2020年5月23日 21:30
中学生で出産、特別養子縁組…辻村深月の小説を河瀬監督が映画化
最後まで観るとそれがよく分かる。だから絶対、エンドロールが終わるまで席を立ってほしくない!
河瀬:はい!そこに秘密が隠されています(笑)。
実の子を持つことを諦めたところ、特別養子縁組の取り組みを知った佐都子と清和の夫婦は、中学生で妊娠、出産した少女・ひかりの子供を養子にすることを決める。赤ん坊の受け渡しの日に会った3人の運命はその後…。
養子となった朝斗と3人で、東京で暮らす佐都子と清和。幼稚園での多少のトラブルもまた、平穏な日々の証。その時はまだ、突然かかってきた一本の電話によって、家族のしあわせな日常が脅かされることになるとは、誰も思っていなかった。
NPO法人「ベビーバトン」を主宰する浅見静恵。ひかりを見守り、出産に付き添い、佐都子たちと生まれた赤ん坊の養子縁組の間に立つ彼女の存在感が際立つ。実際に養親になった人たちに出演してもらった説明会の場面のリアリティは胸に迫るものがある。
かわせ・なおみカンヌ映画祭をはじめ各国で受賞多数。代表作は『萌の朱雀』『殯の森』『2つ目の窓』『あん』『光』など。「なら国際映画祭」では次世代育成に力を入れる。東京2020オリンピック競技大会公式映画監督。