2020年10月1日 19:10
移住、周囲からの反発、女優との恋…モード界の革命児が語る波乱の人生
たとえば、僕たちは彼と会うときにはピエール・カルダンのネクタイをするようにしていましたが、それだけでも喜んでくれるんです。そういう姿にとてもグッときましたし、彼の心の広さみたいなものを感じました。
トッド監督あと、とても驚いたのは、演劇を見ながら涙を流していたこと。彼がほかの人が作る実験的な芸術をあそこまで応援し、まるで自分も一緒に作っているかのように入り込み、一生懸命に感想を述べている様子には感動しました。
ファッションとは社会を映すものである
―忘れられないシーンのひとつですね。あと、彼が発するさまざまな言葉も印象的でしたが、監督たちの心を捉えたものはありましたか?
トッド監督僕は「人に押し付けるのではなく、提案することが大切」というような言葉がとても美しいと思いましたね。
デビッド監督僕が感動したのは、「ファッションは社会を映すものである」と言っていたとき。彼はただ素敵なものを作りたいというだけではなくて、ちゃんと文化的なことも考えているんです。
つまり、ファッションと文化は呼応し合っているものだからこそ、お互いのことをしっかりと考えながら作っていこうと。その姿勢は素晴らしいですよね。