2020年9月14日 19:00
“推しメン”探しがコツ? 文楽にハマるにはこれがおすすめ
「文楽を一生懸命観れば、能も歌舞伎もわかるようになります。日本の文化のすべてに通じる、芸という概念がわかるようになる」
と渡辺さん。古典は過去の遺産ではなく、いまに生きているから面白い。その豊かさを、手加減なしでナビゲートしてくれる。
「推し」の芸人を追っかけよう。
いざ文楽を観るとなったら、どんなふうに観ればいいのだろう。渡辺さんいわく「公平に観る必要はありません。自分が追っかけたいと思う人を探してください。
その芸人に打ち込まない限り、芸はわかりません」。たとえば、国立劇場で現在公演中の演目から「人形なら、第一部の『嫗山姥』で八重桐を遣う勘十郎、第二部の『鑓の権三重帷子』で笹野権三を遣う玉男、女房おさゐの和生。この3人が面白い。勉強なさるのには一番いいと思います」。書を閉じたら、さあ劇場へ。
「鑓の権三重帷子」より。写真の人形遣いは三代目桐竹勘十郎。今回の公演では「嫗山姥」に出演。
写真提供・国立劇場
9月文楽公演公演中~9月22日(火)国立劇場チケットセンター TEL:0570・07・9900
渡辺 保『文楽ナビ』「酒屋」「引窓」「寺子屋」、忠臣蔵の「七段目」など人気の演目16本を掲載。