2019年11月6日 17:50
耳切り事件の背景とは…波乱すぎる天才画家ゴッホの「知られざる秘密」
それについて語るのではなく、それそのものになるということです。映画のなかで人は何度でも死を経験することができるように、映画を通じてその人の人生を生きることもできます。
たとえば、死んでしまった詩人が描いた言葉が後世の人にも何かを感じさせることはできますが、それは絵画も映画も同じことなのです。
―本作では、67歳のデフォーさんが37歳のゴッホを演じていますが、年齢を超越した存在感は見事でした。現場で、デフォーさんの役者としてのすばらしさを感じた瞬間があれば教えてください。
監督もちろん、何度もありました。特に、彼とは長年の友人でよく知っていますが、作品のなかでは私の知らない人になっていたと感じるほどで、本当に素晴らしい俳優だと思います。
私の妻も、彼の変貌ぶりには本当に驚いていたほどです。
『ボヘミアン・ラプソディ』でフレディ・マーキュリーを演じたラミ・マレックがアカデミー賞の主演男優賞を獲りましたが、私からすれば、デフォーは去年の作品のなかで最高の演技だったと思います。
とはいえ、彼らを比べることは、株の売買人とバスケットボールの選手を比べるくらいまったく違うものですけどね。