた元・天才少女、復活の神童:栄伝亜夜(松岡さん)の姿が…。さらに、生活者の音楽を掲げ、家庭と仕事を持ちながらも夢を諦めきれず、出場年齢ギリギリで最後のコンクールに挑む不屈の努力家:高島明石(松坂さん)。人気、実力ともに兼ね備えた優勝大本命のエリート、信念の貴公子:マサル・C(カルロス)・レヴィ・アナトール(森崎さん)。そして、コンクールに波乱を巻き起こす、いまは亡きピアニストが遺した謎の少年、祝福の異端児:風間塵(鈴鹿さん)という4人が登場。はたして、世界最高峰のコンクールで音楽の神様に愛されるのは誰なのか――?また、新たに解禁となった場面写真では、それぞれ映像に映る戦う姿とは違った表情が印象的。ピアノコンクールの外でも織りなされる、4人のドラマにも期待がかかるカットとなっている。『蜜蜂と遠雷』は10月4日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:蜜蜂と遠雷 2019年10月4日より全国にて公開
2019年06月20日恋愛観や結婚観、ジェンダー観が大きく変化する現代の感覚に合った恋のお話を。そんなコンセプトの〈恋の絵本〉シリーズが創刊。これがはじめての絵本制作となる著者のお二人、辻村深月さんと桜庭一樹さんにお話をうかがいました。辻村:最初お話をいただいた時、「私でいいのかな」と思ったんです。小説を書く才能と絵本や児童書を書く才能はまったく別物だと思ったので。ただ、同じ出版社から出ている、宮部みゆきさんや恩田陸さんの〈怪談えほん〉シリーズが大好きだったので、憧れはありました。桜庭:私は一回絵本を作ってみたかったんです。長いお話が一冊に入っている絵本が好きだったし、『GOSICK』というシリーズを挿絵付きで書いていた時、文と絵があってはじめて作品が完成する感覚があって、それは素晴らしい体験だったので、またやってみたかった。辻村:恋というテーマについては、自分が子どもの頃に抱いていた違和感と向き合うことになりました。桜庭:辻村さんの『すきって いわなきゃ だめ?』は、小学生のお話ですよね。違和感というのは?辻村:小学生の頃、女の子が集まると必ず恋の話になりませんでした?好きな人がいなくても誰が好きか言わなきゃいけない空気があって、言うと「協力する」とか言われて。桜庭:分かるー。辻村:いたとしても公にしたいわけじゃないし、つきあうことだけがゴールじゃなくてもいいのに、という気がしていて。当時言語化できなかったその気持ちを絵本にしました。桜庭:読んで、最後のところでびっくりした!さすがミステリ作家。辻村:嬉しい(笑)。「どんな恋でも大事にしていい」と分かっていても、人はいろんな思い込みの中で生きているから、最後まで読んだ時により広いところに届くようにと考えました。桜庭さんの『すきなひと』は、街角でもう一人の自分と出会うところから始まって、すごく大きなお話になっていくのがすごい。桜庭:生きることへの思いや、一人で過ごす時間、神様みたいなものへの思いも“恋”だなという気持ちがありました。きっかけは、体調が悪くて休んでいる時にLINEカメラでお絵描きをしていて…(笑)。辻村:えっ?(笑)桜庭:スタンプだと、人物がみんな同じ顔になるので「自分と自分がすれ違う」というイメージが浮かんで、「あ、絵本の話、このシーンから始められる」と気づいてラストまで一気に考えました。辻村:すごいなと思ったのは、「あさがきて」「よるになって」という文章で、絵ではとてつもない時間が流れているところ。桜庭:誰に絵を頼むか編集者たちと相談していた時、嶽まいこさんの絵を見て、この人は不思議な絵を描ける!とピンときて。今は、嶽さんに絵を描いてもらってゴールできたという爽快感があります。辻村:私は、自分の書いた感覚を的確に描ける人は今日マチ子さんしか考えられなくて。実際、心象風景が天気で表されていたり、いろんな奥行きがあったり、ランドセルの色に至るまでその子を正確に分かって描いていて、震えるほど感動しました。桜庭:水たまりに相手の子の顔が映る絵だけで、視点人物がうつむいているって伝わるところとかも巧い。辻村:思ったのは、2冊とも「同調圧力に従うことはないんだよ」っていう話だなと思って。桜庭:ああ、確かに。辻村:どちらも恋は自分の中で耕していい、その豊かな時間は自分だけのものだって言っている感じがして、それがすごく嬉しい。桜庭:うん。大人は「子どもには難しいのでは」と言うかもしれないけれど、自分が子どもの頃って、ちゃんと分かって読んでいましたよね。辻村:そう。子どもは、作り手が子どもを軽んじているかどうか分かる。桜庭:だから、私も子どもを信じて作りました。辻村:この2冊も、それぞれの心に何かが残るものになってくれたら嬉しい。このシリーズから今後どんな絵本が出てくるのかも楽しみです。さくらば・かずき(左)1999年に『AD2015 隔離都市ロンリネス・ガーディアン』でデビュー。’07年『赤朽葉家の伝説』で推協賞、’08年『私の男』で直木賞受賞。近著に『小説という毒を浴びる』。つじむら・みづき(右)2004年『冷たい校舎の時は止まる』でメフィスト賞を受賞しデビュー。’12年『鍵のない夢を見る』で直木賞、’18年『かがみの孤城』で本屋大賞受賞。近著に『傲慢と善良』。『恋の絵本(1)すきなひと』(左)桜庭一樹(作)、嶽まいこ(絵)、瀧井朝世(編)薄暗い街角で、もう一人の自分とすれ違った「わたし」。その子を追いかけ、捜して体験する夢のような時間とは。悠久の時と、深遠なテーマが濃縮された一冊。岩崎書店1500円『恋の絵本(2)すきって いわなきゃ だめ?』(右)辻村深月(作)、今日マチ子(絵)、瀧井朝世(編)学校で告白が流行中。「すきなひといないの?」って聞かれて、本当はこうくんが好きだけど、でも…。同調圧力を背景に、誰かに惹かれる思いを繊細に描く。岩崎書店1500円※『anan』2019年6月19日号より。写真・小笠原真紀中島慶子(本)取材、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2019年06月14日