2020年6月24日 19:40
ひき逃げが引き起こす新たな事件…人間の本性に韓国の気鋭監督が迫る
その点に関してはいかがですか?
監督まず、私の考えとして、人間というのは、もともとは“善なる人”。つまり、ミョンフェも最初は善人であり、善人として人生をスタートしたのだと思っています。しかし、それがいろいろな夢や信念、さらに欲望を持つなかで、一線を越えてしまうんですよね。
いっぽう、事件に巻き込まれてしまうジュンシクは被害者ではありますが、息子に対する愛情が強いがゆえに、ある条件と交換でリョナと息子を結婚させ、さらに時間が経つにつれて、息子の違った顔、つまり息子も加害者側の人間であったという一面を知ることになります。
ミョンフェとの関係でみるとジュンシクは被害者ですが、リョナとの関係を考えると、彼もまた加害者と言えるのではないかと思ったので、そういった関係性を見せたくて、加害者と被害者という設定にしました。
環境が人をどんなふうに変えるのか見せたかった
―今回は、いずれも見事なキャスティングだと思いましたが、最初は意外にもハン・ソッキュさんにジュンシク役をお願いしようとしていたそうですね。ただ、ご本人がミョンフェを演じたいとおっしゃったのだとか……。
監督そうなんです。
具体的にキャラクターの何に惹かれているかということには触れていませんでしたが、以前からまさにこういうキャラクターを待ち望んでいたと。