2021年1月28日 19:00
現代のチャップリンが訴える「いまの危機を止められるのは若い人だけ」
エリア・スレイマン監督
“現代のチャップリン”と呼ばれ、新作が待たれていたスレイマン監督の10年ぶりとなる長編映画がついに完成。イスラエル系パレスチナ人のスレイマン監督が自身の視点を通して描いた意欲作として、各国で高く評価されています。そこで、監督・脚本・主演を務めたご本人に、作品の背景やいまの心境を語っていただきました。
―以前からずっと温めていた企画を10年かけて完成させたのか、それともいまこのタイミングで撮りたいと思って作られたのか、作品が生まれた経緯から教えていただけますか?
監督いくつも理由があるので、この質問に答えるにはおそらく5時間は必要かもしれないですね(笑)。まず私は普段からいろいろな情報やビジュアルイメージ、日々の生活のなかであったことなどについてノートに書き留めているんです。というのも、触発されたり、心に火がついたりするような瞬間というのが、日常のなかにはたくさんありますからね。それらに脈絡があるわけではないんですが、そういった日々の観察や瞑想の積み重ねから映画になる可能性があるものを拾い、そして紡いでいくという感じです。そういったこともあり、僕の作品のスタイルというのは、一般的な映画の作り方とは違うのかもしれません。