2020年1月10日 20:30
日本のアニメは「分岐点にある」アニメ映画祭ディレクター・土居伸彰の意見
「それまでアニメーションの分野で芸術性と商業は、ある種、対極に位置していたんです。それが、芸術性のある商業作品がマーケット的に求められるようになってきた。その象徴的な存在が映画『君の名は。』の新海誠監督です。もともと新海さんは短編を自主制作で作っていたインディペンデント作家。作家性の強い新海さんと東宝のプロデューサーが組むことで、爆発的なヒットに繋がりました」
そんな流れを受け、現在、土居さんは日本に海外の作家を紹介したり日本の作家を後押しする事業を行っている。新千歳空港国際アニメーション映画祭の活動もそのひとつだ。その土居さんによると、いまの日本のアニメーション業界は「分岐点にある」とか。
「いまはDVDやBlu-rayが売れなくなっている時代です。これまで日本のアニメは、こういったパッケージやグッズの売り上げまで見込んで製作されていました。しかしこれまでのやり方では製作資金が回収できなくなっているんですよね。そもそも業界自体、いまだにアナログに頼っている部分が多く、働く人たちの労働問題も頻繁に取り沙汰されている状況。このままでは産業自体が衰退していく危険もあると思います」
しかし同時に、可能性もある。