2020年7月12日 19:30
『攻殻機動隊』大ファンの西川貴教 最新作で「日本の未来」感じる
そこに深い意味を感じてしまいます。作品の後半には、SNSの誹謗中傷問題を彷彿とさせる話もあって、エンタメとして楽しめるだけではなく、現代のさまざまな問題提起をお二人はしてくれていると思うんです。問題を考えたり、議論し合ったりできる機会をこの作品は与えてくれた。それは、すごく幸せなことだと感じます。
とはいえ、お二人とも感染症が世界にここまで影響を与えることは想像されていなかったと思うのですが、今後作品づくりに影響はありそうですか?
神山:コロナ禍を全くなかったことにして作品をつくるのは、フィクションとはいえ明らかに難しくなりましたね。今作で描いた“全世界同時デフォルト”を画にする時、どんなビジュアルにしようかと悩んでいたけど…街から人がいなくなることが実際にあるんだ、予想は間違っていなかったんだと思いましたね。
荒牧:今回の感染症で、経済が止まった世界が可視化されたんですよね。過去に見たことがない事象が起きたという意味で、本当に衝撃でした。
だからこそ、無事に配信できるのか心配もありましたよ。
西川:経済が止まることを予想していたのかな、とすら思いました。でも、またこうやって素子を見られて、『S.A.C.』シリーズのオリジナルキャストメンバーが帰ってきたことが本当に嬉しいです。