2016年1月27日 20:00
「落ちぶれてなくてよかった」野田秀樹×阿部サダヲ 12年ぶり舞台で再会
この作品に限らずだけど、ガチャガチャした芝居だと思って観ていると、いつの間にか引き返せないところにいるというか。知らず知らずのうちに作品の中に引きずり込みたいとは、いつも思ってる。
阿部:ただ、台本のト書きに、でっかい水槽が運ばれてくるって書いてあるから期待してたんですけど…。
野田:スタッフからも「水を使うんですか?」って聞かれたりしたからね(笑)。ただ、舞台に本物の水槽や水を出すよりも、僕は演劇のアナログ感でできることってあると思ってるからさ。演劇って言ったもん勝ちで、ここは海の底だって言ったら海の底になる。そういうリアリティって演劇ならではで、演劇をやってる身としては、やっぱり演劇でしかできない世界を作りたいし、劇場に来た人にしか感じられない衝撃を見せたいというのはあるかな。
阿部:それにしても、文字を使った言葉遊びが出てきますけれど、あんなにたくさん考えるんですね。
あまりの数に、じつは野田さん、暇なのかなって(笑)。
野田暇なんでしょうね(笑)。
◇右/のだ・ひでき劇団「夢の遊眠社」を解散後、‘93年にNODA・MAP設立。『THE BEE』『エッグ』など、国内のみならず海外でも作品を上演し、高い評価を得ている。