2016年6月9日 08:00
蛭子能収がまさかの“やくざ”役に抜擢! オファーに「大丈夫かな?と」
もう少し悪の部分が出るといいんですけど、優しい部分が出ているのかな。かつて、池部良という俳優がいて、彼はムスッとした顔でも笑顔でもない普通の表情なのに、カッコいいんですよ。性格もつかみどころのない、いい人か悪い人かわからない不気味な感じで。
――ご自身も映画を作るのが夢だと伺いました。
蛭子:東京に出てきた頃はそう思っていたんですけど、今は無理かなって。昔は自分が考えたストーリーを思い通りに映画にしてみたいという気持ちがあったし、何本かは8ミリで作ったのですが、難しかった。思い通りに現場を動かすことができなかったんです。みんな、自分のために働いてくれていると思うと、なんだか悪くて。
“映画を作るのと人を動かすのと、どっちが大切なんだ”と問われているような気がするというか…。撮影現場で大事にしていたのは、12時に昼飯を食べて、18時には夕飯を食べること。そして、とにかく早く終わらせることの2つです。僕は高校を卒業して5年ほど看板屋で働いていたのですが、そこの主人が「さぁ、飯にするか」と言わない限りごはんが食べられないし、「終わろうか」と言うまでは帰れない。その、時間が決まっていないことが嫌だったので、自分は絶対にやらないと決めていました。