10月18日から公開する映画『楽園』で、少女失踪事件の容疑者として追い詰められる青年を演じる綾野剛さん。今作への思いを聞きました。
「感性を実力に変えてきた。改めて、“感性モンスター”で行く」
「瀬々さんは、“繊細モンスター”だと思う。圧倒的にニュアンスやディテールのある映画を撮る。大好きな瀬々さんが作る世界を、豪士(たけし)を通して世の中に見てもらいたい」
瀬々敬久監督と『64-ロクヨン-』以来、2度目のタッグを組んだ綾野剛さん。今作『楽園』は、そう話す綾野さん自身の繊細さにも息をのまされる。青田に囲まれたY字路で起きた少女失踪事件の容疑者として追い詰められていく、いつも怯えたような顔をした青年・中村豪士として、リアルに存在しているのだ。
「デビューから『クローズZERO II』(‘09年)までは感覚でやっていたんです。でも、その感覚を実力に変えていかなければ、もたないと感じて、『ハゲタカ』(‘18年)までの5年はニュアンスよりも、ストレートに伝わるものを重視してキャラクターを構築してきた。その作業を経て、今、改めて“感覚モンスター”で行こうと思ってる。この作品も感覚だけでやっているので、正直、役作りはしていない。