2020年7月17日 19:20
図書館をホームレスが占拠! その裏に隠された貧富の格差と政治的分断
それでは最後に、日本の観客にも本作を通じて伝えたい思いをメッセージとしてお願いします。
エステベスさん僕たちは社会的に弱い立場にいる人だったり、ホームレスだったり、肌の色が違う人だったり、声なきものに対して、こういうストーリーがあるんじゃないか、と勝手に思い込んでしまうところがあります。たとえば僕の場合も、「エミリオ・エステベスはこういう育ち方をしたんじゃないか」というイメージを押しつけられたりしますからね。
でも、そういうことは、誰もがやっていることだと思っています。たとえば、外を歩いているときに、自分より恵まれない方を見ると、「この人はこういうことをしたから、こうなっているんだなぁ」と思ったりすることもありますよね。でも、往々にしてそういう物語は実は間違っていることが多いので、そんなふうに他人のストーリーを勝手に作らずに、違う見方をしてほしいと思います。
あとは、スマホやコンピューターを持っている方は、公共図書館の果たしている役割についても、改めて考えてほしいですね。つまり、それくらい必要不可欠な機関なんだ、ということです。
そういった理由もこの映画のなかではたくさん描いているので、みなさんにもそれが伝わるといいなと思っています。