2021年3月13日 18:40
東日本大震災から10年 続く避難生活、打ち切られる支援…被災地のリアル
原発事故で故郷を失い、住まいを転々とする避難生活が心身にダメージを与えたことが顕著になっています。
自殺者数も被災3県(岩手、宮城、福島)のなかで福島県が最も多く118人。なかでも男性が多く、働く場や生活を根こそぎ奪われてしまったことが要因と考えられます。生業を奪われた人々が、国と東電相手に訴訟(生業訴訟)を起こし、昨年9月に仙台高裁では勝訴しました。しかし、この10年の間に100人以上の方が亡くなり、原告の数は年々減ってしまっています。
震災から10年。復興庁は継続しますが、様々な支援は次第に打ち切られます。世間的に忘れられていくなかで、いまだに十分な補償ももらえず国とも争わなければならない。
地域のコミュニティは分断され、疎外感を抱きながら暮らす人々。一概に「東北では」「福島では」と大きな主語では語れません。今年2月、福島県沖で再び大きな地震が起きました。読者の方々には、現地を訪れるなど、ぜひ今後も東北と関わり続けてほしいなと思います。
堀 潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。『モーニングCROSS』(TOKYO MX 平日7:00~8:00)