2021年2月6日 19:10
詩の楽しみ方は「パッと開いたページを」 現代詩人・水沢なおの教えるコツ
短歌や俳句のように形式がなくとことん自由な詩の世界。注目の現代詩人、水沢なおさんに詩の魅力と楽しむコツを聞きました。
詩に興味はなかったという水沢さんの心を最初に動かした作品は、高校の教科書に載っていた宮沢賢治の「永訣の朝」と吉野弘の「I was born」。
「短編小説のようで、切なさと言葉の力強さが印象的で、詩の印象が一変しました。さらに、国語の先生が言った『世の中で一番美しいのは詩です』という言葉が心に残り、詩を書き始めたんです」
詩人になって水沢さんが一番感じるのは、「詩はなんでもアリ」ということ。
「詩は本当に自由。いろいろな作品があるので、心に響く運命の詩が必ず見つかるはずです。難しそうとイメージで敬遠するのはもったいない。
思い切って、広い詩の世界に飛び込んでみてください」
五感を刺激される。
読み進めるうちにイメージがくっきり立ち上がり、音や匂いまで感じられたり、研ぎ澄まされた言葉に心を射貫かれたり。五感に直接的に響く読み心地は詩ならでは。水沢さんの作品でいえば、湿度をまとった淡い色彩の絵画やSF映画を鑑賞しているような気分にも。
「詩は読むというより、感じる、味わう感覚が近い気がします。