2019年11月6日 17:50
耳切り事件の背景とは…波乱すぎる天才画家ゴッホの「知られざる秘密」
なぜなら、彼が演じるゴッホの自画像を私が描いたからです。
そうやって見ることで学び、繰り返すことで、そのものに対する理解を得ることができました。そして、それによって私がどう変わったのかを考えることができたのです。私はすでに自分が知っていることを例示するために映画を作ったのではなく、作る過程で知らない何かを発見するために作ったと言えると思います。
絵画は写真よりも雄弁に人を語っている
―キリスト教に関する描写も印象的でしたが、それも制作のプロセスのなかで発見して作品に反映したのでしょうか?
監督ゴッホの残した手紙を読むと、キリストについてかなり書かれており、彼は自分のことをキリストとみなしていたところがありました。劇中のゴッホと司祭の会話は私自身が作り上げたものですが、なかでもおもしろいと思ったのは、「キリストは死後30~40年経つまで誰も知らなかったんだよ」と彼らに言わせたことです。
実際、ほとんどの人はそのことを知らず、死んだときすでにキリストは有名だと思っている人もいるくらいですから。だからこそ、名声と謎、神秘について話すのが興味深いと感じました。
―そのほかにも、監督がこだわったセリフなどはありましたか?
監督あとは、精神病院のなかでゴッホにベトナムについて話をさせるのも私にとってはおもしろいことでした。