2020年9月1日 20:30
「移民あるある」コミック 健気でキュートな『バクちゃん』
移民たちが直面する問題を、ときに温かく、ときにシリアスに描くコミック『バクちゃん』。その著者が増村十七さんだ。
バクちゃんが直面する移民あるある。現実世界とも重なる、エモいSF。
「バク星生まれの男の子〈バクちゃん〉は、田河水泡『のらくろ』の犬の上等兵以降、初めての真っ黒な主人公かもしれません(笑)」(増村十七さん)
バク星では彼らの大切な「夢」が枯れてしまったために、バクちゃんは地球で研究者として働くおじを頼ってやってきた。東京に永住し、夢を食べて暮らせたらと考えているが、のっけから厳しい入国審査や満員電車などの洗礼を浴びる。偶然、名古屋から上京してきた女の子ハナと知り合い、ハナの親戚の遠とおえん縁小こまき牧さん宅に居候できることに…。
「私がワーキングホリデーを含めて2年弱カナダに住んでいた頃の、経験や心情を反映させています。
カナダは移民が暮らすにはトップレベルに住みやすい国ではあるんですが、それでも新天地での生活には仕事探しや習慣の違いなど自国にいたときには想像もしなかったハードルがあって大変なこともありました」
作中で、バクちゃんは移民センターでいろいろな星の人たちと異文化交流したり、仕事探しの愚痴を言い合ったり。