2021年1月2日 18:30
「消費」ではなく「生産」で経済を回す? 転換点にある日本をやさしく解説
持続可能な仕組みができると地域は安定します。「生産者になる」ということは大きなポイントになると思います。
五:生産者…ですか。
堀:現在の資本主義のグローバル経済は、海外でモノを安く作らせて、安く仕入れたものをある程度の値段で売って利益を得るという仕組みでした。多く儲けるために、労働力のより安いほうを求め、搾取の流れが加速しました。儲けは企業に吸い取られて、労働者は安い賃金で働き続けるしかない、その不満のくすぶりがやがて争いにつながります。それが、新型コロナによって移動が制限され、海外からモノが入らなくなってしまった。そのとき、地元で作ったものを地元で消費する、土地に根付いた経済活動が支えになったんです。
コロナ禍が始まったころ、マスク不足になりましたよね?
五:そうでした!自分たちで布マスクを作ったりしてました。
堀:消費するばかりの生活だったけど、コロナによって、生産する喜びを知った人が多くいたんですね。お店で高い家具を買うよりも、自分でDIYするほうが楽しいとか、グルメサイトのレストランめぐりをするより、自分で育てたトマトを食べるほうが幸福だとか。五:よくわかります!自粛中、家のなかでもいろいろ工夫して過ごすという生活が意外と楽しかったんです。