くらし情報『いじり笑いをイヤだなと感じていた…作家・大前粟生がジェンダー差別に切り込む』

2021年3月17日 18:40

いじり笑いをイヤだなと感じていた…作家・大前粟生がジェンダー差別に切り込む

売れることと、面白いということ。お金のためなのか、生きがいのためなのか。両極端な価値観に翻弄される彼らの衝突や苦悩は、実は私たち読者の日常とも地続きだ。

「自分ではふつうのつもりでも、時代の価値観に合わなくなっている危なげな人物。そんな人間に批判の目を向ける人物。さらに、いまはお笑い界と社会との境目にいて、距離を置きながらもよく見ている人物もいたらいいなと。人によっておもろいは違うし、正解を絞らないことで、面白いということの多様性、多面性を損なわずに書きたかったですね」

本作でもジェンダー差別の問題に切り込んでいる。

「男社会や男性性に起因する問題解決を、イヤな目に遭っている被害者たちに求めてしまうのはグロテスク。
引き受けさせすぎ、背負わせすぎだったことが心苦しすぎます。せめて作中では女性たちに甘えずに、男たち3人の中で解決させてみました」

咲太ら男性自身が問題に気づき、自主的に変えていこうとする展開は、読者にとっても間違いなく希望だ。『おもろい以外いらんねん』作中に登場するネタ台本も、大前さんの作。「小説なので省略することは可能でしたが、笑いのバラエティも出したかったので」。

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